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2009.03.27

KENZO PARFUMS|ケンゾー パルファム
「KENZO PARFUMS」の世界を広げるグエージの手腕

「KENZO PARFUMS」を舞台に、さまざまな花を咲かせてきたパトリック・グエージ。クリエイティブディレクターとして就任して以来、映像作家でありフォトグラファーでもある彼の研ぎ澄まされた感性で、香水の世界に新風を吹き込みつづけている。とどまることを知らない画期的な造詣の根本には、一体どんな信条が隠されているのか……最終回は、グエージの感性、卓越したセンスの源に触れてみたい。

Text by OPENERS



“Joy of Life”というスピリットを確実に昇華しつづける

1998年に「KENZO PARFUMS」のクリエイティブディレクターに就任したときのことを、グエージは振り返る。 「純粋に、KENZO PARFUMSが大好きだから。色、活気、そしてそこから得られるクリエイティブなフィーリングがとにかく好きなんだ。だから、オファーを受けたときは、本当にハッピーな気分だった」

彼の独創的な世界は、つねに世の中を驚かせている。「香水」という、ささやかな存在に託した壮大なストーリーは、日々、彼を取り巻く人びととのコミュニケーションからインスパイアを受け、ひとつのかたちに昇華しているという。もちろん、他方面で活躍する先鋭クリエイターたちから、コラボレーションの可能性を見出すセンスも抜群だ。

たとえば、「a flower for man 男性のための花。」というコンセプトのもと発売された「KENZO POWER」では、そのボトルデザインを、デザイナーの原研哉氏に依頼した。

「普段は他人が考えるイメージではモノはつくりません」(抜粋・「KENZOPOWER」原研哉インタビュー前編)という原氏を突き動かしたのは、グエージの“日本のデザインに対するリスペクト”だった。彼が魅了された、日本酒「白金」のボトルの洗練されたフォルムを香水のボトルに完成させたのは、互いの感性に対する好奇心とデザインがもつ精神性へのリスペクト、その融合の結果だった。

グエージは、「KENZO PARFUMS」と高田賢三との関係についてこう語る。「僕は、高田賢三と、一緒に仕事をしたことがあるわけではないし、今、同じフィールドで仕事をしているわけでもない。でも、僕のKENZOでの仕事というのは、完全に、彼が築いてきたものにインスパイアされているんだ。KENZOブランドを創ったのは彼だよ。だから、そのブランドがもっている世界観に対して非常に誠実でなければならないと思っているんだ。もちろん、時代に合ったモダンさも大切にして前進しつつも、だけどね」。

「TOKYO BY KENZO」の制作で、アートディレクションを担当したアートディレクターの佐藤可士和氏は、グエージを「まさにイメージのなかのアーティストという感じ。吟遊詩人のような人物」(抜粋・「TOKYO BY KENZO」アート・ディレクター 佐藤可士和 インタビュー 前編)と表現した。佐藤氏は、グエージのオリエンテーションで、彼がイメージする世界観をムービーでプレゼンされた。「クリエイティブな現場や作品を通してのコミュニケーションではつねに自分自身のやり方をもとうとしている」というグエージは、自分の抱くイメージをいかに明確に伝えるかに集中し、同時に「ほかの人の話に丁寧に耳を傾けることも気をつけている」と語る。

数年前、彼の卓越したクリエイティビティを多くのひとに伝える結果となった「FLOWERBYKENZO」のプロモーション。初プロダクトだったこの舞台では、パリのセーヌ川を挟んだ街中を、一夜にしてポピー畑にしたグエージ。「仕事の完成を実感するのは、直感でそれを感じたとき」という彼のスタンスは、高田賢三が掲げる“Joy of Life”というスピリットを大切に踏襲しつつ、確実に昇華しつづけている。




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