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2009.05.22

ヤマダユウの「ミタヨサローネ」

2009ミラノサローネ観てある記(1)

 
最後に、この季節にミラノを訪れたのは、もう10年くらい昔のことだ。もちろん、毎年4月に開催されるインテリアとデザインのもっとも重要なイベント、ミラノサローネを見るために。
まだ、右も左もわからない若い20代前半のころ、イベント自体はもちろん、会場の環境・雰囲気、世界中から足を運ぶ人々の多さ……。この季節のあまりにもきらびやかなミラノの街の姿に、ただただ圧倒され、そこでスポットライトを浴びるメーカーやデザイナー、そして彼らの作品の数々を、憬れをもって眺め、街を巡り歩いていたことをよく覚えている。

そして、いつのまにか10年が過ぎ、僕は再びミラノへ向かった。本当に久しぶりにミラノサローネを見に。そこにはちょっとした個人的な理由がある。

写真・文=ヤマダユウ

久しぶりに自分の目で実際に見て、デザインの最前線を肌で感じたい

いままで、デザインの業界と密接に関わりながらも、ある程度の距離を保ちながら、ときには客観的に、そしてときにはシニカルに接することで、自分の立ち位置をつくってきた。

セントラーレの駅

いわば本流から完全に外れた裏街道を歩んできたと、自分では認識しているのだが、ただ、昨年、東京で開催されたイベント「DESIGNTIDE TOKYO」の企画、運営に関わりはじめたこと、さらに今年から、とあるインテリアショップさんのバイイングに関わりはじめたことで、情報発信や、実際のリテール(販売)の現場という場所ではあるが、自分自身のなかで、どうやらいままでの裏街道人生から、このデザインという業界の表舞台、本流へと久々に帰ってきたような気がした。

そこで、この10年間、いつもインターネットや雑誌で得ていたミラノサローネの情報を、久しぶりに自分の目で実際に見て、肌で感じることで、現在のデザインにおける最前線、そして世界基準というものが、いかなるものであるのかを確かめようかと。

もちろん、この10年で僕のモノに対しての見方がいかに変わったのかを自覚するいいチャンスでもあった。だからこそほとんど現地では仕事を入れずに、あまり人と会うこともなく、10年前と同様、ただただ会場を巡って、ひたすら丁寧に、そして冷静にモノや場所を見て回った。

その結果、思ったことは、「やっぱりミラノサローネってすごいイベントだなぁ」ってこと。ただし、10年前の無邪気な自分とは異なり、考えさせられることはいろいろと多い。

「まだまだサローネは元気だな」というのが個人的な印象

「カッペリーニ」の展示
「カッペリーニ」の展示
「カッペリーニ」の展示
「カッペリーニ」の展示


そんな自分なりの結論は最後にするとして、まずは、回った場所や、見たモノを紹介して行こう。まず第1回目は、イタリアの代表的な家具メーカーである「arflex(アルフレックス)や「B&BItalia」などを中心に。

まずサローネ全体としては、世界的な不況の影響もあり、例年よりも今年は落ち着いているという声をよく耳にしたが、それでも来場者の数はとても多かった。また、1週間弱という期間にも関わらず、各メーカーのブースの造り込みの本気度や、それに伴う投資を考えると、まだまだサローネは元気だな、というのが個人的な印象。ただし、各メーカーが発表する新作の数はそれほど多くない。けれども、それだけ絞られた数量の新作に関して、各メーカーが吟味し、開発に集中した上でプレゼンテーションしているように見受けられ、その姿勢にはかえって好感がもてた。

「B&B Italia」の展示
「B&B Italia」の展示
「B&B Italia」の展示
「B&B Italia」の展示


arflex
ミラノサローネの本会場である、フィエラのarflexのブースを訪ねた。カルロ・コロンボやCKRの新作を中心に展示を行っている。ノックダウン式でコンパクトなパッケージに収められたカルロ・コロンボの新作チェア「GIADA」は、arflexの試みとしては新鮮だった。
またCKRデザインのブックシェルフ「HILLSIDE」が個人的には大変好み。CKRとは、サローネの期間中、さまざまな会場で出くわした。着実に良いプロダクトをリリースしている彼らには今後も期待したい。

B&B Italia
ドゥリーニ通りに面したB&Bのショールームでは、インドアとアウトドアをテーマに新作家具を多数発表。アントニオ・チッテリオのウオールシステムの新作シリーズが素晴らしかった。こんな家具のあるオフィスで仕事をしてみたい。もちろん大容量だし。アウトドアのシーンはとても優雅な印象。女性的なパトリシア・ウルキオラの新作ソファや、ジャン・マリー・マッソーの新作などがディスプレイされ、高級リゾート感を演出。正面のウィンドウでは深澤直人氏のサイドテーブルも展示され、内容、見応えとも十分。

次回は、自分なりの目線で、そのほかの会場の様子を多数紹介しよう。

ヤマダユウの「ミタヨサローネ」 2009ミラノサローネ観てある記(2)につづく
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