空間デザイナーでプロダクトデザイナーでもある二俣公一氏。昨年11月に行われたデザインダイドで、日本のファニチャーレーベルE&Yから、ミニマムなデザインの中にも空間的な広がりが感じられるコートハンガー“4FB “を発表した。
新作のお披露目となったデザインダイドの会場で、4FBを前にお話をうかがいました。
インタヴュー= 加藤孝司
Photo by Jamandfix
――プロダクトデザインは久しぶりですね
ここ数年はもっぱら空間作りにチカラを入れて仕事をしていました。もちろんその空間のための道具としての家具やパーツはいくらでも作ってきましたが。
プロダクトに関しては以前イデーさんがメインで扱っていたキューブ型のコンセントタップを出したりと、つねに興味の対象でした。
今回、ごいっしょさせていただいたE&Yさんには、以前からお話をいただいていたのですが、およそ3年越しの実現となりました。
――今回発表されたコートハンガーについて教えていただけますか?
最初は木の棒というか、柱のようなものを、金物の無垢感で作れないかなぁ、というようなイメージから入っていきました。
構造的には中に芯棒が一本入っていて、それに対して無垢の同じ形状のフラットバーが取り付けられています。
見てのとおりノックダウン式になっていて、かんたんにバラせるようになっているんです。
金物に留め込んでいくやり方はいままでにも見てきたことがありました。ただそれを卍型にきちっと徹底して、無垢の棒のように押さえ込んでいくことによって生まれるフォルムとかディテールが、いままでの自分の仕事に結びついてピンとくるものを感じました。
――そのイメージを具体的にはどのようにかたちに落とし込んでいったのですか?
まず天地上下に解放されていく感じで、スケッチを書いていきました。
――素材は最初から金物と決めていたんですか?
金物というのは最初から決めていました。じつはその金物の組み合わせの精度を高めていくために、制作には2年ほど時間を費やしているんです。
最初はスチールからスタートしたのですが、重量の問題や、実際に買っていただいた方が自身で組み立てることや、コストの問題を考慮して、無垢感やディテールで作る質感を出したかったのでアルミに落ちつきました。
――3万円台で発売されるとききましたが、コストパフォーマンスの高さはすばらしいですね
私もそれは正直驚きましたね。

二俣公一 FUTATSUMATA Koichi
空間デザイナー。鹿児島生まれ。九州産業大学工学部建築学科卒業。
2000年自身の設計事務所であるCASE REAL(ケース・リアル)設立。福岡・東京の2つの都市を拠点に、空間デザイン・設計、インテリアプロダクトのデザインを手がける。2007年ファニチャーレーベルであるE&Yより、アルミのアルマイトを使ったコートハンガー“4FB ”を発表。それが置かれる空間全体を見据えたプロダクトデザインには定評がある。
アルミの素材感とアルマイトの質感が際立った4FBのディテール……。
『二俣公一インタビュー』後編をお楽しみに!(2月19日公開予定)。