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2009.11.06

G-SHOCK、Baby-Gのオリジナルキャラクター “G-SHOCK MAN” の生みの親

play set products・中野シロウ インタビュー(後編)

 
音楽、アート、ファッションなどのさまざまなカルチャーシーンと融合し、新たなムーブメントを世界中に巻き起こしつづけているCASIOの腕時計「G-SHOCK」。
その活動の一環として誕生したあたらしいキャラクター“G-SHOCK MAN”のフィギュアが登場。
前編につづきこのキャラクターデザインを手がけたデザイン集団・play set products(プレイセットプロダクツ)の中野シロウさんに、デザインへのこだわりなどをうかがった。

文=金子英史
写真=中村雅彦

ひとりは本のデザイン、ひとりはゲーム、ボクはオモチャ屋の“play set products”

──シロウさんが、デザイナー/イラストレーターになろうと思ったキッカケは?

もともとはオモチャ会社に勤務していたんです。普通のサラリーマン生活なんですが。そこでオモチャのデザインをしていました。でも、最初から室内のモノに興味があって──
家具も好きだったし、「生活すべての自分のまわりのものを自分でつくりたい」というところからなんですよ。
“play set products”という名前は、僕らがつくった言葉なんですが、アメリカでマットがあって、クルマがあって、家があって、人がいるというオモチャの一式を“play set”というんです。そしてそういう製品を自分でつくる“products”という言葉をつけて社名にしました。いま自転車もデザインしていますが、乗るものから着るものまでデザインするし、家具もやる。でも、オモチャが好きだから、オモチャが当然多いんですけれどね。
ボクの場合、オモチャもオブジェとして売っているんです。だから、美術館だけで売ったり、ちょっとちがったコトをしているんですよね。そういう「生活のすべてをデザインする」ということで、イラストレーターとも思っていないし、デザイナーなのかというところも、別に自分から名乗るというのはないんです。製品をつくるための一部のデザイナーという感じですかね。

──play set productsのメンバーとの出会いは?

メンバーのひとりは生まれた病院から一緒なんですよ。お互いの両親がおなじ会社だったんです。だから「アレだよ! アレ!!」で通じるんですよ(笑)

──それは“ツウと言えばカア”なんですね(笑)

そうそう(笑)。もうひとりは美術学校のときに出会ったんですが、彼とも十代からなので、そちらも付き合いが長いです。
ちょうどボクが独立して、ふたりを誘ったかたちになるんです。ふたりともサラリーマンをしていたんです。ひとりは本のデザインをやって、ひとりはゲーム、ボクはオモチャ屋で働いていてと、それぞれ得意分野があるんですよ。

──キッチリわかれているのはスゴいですね!

そうなんです。みんな絵も描くしね。だから、スピードはわりとある会社なんですよ。

──それぞれデザイン的な特徴はあるんですか?

あります。でも、絵はボクが中心で考えて、その最終的な部分はスタッフがやりますけれどね。中原(正博)は本の装丁とか、レイアウトとかをやっていたので緻密な作業が得意。西塚(耕一)は、ゲーム会社にいたので、映像がわかるんですよ。ボクは、ものづくりの全体がわかるんです。ものづくりを見越して絵を描けば、いちばん早いですからね。あと、営業もやっていたので、単価のこともそうですし、流通に関しても口を突っ込みますね。ココで売りたいとか、卸し先を決めてきたり。

──それはブランディングとして必要なことですよね

そうですよね。ブランディングは自分で決めてやっています。そういうのがもともと好きなんですよ。一通り見ていないとわからないじゃないですか? いろいろバランスを考えられるし、ひとりで完結しているとその方が早いんですよね。

モダンペットの“ドリーミング ベア ドッグ”がいちばん好き

──デザイン的に影響を受けたものはありますか?

ボクは、プロダクトに影響を受けていますね。美術学校出身ですが、美術のことはほとんど覚えていないんです(笑)。そこにマニアな発想がないんです。だけど、モノにかんしては子どものときから好きだったんですよね。 中学、高校のときから骨董市とか行ったりしていました。だから、モノには、すごく影響されていると思いますね。

──部屋のなかに鳥のオブジェがたくさんありますが、好きなんですか?

