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![]() ユルゲン・ベイ / Jurgen Bey
90年代オランダを代表するデザイン・ムーブメントであるドローグ・デザイン。その中心にいたのがユルゲン・ベイだ。
1965年生まれのオランダのプロダクト・デザイナー。日本ではオランダのティヒラーマッカム製陶所から発表された、伝統的なスタイルの絵づけの陶器によるテーブルセットで知られている。 ユルゲン・ベイはthing<モノ>にこだわっているようである。 べイはまるで哲学者のように世界についてそれが何かを問うたりすることを恐れず、しかもその答が既にこの世界のなかに存在していることを知っている。 ベイは日々消費のために新しくつくられるモノの価値に対する疑問や問いかけから、ゴミをあさり、それをリサイクルすることによって、新しい価値あるものを創り出す。しかしその作品にインテリジェンスをもたせることは容易ではない。 2000年にドローグより発表された木の幹のベンチ=Tree Trunk Benchは、丸太にブロンズ製のクラシカルな椅子の背もたれを付けただけのベンチだ。それは誰もが一度は腰掛けた記憶のある丸太に背もたれを付ける、という誰もが考えそうで考え出さなかった一種の発明品である。 ベイはそのTree Trunk Benchにおいて自然のなかにあるものにほんの少し手を加えることで生まれる、親しみのこもったモノと人との親和力を楽しんでいるようである。それはベイの言うところの自然と文化の素晴らしき相互作用である。 そしてユルゲン・ベイの現在までの代表作であるコクーンファニチャーは、骨董趣味の家具を弾力のある合成繊維で包んだ家具シリーズである。破棄された家具や中古の家具を収縮性のある合成繊維でくるみ、まったく予想もしていなかった姿に変えてしまう。 ユルゲン・ベイが手がけた2004年に行われたJ.P.ゴルチエのサマーコレクションのキャット・ウオークと、その舞台装置はまさしくベイのコクーンファニチャーの仕事から派生したものだ。また世界中にあるゴルチェのコンセプトショップの内装もおなじコンセプトで手がけている。 それは空間の壁面に備え付けられたシャンデリアや、バロック調の調度品までもがベイの<覆う>というコンセプトのもとに繭に包まれ、生まれ変わる日をもつさなぎのような荘厳で静謐な空間を演出しているものだ。 2007年のデザインタイドで展示された「バード・ウォッチ・キャビネット」は、家具を運搬するさいに使用する木枠と、本来その木枠に納められるはずの家具との関係を逆転させたもの。それはまた小さなパーソナル空間にもなるというユニークなコンセプトをあわせもっている。 既存のリサイクルやリ・ユースといったありきたりな考えからは生まれえない、モノの背景への深い思慮がユルゲン・ベイの作品には貫かれている。
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