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ある都市の物語──
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「トウキョウ」を「東京人」が表現するパトリックは外国人からみた「トウキョウ」を、「東京人」である佐藤可士和氏にオーダーするという興味深いアプローチを試みることにした。東京生まれの東京育ち。生粋の「東京人」である佐藤可士和氏がデザインを担当したにもかかわらず、TOKYO BY KENZOは、「東京人からみた東京」ではなく、「異邦人からみたトウキョウ」に見事に仕上がっている。 またパトリックは、コンセプトであるイメージをそのボトルに踏襲しようと考えていた。それは「喧噪と無表情で固められたトウキョウという街に存在する、リアルな一本の樹」。そのイメージに、佐藤氏は「スピード感」を加える提案をした。過去のインタビューで佐藤氏は以下のように語っている。 「数多ある情報が、これだけの“スピード感”で流れている都市はそんなにないですよね。『東京』という街は私のクリエーションの源泉にもなっています」 パトリックがもつ「トウキョウ」のイメージに、佐藤氏が肌身で感じている「東京」のリアルな要素を加えることで相乗効果が生まれ、イメージはさらに膨らみはじめたのではないだろうか。 「TOKYO BY KENZO」のコンセプトムービーがそれを物語っている。 ひとりの外国人が時差ぼけの抜けない頭を抱えながら、茫漠たる都市に魅せられ、「トウキョウ」という街をさまよう。その視線の先にある残像を重ねあわせながら、フィルムは進む。高層ビル、ネオン、行き交うクルマのライティング……目まぐるしいスピード感で展開される都市をキャンバスに、光の線を絵筆でひきながら抽象画を描いたようなそのビジュアルは、「東京」であり「トウキョウ」とも見てとれる。 |
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パトリック・グエージと佐藤可士和氏の打合せ風景。「言葉」ではなく「意思疎通」によって、お互い理解していたというから驚きだ
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