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近年デザインとアートの接近は著しい。それは社会的なシステムからの要請によるところも多い。 人間とデザイン、社会の中でのデザインのあり方とは? Text by 加藤孝司 Photo by Jamandfix デザインの社会に対する使命
商業的につくる場合には売れるということや、コストの問題などさまざまな制約がともなう。
ヴィトラ・エディションの発端にはあらゆる制約を除外視し、デザイナーがもつクリエイティブなものをすべて採り入れて、自由なもの作りをするという実験的な試みがある。 そんな純粋なデザインのためのクリエイティブ・ワークは、真摯に世界をデザインしていこうとするクリエイターにとってひとつの理想的なスタイルだろう。 ライフスタイルが多様化する現在、モノに対する特定の価値判断は個人に委ねられ、一面的には語ることは難しい。しかし素材のよさや手仕事のたしかさは、いつの時代にもゆるぎない価値と力強いスピリットをもつものだ。 本格的な展開は日本でLimitedだけとなるフランスのメーカー「ドモー・エ・ペレス」はそんな普遍的な価値を有する数少ないもののひとつだろう。そのプロダクトに表現された、クラフツマンシップとアーティスティックな感性が際立ったストイックな作品は、ラグジュアリーな感覚さえのみ込んでいる良質なオブジェのようである。 ![]() マーティン・ファン・セーベレンは自らの工房をもち、そこから作品を発表するという自らの気質に徹底的にこだわった職人肌のデザイナーだ。 彼がつくり出すものはプロダクトのありのままの存在がそれが置かれる空間のなかで一体となり、空間のなかでそのものの存在がなくなっていく、不思議なアート作品に近いものだ。それもファン・セーベレンが比較されるのがあのドナルド・ジャッドだというのだから頷ける。 またドイツのメーカーであるクラシコンのコレクションをまとめて見ることが出来るフロアも圧巻だ。 コルビジェとも関わりの深いアイリーン・グレイ、現代ドイツを代表するインダストリアル・デザイナーであるコンスタンティン・グルチッチというLimitedがリコメンドする二人のデザイナーのコレクションには、時代は異なれどモダニズムが理念とした歴史的な事例の改良や、既成の社会システムの改善策といった自由なイメージが溢れている。 今後バーバー・オズガビーのコートハンガーや、グルチッチのアシスタントをつとめていたドイツの若手デザイナー、クレメンス・ヴァイスハールのスツールも入荷する。 同時代のシステムへのアンチな姿勢はアートの分野において顕著だ。そんなマイノリティな感覚を時代にマッチさせソフィスティケイトされたかたちで提示するのがデザインの役割であり使命だろう。 環境問題や社会不安など混迷する現代にあって、そんな社会のなかでデザインがカンフル剤の役割となることがいま求められているといえるだろう。
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