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坂田真彦
2007.07.13

第6回 歴史や文化を語りかけてくる服たち(3)

ショップ“archive&style”で扱っている古着のなかから、とくに価値あるものを語る。3回目は、ナポレオンジャケットとジョドパーズです。

photo by SHIMIZU Yuki
text by JITSUKAWA Minoru

120年前の仕立ての優秀さを物語る服

坂田真彦 Photo01
ナポレオンジャケット/1887年代

パリ在住のミリタリーコレクターから手に入れた1887年製のフランス軍の制服です。そのデザインから、フランス史で有名なナポレオン・ボナパルトが着ていたものを想起させるので通称、ナポレオンジャケットと呼ばれています。

特徴的なボタンフロントやライニングのステッチングをはじめとする、洋服としての細かなつくりの良さには目を見張るものがありますね。
しかも120年も前につくられたジャケットであるにもかかわらず、生地の痛みこそあれ、型崩れをおこしていない。

それだけ丁寧な仕立てでつくられていたことを物語っているわけです。まさに当時の職人気質が詰まった1着といえるでしょう。

本当の紳士とは何か、という問いに答えるパンツ

坂田真彦 Photo02
ジョドパーズ/年代不明

ロンドンのボンド・ストリートで1849年に創業した“HANTSMAN”(ハンツマン)で仕立てられたホースライディング(乗馬)パンツ。創業時は狩猟(ハンティング)と乗馬用のウェアを製作していた老舗だけに、見事な手仕事です。

“HANTSMAN”は1919年に現在のサヴィル・ロウに移転しました。サヴィル・ロウはいまでこそスーツなどを手掛けるテーラーが軒を並べる地域として知られていますが、本元は軍服をつくることで栄えた場所ですから、こうしたパンツもお手のものだったんでしょう。いまでいうビジネススーツをオーダーする感覚でつくられていたんじゃないでしょうか。

信じられないくらいハンドの工程を踏んでいるので、いまつくろうとしたら50万円くらいはかかるでしょうね。きっと、おカネを惜しまない紳士がつくらせたんだろうと、想像させずにいられません。
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第5回 歴史や文化を語りかけてくる服たち(2)
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