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『My Freedamn! Vol.9』 とセブンティーズ (その2) 語り・写真=田中凛太郎
インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)
フィフティーズの最初のリバイバル──また『マイフリーダム! Vol.9』の話にもどりますが、冒頭でおっしゃっていた“カラー”という要素にくわえ、セブンティーズファッションのおもしろさはどのあたりにあるんでしょう?今回の本は70年代のロックファッションが中心になりますが、一方で70年代ってフィフティーズの最初のリバイバルが起こった時代でもあるんです。古着の世界でいうと、そのあたりも興味深いところですね。ひとつ時代が変わったというか、そういう感じがするのが70年代のファッションの特徴です。 ──古着が本格的にファッションになった最初の時代という感じでしょうか? そうですね。アメリカのカルチャーの逆輸入みたいな現象が最初に起こったのもこの時代です。たとえばアメリカで生まれたロンクンロールからパンクが生まれ、それが海を渡ってイギリスに行き、もう一度アメリカにもどってきた。その典型がクラッシュでしょう。彼らは70年代後半から80年代にかけてアメリカで大ブレイクするわけですが、ファッション的にもアメリカのフィフティーズでした。そういうことって60年代まではなかった。アメリカのスタイルはあくまでアメリカのものでしかなかったんですよ。 ──70年代のフィフティーズリバイバルって、日本でもブームになった80年代のフィフティーズファッションとは、どうちがうんですか? まあ、つながってはいるんですが、アメリカで独自に発生した初期のフィフティーズリバイバルは、ロカビリーじゃなくてアロハシャツみたいな感じですね。80年代のネオロカビリーは、さっき話した逆輸入の流れから生まれたもので、完全にストレイキャッツの世界です。それに対し、70年代のリバイバルはヒッピー精神の流れを汲むもので、古着のアロハシャツを着たり、501をベルボトムにリサイクルしたりといった感じでした。
八百長抜きで、ありのままを見せる──『マイフリーダム!』も9回目を迎えたわけですが、今回もアイテム点数はかなりのものですね。これまで8年間『マイフリーダム!』をつくってきて、一番よかったなと思えるところは、下手な八百長をやらずに来られたことですね。多くのサンプルを見せれば、なにか真実のようなものが見えるんじゃないか。そう思ってやってきましたが、今回もそのやり方に変わりはありません。 ──変にマーケティングするんじゃなく、ありのままを見せるということですね。 そういうことです。ここをこう変えたらもっと売れるんじゃないかとか、そういう余計なことは考えなかった。ひとつのサンプルを大きく取り上げるという手法もあるにはあると思います。でも、そういうふうにすると、どうしても八百長が必要になってくる。僕も八百長をうまくエンターテイメントにできればやりたいんですが、下手だからしょうがない。ならば、自分の考えを変にねじ曲げることなく見せたい。最初の話じゃないですが『マイフリーダム!』も“10人にひとり”のスタンスでちょうどいいんじゃないかな、と。 ──長くつづくものって結局、10人にひとりの熱狂なのかもしれませんね。 そもそも僕たちがアメリカ文化と呼んでいるものだって、アメリカのなかのいわゆる白人文化のこと。でも気がつけば、当の白人自体アメリカで人口の50パーセントを切る勢いです。だから『マイフリーダム!』も、今後けっしてメジャーにはなり得ない存在だと自覚しています。ですが、“好き者”だからこそいいんです。そこでは案外簡単に国境さえ超えることができる。そういう意味では、僕たちは意外にインターナショナルなコミュニケーションをしているのかもしれませんね。 ──コミュニケーションといえば、ちょっと気が早いですが、来年もイベント「インスピレーション」はやるんですよね? ええ、もうすっかり準備期間に入っています。前回はサンタモニカエアポートのハンガーを借り切っておこないましたが、次回は海。2011年2月11日、12日の2日間、ロングビーチのクィーンメリー号を借りてやる予定です。その前に、これまた前回同様、メインゲストのコレクションブックを年末に発表します。 ──第1回目を終えて、つぎはこうしたいな、という抱負はありますか? やってみて思ったのは、やっぱり年1回じゃビジネスにはならないということ。ならば、これはお祭りであるべき、というのが僕の実感です。むしろ積極的に、集まったみんなが「自分が参加してる」と感じられる盆踊りにしなきゃいけないと思いましたね。 ──アメリカでおこなう古着の盆踊り、いいですね。来年も本当に楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。 こちらこそ、ありがとうございました。 『My Freedamn! Vol.9』とセブンティーズ(その1)へ
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