2009.10.30
G-SHOCK、Baby-Gのオリジナルキャラクター “G-SHOCK MAN” の生みの親
play set products・中野シロウ インタビュー(前編)
CASIOが世界に誇る腕時計「G-SHOCK」。
いまや時計業界だけではなく、音楽、アート、ファッションなどのさまざまなカルチャーシーンと融合し、新たなムーブメントを世界中に巻き起こしつづけている。
その活動の一環として2007年に“G-SHOCK MAN”なるあたらしいキャラクターが誕生、さらにこんどはそれらがフィギュアとなって登場した。タフさを提案する「G-SHOCK」だけに、まさにタフなイメージのキャラクターだ。
世界的にも話題沸騰中のこの新キャラクターをデザインしたのは、人気キャラクター“モダンペット”や、映像『スケアクロウマン』などを手がけたデザイン集団・play set products(プレイセットプロダクツ)の中野シロウさん。
今回は、“G-SHOCK MAN”ができるまでのお話を中心に、デザインに携わった理由などいろいろとお話をうかがった。
文=金子英史
写真=中村雅彦
機能がスゴすぎてロボットのイメージもあった「G-SHOCK」
──今回の“G-SHOCK MAN”というキャラクターは、どのようなインスピレーションから生まれたのでしょうか?
最初は、ちょうどCASIOの方とお会いしたときに、いろんなアイコンをつくるという話をしていて、「描きましょうか!」という感じのノリで描いてみたんです。
当然、人型にするという話も全然なく、そのなかでなにかボクらしい打ち出しができないかと思ったときに、すぐこの形が頭に浮かんだんですね。文字盤を顔にして、胴体の部分はベルトのイメージでヒーローをつくろうと。
ボクにとって、G-SHOCKは腕時計なのはもちろん、機能がスゴすぎてロボットのイメージもあるんです。だから、ロボット的なヒーローをつくりたくてできたキャラクターなんですね。
それぞれのキャラクターは、個性が時計自体にあったので、それに見合ったキャラクターの設定はすぐつくれました。
──play set productsがつくるキャラクターは、シリアスより、カワイイ系のキャラクターが多いですよね?
今回はヒーローということで、ある程度の等身にしています。いま映像もつくっていて、映像だとアクションも大きいので、ある程度の手足の長さがないとアクションもつくれませんからね。そういう意味で、今回はカワイイという感じではありません。
“G-SHOCK MAN”のボクのイメージが、カワイイというよりはカッコイイなんですよ。だから、「カッコイイものにしよう」というところのギリギリのデザインなんです。
──中野さんとG-SHOCKとの出会いは?
G-SHOCKは、最初のムーブメントがくる前くらいには持っていましたね。海でつけたりしていましたよ。出会ったというよりは「すでに知っていた」という感じで、気がついたら持っていたという感覚でした。
もともと時計が好きだったので、いろいろな時計を持っていますが、もちろんG-SHOCKも何本かもっています。
──“G-SHOCK MAN”のデザインで苦労された点は?
とくにはないですね。ただ、スタートした時点で発表会が近かったので、打ち合わせとか、人形の制作とかのスケジュールは大変でした。平面で絵を描くのは早くできたのですが、絵を立体的にしていく作業の打ち合わせにかなり時間がかかりましたね。
キメのポーズもつくらないといけないですし──、キメのポーズがみんな一緒ではつまらないですから。

初代から25〜6年経っていて、いまも新しく見えるというのはスゴい
──イラストを描きはじめた時点で、立体にするということを前提に描きはじめているのですか?
つねにそうです。もともと絵を売るのではなくて、モノをつくるための絵なんですね。play set products(プレイセットプロダクツ)は製品をつくる会社なので、どの形でいくというのは最初に考えて描きます。それに描きながらストーリーも考えて、話の前提をつくったりもしていますよ。イメージですけれどね。たとえば、走るところを想像してみたりしながらとか、どんどん連想していく感じです。
今回に関しては、このキャラクターがどういう評価になるとか、みなさんにどう受けとめてもらえるのかというような不安はありましたね。
──G-SHOCKでは、人型のキャラクターは初めてですから、根強いファンの方からの評価は気になりますよね
そうですね、「何だよコレ!?」となるのが不安でしたね。だから、最初の原宿・クエストでイベントをやったときの評価はすごく気になりましたよ。でも、そのときにいろいろいい声をいただいたのでよかったです。それに最近は、店頭ツールとしていろんなお店で見るようになってきたので、それもうれしいですね。
うちはいろいろな製品を一年で何千点と出しているのですが、そのなかで時計というジャンルはいままでなかったんですよ。だから、CASIOさんとの今回の仕事は、非常にうれしいですね。
しかも、G-SHOCKはボクの世界観にいちばん近い時計でしたから。電波時計だったり、ソーラーだったり、秒数も狂わないし、すごい性能ですからね。ロボットのようでもあるので、カラーリングや素材感が、ボクの好きな感じにかなり近いんですよ。初代からだと25〜6年経っているので、郷愁感もではじめていながらも、いまも新しく見えるというのはスゴいですよね。
モノからコトになる。CG動画の次は……
──それぞれのキャラクターの性格の決め方は?
