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香道の魅力を探る 〜稲坂良弘さんに訊く〜
自分の香りをつくるということを出発点に、これまで小林ひろ美さん、吉岡康子さんにお話を伺ってきましたが、いつしか頭の片隅から離れなくなったのが“香道”、日本の香りについてです。日本人である以上、そのシグネチャーたる和の香りを知りたいという気持ちと、それを活かして香りをつくりたいという欲求が、銀座・香十さんを知るきっかけとなりました。今回は、銀座・香十社長の稲坂良弘さんにお話を伺います。 photo by FUKUDA Emiko
![]() 銀座・香楽庵にて
芸道としての、香道を知る
吉田十紀人 今回はお時間ありがとうございます。銀座のど真ん中といっていい場所に、贅沢なスペースをお持ちですね。 稲坂良弘 ありがとうございます。ここは香道の教室に使っているスペースで、香りの雑貨を広く扱う店「香十」と、香道の道具や伝統的な香りを扱う、いわばプロショップの「香楽庵」が両隣にあります。 吉田 贅沢と言いましたが、逆に銀座だからいいんでしょうね。 稲坂 最近、雑誌などの取材が続いていて、これまでは「和の文化」というと茶道、華道が主でしたが、最近は香の文化の香道も、自己啓発の一環としてなどビジネス誌にまで取り上げていただいています。 吉田 教室には男性もいらっしゃるのですか? 稲坂 最近は40代以上も男性が増えてきていますね。香りは“ウエルネス”として心身の健康、若々しさとも関わってくるので、とても喜ばしく思っています。
稲坂 簡略に図式的にとらえるとそうなります。東に伝わると、固形の物を火に燻らせることが主流となり、香の固形を使うという香文化の世界の頂点に立ったのが極東の日本です。そして技術を駆使し、香りをテーマに精神の“芸道”として完成させました。 吉田 香道は、芸道なんですね。 稲坂 逆に西に伝わると、香は液体化していくのです。香油は古代からありますが、中世ヨーロッパでは香油としてエッセンシャルオイルがつくられ、アロマテラピーが生まれ、さらに医療・治療の知恵が発達して、18〜19世紀のフランスを中心として香水文化が花開きます。 吉田 伝わり方によって全く違うというのは面白いですね。 稲坂 そうですね。日本には香は仏教と共に入ってきたので、まず祈るための香りなんですね。それが日本の香の文化の原点にあります。香煙(こうえん)を燻らせて祈りを届けるわけです。現世において香りで身を清めるということですね。ただ平城京までは外来文化をそのまま受け入れていたのですが、やがて日本独自の創造による「和」の概念が生まれたのは平安時代です。
吉田 時の権力者のものというわけですか。 稲坂 香りは世の東西を問わず、時代時代の権力者の手によって活用され、いつも時代の先端にありました。仏教伝来の頃の物部族と蘇我族の対立の時代からそうです。公家・天皇と武家社会などもその対立軸ですね。 吉田 中国でも権力の象徴のように扱われていますね。 稲坂 そうですね。仏教が中国に伝わる以前の古代中国では、皇帝が天の意思を聞くきに祭壇で香を焚きました。香が立ちのぼって天に届くとともに、天の声を聞くというふうに解釈していたようです。 吉田 そうなると非常に神聖なものですね。 その2「武人のたしなみとしての香」に続く
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銀座・香十
銀座本店 東京都中央区銀座5-8-20 銀座コア4階 TEL:03(3574)6135 本店 『香楽庵』 東京都中央区銀座5-8-20 銀座コア4階 TEL:03(3574)6176 http://www.koju.co.jp/
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