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トゥルフィット&ヒル モニターレポート 櫻井賢之(スタイリスト/ファッションディレクター)_Vol.2 はたして『トゥルフィット&ヒル』から生まれた7種類の香りは、いったい僕にどんな化学反応を与えてくれるのか? この夏おすすめのスタイルを名作カクテルとともにコーディネイトしてみました。 Direction & Styling & Text by Masayuki Sakurai
Photo byToshiichiro Hayashi(FOREST)
Cocktail Cordination by Yuji Ito & Daisaku Yuki
切れ味のいいシトラスと深みのあるフローラルが複雑に重なりあった香りは、都会的かつ官能的ですらある。 イメージするのはパープルのボウタイをネイビーのシルクシャツとニットジャケットに合わせた、フォーマルライクなスタイリング。 パルフェタムール“完全なる愛”ともいわれるバイオレットリキュールを使ったカクテル、『ブルームーン』を片手に、いつもより少しだけ特別な夜に。
fragrance 『TRAFALGAR』 見た目の爽やかな印象をいい意味で裏切るスパイシーウッド×シトラスの刺激は、鼻から後頭部まで一気に突き抜ける感覚。 アルコール度が高く、通称“レディキラーカクテル”ともいわれる『スカイダイビング』の飲み口になんとなく似てるかな。 ミックスの相手と素晴らしいハーモニーを奏でながらも、自己を失わない主張がある。 着こなしでいえば、ブラックのメタルボタンブレザーにレジメンタルストライプネクタイを凛々しく締めるモダントラッドスタイルが気分。
fragrance 『WEST INDIAN LIMES』 ライムを丸ごとかじったときのようなフレッシュな柑橘の香りに、オークモスをベースにしたハーブが重厚に絡み合う。 その斬新なアレンジ感覚とオリジナリティあふれる創作性は、カクテル『キングスヴァレイ』を想わせる。 緑色の材料を使わずして緑色を表現する魔法のレシピは、服装術においても手本にしたいところ。 マドラスチェックのジャケットと白のB.Dシャツ、ただしデニムはフレンチアイビーの雄、アナトミカをロールアップして穿いてみる、とかね。
fragrance 『1805』 ベルガモット、セージ、シダーをベースにしたオーシャニックな香りは、どこかで嗅いだことがあるけど、どれにも当てはまらない、一種の懐かしさと新しさを同時に体感できる。 クラシックモダンという言葉がぴったりハマるかな。 着こなしでいえばミッドナイトブルーのピンストライプスーツに赤いネクタイ、カクテルならば世界的に有名な『マンハッタン』といったところ。 どちらも王道ゆえに、そのさじ加減は難解である。
fragrance 『FRESHMAN』 その名にふさわしく、清潔感と若々しさを全面にアピールした香り。 トップノートからラストノートまでの成熟過程は、まるで摘みたての果実が時間とともに、甘く、味わい深く存在感を増すかのようでもある。 ライトグレイのスーツにレジメンタルタイは卒業して、シャンパンゴールドのジャカードネクタイをコーディネイト。 そんなスーツ姿で、食前酒にスタンディングバーか何かでさらりと『マルガリータ』をオーダーできる男性におすすめしたいかな。
fragrance 『SPANISH LEATHER』 今回の7種類のフレグランスのなかでいちばん動物的な匂いといってもいいかもしれませんね。 オトコ以上にオスを感じる、熟成されたホワイトムスクが印象的。 ディナーのあと、シガーのアロマとともに飲む甘口カクテル『カルアミルク』を口にしたときのようなこってり感が存分に楽しめます。 オフホワイトのダーティバックスにアイリッシュリネンのスーツ、そしてボルサリーノのパナマハットがあれば……10年後に再会したい香りかなぁ。
fragrance 『GRAFTON』 新芽が開くときのようなバジルベースのグリーンノートとスパイシーなウッディ&ローズノートの余韻の反復が楽しめる。 まさにブレンディングの妙ともいうべき奥深さはプールサイドカクテル『ガルフストリーム』といったところ。 複数の色糸が幾重にも重なり合って発色するジャカードネクタイも然り、それぞれの違う個性をもちながらもひとつに溶け合い成立している。 シャンブレーのシャツにショートパンツ、足元はレースアップシューズを素足で履きたい感じ。
モニター後記
正直、「いちばん好きな香りは?」っていう質問がいちばん困るかもしれません。ひとつに決めることなんてできないし、服が変われば香りも変わる、気分によってもそのときのいちばんがコロコロ変わります。ハッキリいって浮気性ですね。定番的に好きで使っているものもいくつかあるのですが、新しいと聞くとすぐ試したくなる性分なんです。だから使いかけの香水瓶がウチにごろごろしてる。
香りの嗜み方もなってない、邪道だっていわれてもしょうがないかもしれませんね。1日に何度もつけるし、朝つけたフレグランスが夕方にはもう別のものに変わってる、こうして原稿を書いているいまも、つぎはどのフレグランスにしようかなって悩んでるぐらい。ひどいときには何をつけたかわからないほど、いろんな香りが混じってるときもあります。自分ではできるだけスプレーするときには、前のにおいを落とせるように少量ずつにはしてるつもりなんですけど……。 僕にとってフレグランスこそが、自分の気持ちや気分を手っ取り早くかえられる、ファッションアイテムのひとつなのかもしれません。一日に服はそんなにころころ着替えられるわけではないので、そのぶん、香りを変えてリフレッシュしています。一種の気付け薬にちかいかもしれませんね。いつかは匂いを嗅いだだけで、ああ、あの人の匂いだって他人から認識されるように、香りも自分のものしてしまう男になりたいなぁって思います。 貴重なモニターチャンスをくださいましたFMSのみなさま、ほんとうにありがとうございました。 ![]()
Truefitt and Hill|モニターレポート|櫻井賢之(スタイリスト/ファッションディ...
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