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2008.12.19

a journey of love──
KENZO AMOUR


ポップな色づかいと有機的なフォルムで知られる人気デザイナー、カリム・ラシッド。
これまで手がけたデザインはカトラリーからハイファッションまで多岐にわたり、その数は200点以上にものぼる。またデザイナーとして、23項目からなる「マニフェスト」を掲げ、質が高く集約的な自身のデザインワークに還元していることも有名だ。
そんな彼のマニフェストの中に「フォルムは主題に準ずる。モノは主題に準ずる」という言葉がある。
カリム・ラシッドが女性用フレグランス「KENZOAMOUR」で魅せた美しいフォルムの背景に、どのようなストーリーが潜んでいるのだろうか。

文=武井正樹



a journey of love──

KENZO PARFUMSは花、水、太陽、風……と自然がモチーフにプロダクトを創作してきた。
2006年に発表された「KENZOAMOUR」は「a journey of love」(愛の旅)がコンセプトとなっている。
これはKENZO PERFUMSのクリエイティブディレクター、パトリック・グエージが、実際に、インド、タイ、中国、インドネシア、ミャンマーといったアジアの各地を、約一年にかけて旅した、その風景や記憶がプロダクトとして表現されている。一見「自然」とは思えないテーマであるが、あえて「a journey of love」を選んだ、というところにパトリックの感性が垣間みられる。

映像作家でもあるパトリックは、その世界観をコマーシャルムービーとしてフィルムにまとめている(特集扉のトップ画像を参照)。
アジアを旅する男女とそのふたりを見守る天使のように、羽ばたく赤い鳥。アジアの旅路を彩る鮮やかな色彩やひとびとの躍動。
そこには穏やかな時間のみが、ゆっくりと流れているかのようだ。


デザイナー カリム・ラシッド

パトリックの瞼の裏にしっかりと焼きつけられた、これらの記憶をひも解くように、カリム・ラシッドにボトルのデザインを、ふたりの調香師に香りを手がけさせた。
カリム・ラシッドは、「主題に準ずる」ように、愛と旅を象徴する「鳥」をボトルに表現。それは男女間に愛を運ぶ渡り鳥のようでありながら、全体の曲線は女性自身を彷彿とさせ、純粋で感覚的なデザインとなっている。
また、白、オレンジ、フーシャとボトルに採用された3色は、パトリックが旅路で脳裏に焼きつけられた色なのだという。

この「鳥」が世界中を飛び交い、甘い時間を運ぶ様子を想像しながら、しばし「KENZOAMOUR」を眺めてみる。パトリックとカリム・ラシッドのリレーションシップと、それぞれの手腕に感心させらながら、手に握られたそれがフレグランスということを忘れ、アートピースと対峙しているかのような気持ちになってくる。



KENZOAMOUR

価格
30ml|5985円
50ml|8925円
90ml|1万2075円

www.sokenzo.jp




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