好きですね。キレイですからね。

──鳥になにか思い入れがあるのでしょうか?

子どものときに、父がいっぱい鳥を飼っていたんですよ。50羽くらい。

──50羽ですか!? 種類は?

いろいろです。それをいつも見ていたので、血なのかもしれないです。

──“かえるの子はかえる”ということですか?

そうです(笑)。鳥は、オブジェとして、成立しますしね。

──コレまでつくられたキャラクターのなかで、好きなものをひとつだけあげるとしたらなんですか?

三角帽をかぶっていた犬のキャラクターがいるんです。モダンペットの“ドリーミング ベア ドッグ”という名前なのですが、自分で会社をはじめてすぐのときに、いちばん最初にそれを出したんですよ。それが売れたので、“いま”があるんです。だから、やはり思い入れが強いですよね。どうしてそれが最初になったのかは覚えていないんですが。いまだに数字もつくっていますしね。ありがたいなと(笑)。
そういう意味でも、モダンペットのドリーミング ベア ドッグが好きです。

早くなにかをやりたいんだったら、自分でつくって売ればいい

──シロウさんにとって、デザイナー/イラストレーターとはなんでしょう?

なんなんでしょうね──
好きだし、仕事という感覚もあるけれど、遊びという感覚もある。それに発想が自由でいられる、とうまく説明できないのですが。ボクの場合は、仕事としてとくにキャラクターが多いのですが、ゼロからつくるものも多いので、仕事としてデザインするということは自分としては非常にたのしいコトですよね。
そして、それをまずはモノにする。製品にして、流通にのせ、いろんな人たちの目に触れ、その先にこんどは動かしたいと思って、映像をつくる。さらに書籍化するとか、そういう広がりがあって楽しいですよね。
だから、イラストを描いて売ることはないし、個展をすることもないんです。絵だけで売るつもりはないんですよ。モノのために描いているんです。

──若い人たちで、これからデザイナーやイラストレーターを目指す人たちがいますが、彼らになにかメッセージを

学校に行ったりするのもいいですが、早くなにかをやりたいんだったら、自分でつくって売ればいいと思います。
それしかないですよ。それが発表だし、そこにすべてあるワケなんです。パッケージをどうしようとか、製品をどうしようとか、単価をどうしようとか。全部そこに入っているじゃないですか? それができればなんでもできると思うんですよね。
アーティストとしてどこかに所属するとかもボクは好きではないので、なにかをつくって売ればいい。それが早いです。売れるかどうかはわからないですけれどね。

──動かないとダメということですね

そうですね。あと、企画とか営業面とかも全部できないと難しいと思います。これからはとくにね。あとは自由な発想をもってなんでもすればいいと思いますよ。

──次はどのような方向を考えているのでしょうか?

今回は時計というあたらしいジャンルに踏み込めて、そのなかでもCASIOさんの「G-SHOCK」という自分が好きな時計ができたのはよかったと思っています。だから、次はキャラクター以外の製品についてもいろいろと話をしたいですね、発想がもうあるので。とにかく、自分が欲しいんですよ(笑)。

──ありがとうございました

(おわり)




中野シロウ
2002年より活動を開始した西塚耕一、中原正博の3人によるデザインチーム「play set products」の代表。
おがくずがぎっしり詰まったハンドメイドのぬいぐるみ「モダンペット」シリーズが現在もヒットをつづけているほか、人気キャラクターとのコラボレーションを数多く手がけ、さまざまなブランドを発表。
オブジェや絵本などが発表され、人気を博すほか、有名キャラクターのリデザイン、企業広告デザインなどを手がけ話題となり、その活躍に世界が注目する。
http://www.playsetproducts.net/

問い合わせ先
カシオ計算機株式会社
Tel. 03-5334-4869
公式サイト
http://g-shock.jp/stw

 
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