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2007.10.02

ダニエル・リベスキンド / DANIEL LIBESKIND

1946年ポーランド・ウーチ生まれ。建築家。

イスラエルで音楽を学び、その後建築に転向、アメリカのクーパー・ユニオン、イギリスではエセックス大学で建築を学ぶ。
アンビルド(建築なし)、反モダニズムの建築家、消費主義に対するカウンターの建築家として知られる。
78年に発表した建築的ドローイング「マイクロメガス」は破壊的な建築としての斬新さと、芸術的な面白さを兼ね備えたものとして建築、アートの分野に衝撃を与えた。
また脱構築系の建築家としてその難解な作品は、ながらく実作として建築されることはなかった。

その創作の背景には戦後生まれの世代として、戦争を身近に感じて育つことはなかったものの、ユダヤ系アメリカ人として生まれたことがある。第二次世界対戦でのユダヤ系民族の悲劇的な歴史は、ホロコーストの生存者であるリベスキンドの両親の影響もあり根強い。

1989年にベルリン・ユダヤ博物館コンペ案当選(完成は1998年)は彼の難解な作品をはじめて具現化するものとして世界の注目を浴びた。形態と装飾に縦横に走る斜線を多用したリベスキンドの建築は、建築的エモーショナルの表現とともに、表現の自由を獲得している。

1998年フェリックス・ヌスバウム博物館、1999年ベルリン・ユダヤ博物館が完成。2001年にはイギリス北帝国戦争博物館が着工。
同年、人類の平和に貢献した芸術家に送られるヒロシマ賞を受賞した。

2004年には、LMDC(ロウワー・マンハッタン開発公社)主催のアメリカ同時多発テロで崩壊したワールド・トレード・センター跡地の再建コンペに当選。アメリカが独立した年である1776という数字と同じ高さを持つ「フリーダム・タワー」を中心に、慰霊スペースの広場と超高層ビル群によってなる静かな喪失感をただよわせた空間をつくり上げた。
右手に松明を高々と掲げた自由の女神に似せた「フリーダム・タワー」の自由の象徴としての存在感、そして未来のニューヨークを形創るランドスケープのたくみさと美しい景観で市民には好評であったが、さまざまな利権が絡み、リベスキンドのマスタープランは根本的な変更を余儀なくされながら2009年完成予定である。

ユダヤ博物館に込められたユダヤ民族の不在の悲しみ、そしてアメリカ建国の象徴としての自由の女神像。
一見それが建てられる土地に対して異化を生み出すように見えるリベスキンドの建築物は、じつはその土地固有の歴史に着目したヴァナキュラー(民族的な、風土に適した)なものだ。

静謐な内部空間をもつユダヤ博物館、そして21世紀に入っての未曾有のテロリズムの時代の象徴となったワールド・トレード・センター再建案で、人類史上稀にみるふたつの喪失と記憶のための、鎮魂の作家として不動の地位を確立した。

現在ロンドンにあるヴォクトリア&アルバート美術館拡張計画など進行中だ。

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