デザイン事務所「artless」代表で、アートディレクターでありグラフィックデザイナー、アーティストでもある川上 俊氏は「アートとデザインの2極化が進んで、その中間がありません。その中間にあるものとしてINFRAMEという考え方はとても面白い」と語る。
文=オウプナーズ
写真=原恵美子
海外の熱心な写真(オリジナルプリント)コレクターなどの話を聞くと、日本ではいわゆる近代・現代絵画(あるいは)現代美術以外のものをお金を出して買うということの意識がとても薄く、レストランの壁には何年経っても抽象画の油絵が飾られ、現代アートでも依然としてウォホール、キース・ヘリングどまり。そもそも壁にアートを飾って楽しむということの積極性がない。
「そういう日本人のアートに対する意識をなんとか変えたい」。作品にオリジナルの額装をほどこし、新しい価値をもつインテリアとしての「INFRAME」の構想を最初に聞いたときにまず感じたことだ。
「INFRAME」のスタートに、川上 俊さんが参加したのも、そんな“アートの危機感”からだと感じた。アートディレクター、グラフィックデザイナーとして活躍しながら、アーティストとして海外の展覧会に積極的に参加したり、自ら企画展をプランニングするなど、クライアントワークにとどまらないデザイン活動をつづけている彼こそ、「INFRAME」のコンセプトを語るにふさわしい。
ホテルやレストランはもちろんですが、自宅のリビングや自分の部屋にアートが飾ってあるというのはとても自然なことですが、新しいものを見つけて、個人的に楽しむというのは難しいことでした。それはエキシビションを開催しても作品は買えないという供給側の限界もあったし、消費者にも買うという価値観や意識がなかったりと、双方に壁があったと思います。「INFRAME」は、アートとデザインの中間であるのと同時に、ユーザーとアーティストを結びもの、さらに、アーティストとデザイナーの中間のひとが集まる場にもなってほしい。
──その中間のひとというのは?
僕らはアーティストでもデザイナーでもどっちでもあって、そういう意欲的なひとが集まって作品をつくれば、これまでと違うカルチャーが生まれてくるかもしれません。
──「INFRAME」の作品はエディションがあるんですよね
そうです、1作品について25エディションが基本です。作品として流通させるために、プリントのクオリティにはとくに気を遣いました。僕たちも納得できる質にできあがっているので、ぜひ間近でご覧ください。
──このアートワークはどんなところに飾ってほしいですか?
それは個人のお宅にはもちろん、アートの関心が高いレストラン・オーナーや、公共施設などでも面白いですね。なんとなく決まり切った壁の装飾という日本の現状を、少しずつでも変えていければ。
──川上さんの今後の活動は?
作家としての活動は、エキシビションがベースですね。「INFRAME」はサイズオーダー、オリジナル作品の制作などもできますので、自由にコーディネイトを楽しんでください。
──ありがとうございました
※川上さんをインタビューしたのは、INFRAMEの「Viewing Room」(予約制)。
東京都港区西麻布2-24-5 WESTERIS西麻布402
Tel. 03-6808-5025
e-mail:hello@inframe.jp