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![]() ヘラ・ヨンゲリウス|HELLA JONGERIUS
ヘラ・ヨンゲリウスはオランダのインダストリアルデザイナーである。
彼女はまず自分をデザイナーであると定義づけする。そしてクラフトであることがテーマであると。彼女にとってのクラフトとは、コンピューターに代表される現代的なハイテクと、むかしながらの職人の手わざに根ざしたローテクをミックスすることである。 最先端技術と先端素材を使って原初の名残りのあるかたちを創り出すこと。 ユニークなインダストリアルデザインであること、そしてそれが未来と過去をつなぐものであること(それは古代アフリカの古典的なかたちの花瓶をハイテク素材であるポリウレタンに置き換えてつくることであったりする)。 彼女にとってほかの時代、異なるカルチャーはその創作においては理解しがたい相容れないものではなく、しばしば大切なモチーフになったりする。 ヘラ・ヨンゲリウスの初期の作品は、おもにドローグデザインより発表されている。2000年よりアトリエJongeriuslab|ヨンゲリウスラボを立ち上げ、ユニークなクラフトピースを自らディストリビューションしている。彼女にとってデザイナーであることとメーカーであることとは矛盾しない。それは彼女の言葉でいうところの手と頭でピンポンをするようなものなのである。 オランダの老舗陶磁器メーカーであるティヒラーマッカムより、1998年に発表された磁器のテーブルウェアのシリーズB-setはもっとも知られた彼女の作品だろう。B-setとは不完全な工業製品を表わすB品に由来する。 しかしそれは製品として不完全で未熟なものの意味ではなく、卓越したクラフツマンシップに裏打ちされていながら、まるで製造途中のようにも感じられる、製品に手の痕跡を意図的に残した完成されたプロダクトである。 通常の焼き物よりも高温で焼きあげることによって生じる、器のゆがみといった不確定要素をデザインに取り入れ、量産品でありながらそれぞれに個体差を生むことに成功している。 代表作には初期のソフトウルンベース(ドローグデザイン1994年)、ノンテンポラリーシリーズ(ティヒラーマッカム2005年)、ポルダーソファ(ヴィトラ2005年)、エナメル七宝プレートシリーズ(シボネ2007年)など。 ニューヨークのモスギャラリーや、パリのギャラリークレオでの一点もののユニークピースの製作、2007年ミラノサローネで発表された実験的なヴィトラエディションのコレクションへの参加など、デザインとアートの垣根を越えた、ヘラ・ヨンゲリウスのデザインにおけるクラフト的なアプローチは注目を集めている。 近年、ドイツのオフィス家具メーカーで名作家具の復刻を手がけるヴィトラ、おなじドイツの老舗陶磁器メーカーであるニンフェンブルグ、そしてアメリカのテキスタイルメーカーであるマハラム、アルテニカ、スイスのベルックス、スウェーデンのイケアなど海外のクライアントとの仕事が多い。 それら大企業との仕事をメーカーとの"結婚"にたとえるヘラ・ヨンゲリウスは、世界じゅうのクライアントにとってますます目が離せないデザイナーであることは間違いがないだろう。
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