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BALS ギュメカップアンドソーサー3種 デザイン/猿山修 製造/光春窯 制作/東屋
2008.03.18

その10・日本の洋食器

諸外国一般家庭に於ける食器群が、郷土料理の範囲を超えて想定されていることは珍しい。通常西洋諸国では、来客者を含めた人数分だけの量産磁器製食器が用意されている。それは日本で洋食器と呼ばれている最低限の一式に過ぎない。

文=猿山 修


つかい手が抱く器への執心は、つくり手の豊かさを育む

日本の家庭では、和洋中いずれの料理も日常的に食される。なかには、ヴェトナムやインドの料理なども得意とする人もいる。各料理に合わせた器を持つことも多く、金属器も含む様々な器があったりする。このようなことが諸外国であるだろうか。

我々日本人は、器好きである。和食器だけでも磁器、陶器、漆器、加えて様々なガラス製品があるのはあたりまえで、錫や銀製品を普段使いされている面々も少なくない。フランスのセーヴル窯やドイツのKPM窯など、高価な品を使っている家庭すらある。これも、ヨーロッパの一般家庭では考えられないことだ。
つかい手が抱く器への執心は、つくり手の豊かさを育む。

ヨーロッパ陶磁は、古くから高い完成度をもつ金属器にその原型を求め、東洋陶磁に対する憧れを抱きながら近世に成就した。陶器から磁器へと移り変る過程で、より金属器に近づき、薄く均一に、より明確なかたちをもったものに良さを求め、発展して来たのだ。

その過程で見受けられる、シノワズリやジャポニスムの影響。描かれた図柄や色使いに対する直接的なものもあれば、指物による漆器が持つ直線で構成された面がデザインに反映していることもある。

西洋文化からみる良質なエキゾチシズムとして映るであろう、この「直線で構成された面」を念頭に置き制作されたBALS社の洋食器一式は、木の器から始まった日本人の手によって、その手取りの好さと相反する金属器の安定と精度を両立したものである。それも日常品として。

ヨーロッパの逸品を圧する、日本の良品。自画自賛。

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