もともとCASIOさんから、つくってほしいタイプの要望をいただいていたので、その基本性能を解説書を読みがらまとめていきました。もうイメージでしかないんですけれどね。うまく出せたと思います。
それをいまフィギュアまで落として、今度はそれをCGアニメーションでやるので、さらに性格づけをしています。アクションの仕方ひとつも変えていくつもりなんですよ。
CGというのは根本的にアメリカ的な発想が大きいので、日本的な表現をどう出そうかというところで、いろいろな動きの型のポーズ集をつくっています。
G-SHOCKのストロングポイントである“水”や“泥”を悪としてモンスターにしようかと考えているところです。
──悪のキャラクターもつくってるんですね?
あくまでもオトナ用のアニメーションですけどね。このプロジェクトにかんしては、面白がってやっています。
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──イラストからフィギュアになって、そしてCG動画。その次はなんでしょうか?
最終的にDVDで販売できるかはわかりませんが、ストーリーにしてみて、テレビでもいけるのかとか、いろんな話になるまでもっていくつもりでやっています。それがうちのやり方なんですね。モノからコトになる。普通は、映像があってモノになるのが多いんですが、僕たちは逆なんですよ。
──最終的には、『トランスフォーマー』ではないですが、本物の時計がこのキャラクターに変化する、しかも実用性のある商品になるとおもしろいですよね
そこまでやりたいですよね。自分が欲しいものをつくらないとウソじゃないですか? これからもCASIOさんと、いろんなキャラクターのデザインもしていきますが、本体のデザインにもかかわっていきたいですね。
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──G-SHOCK本体にも、もっと遊びがくわわれば、さらに面白いものになりますね
プロダクション的にもいろんなものがつくれますしね。世界に上手く発信していけるもの、とっつきやすいものをつくりたいです。アニメーションがカッコイイものであれば、また少し見方が変ってくるとおもうんです。
G-SHOCKファンは当然のことながら、G-SHOCKを持ったことのなかったヒトたちも「この時計が欲しい!」ってなってくれればいいですよね。
あとは、子どもたちにもわかってもらいたいです。子どもって“基本”みたいなことを覚えるのが得意じゃないですか? たとえば、G-SHOCKの品番を100まで言えるとか、そういうふうになるといいですよね。電車のファンとか、スターウォーズのファンとか、「なんでそんなに名前を知っているの!?」って感じですけれどね(笑)。でも、アニメーションがあれば、必ずそうなってくると思うんです。
──大プロジェクトですよね
勝手に言っているだけなんですけれどね(笑)。でも、言うコトが大事なので
──。最終的には、アメリカのテレビで帯で放送できるアニメをやりたいですよ。
──アメリカだと、ウケると思いますよ
そうなんですよね。カンファレンスでの評価も非常に高かったんです。それに、ライセンスグッズとか、まわりから固めて映像にいけば、実現できると思うんですよ。なんせ、コレに関しては時計という核がありますから。そのまわりをボクらが一部つくり、また本体にかえっていけばいいなと思います。そのために参加させてもらっているので。
よりG-SHOCKを深く知ってもらうためのキッカケになればいいなと思います。
play set products・中野シロウ インタビュー(後編)へつづく
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中野シロウ
2002年より活動を開始した西塚耕一、中原正博の3人によるデザインチーム「play set products」の代表。
おがくずがぎっしり詰まったハンドメイドのぬいぐるみ「モダンペット」シリーズが現在もヒットをつづけているほか、人気キャラクターとのコラボレーションを数多く手がけ、さまざまなブランドを発表。
オブジェや絵本などが発表され、人気を博すほか、有名キャラクターのリデザイン、企業広告デザインなどを手がけ話題となり、その活躍に世界が注目する。
http://www.playsetproducts.net/
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問い合わせ先
カシオ計算機株式会社
Tel. 03-5334-4869
公式サイト
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