2007.04.03
FASHION SESSION SPECIAL_1
UNITEDARROWS
「クラシックというスタイルを語る」(2)
2007.04.03
ユナイテッドアローズ
(UA副本部長 クリエイティブディレクター)
鴨志田康人さんに聞く
イタリアブランドの「今」を解釈する
──前回、90年代のクラシコ・イタリアの話をお聞きしましたが、鴨志田さんが求めるクラシックを教えてください。
鴨志田康人 サヴィルロウを代表とするいわゆるイギリスの重厚な仕立ての服がクラシックだと勘違いしていたという話は前回しましたが、イタリアのファクトリーと出会って、クラシックの良さには、インターナショナルなクラス感とエレガントさも含まれるということを知りました。つまり“つくり”ではなくて“匂い、味”のスタイルなんですね。それは当時、私が一番求めていたものでした。
──鴨志田さん自身もその出会いは画期的だったわけですよね。
鴨志田 イタリアの生地展などにいるファクトリーの社長とか、ショップのスタッフ、各都市のサルトなどに本当にいろいろ教えてもらいましたね。スタイルもわかったし、すべてが経験値になった。それをフィードバックして服づくりに活かしていったわけです。
──では今回は、個別のブランドについてお聞かせください。まず、ニットの『クルチアーニ』から。
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鴨志田 クルチアーニが1993年に登場するまではニットでハイグレード&モダンなものはありませんでした。特にボディスペックは遅れていましたね。クルチアーニは、糸の選び方、色・柄のつけ方、編み地、細身のシルエットのすべてにモダンさがあり、『hLam』がデビューしたときと同じ衝撃を受けて、一目惚れしました。スーツにも合わせられるハイゲージニットの最高峰として、一時はクルチアーニしか扱わない時期もありましたね。さりげないベーシックという意味でも本当に上手いブランドです。
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──同じくニットメーカーの『ザノーネ』を。
鴨志田 ザノーネは印象としてはとてもナチュラルで現代的なニットだと思います。デザイナー自身が建築やインテリアが好きというのが表れていて、モダンでシンプルで品がいい。センスのいい数少ないニットメーカーですね。“素”が格好良くないと着こなせないニットです。
──では、トラウザース専業の『インコテックス』は?
鴨志田 男の普段着からドレスまでのスタンダードを確立した素晴らしいパンツメーカーです。パンツはデザインの幅が狭い領域なのに、インコテックスらしさを貫いているのがすごい。マシンメイドでも細かなスペックにこだわっていて、さらにステッチ一本、アイロンのかけかたまで積み重ねてきた技術が結果としてテイストとして伝わってきます。味わいをカタチにするのは本当に大変なことなんです。ほどよいモダンさと、コンサバティブとクリエイティビティが常に感じられて、穿かなくても誰も嫌いとは言わないメーカーですね。
──なるほど。小物、雑貨関係ではいかがですか?
鴨志田 バッグでフィレンツェを代表するといえば『チェレリーニ』ですね。非常に優れた革を使って、工房も腕がいい。あと、一回好きになるとずっと付き合うという代表がソックス。ソックスはまずスーツに合わせるホーズのクオリティで見極めますが、『ソッツィ』は特に素晴らしい。シーム(縫い目)の美しさ、紺の色の出方、チャコールグレイの霜降りの出方など、ほんのちょっとしたことが大事なんですが、すべて完璧です。
──ありがとうございます。
鴨志田 イタリアのファクトリーは深く入り込んで取り組むと「これはかなわないな」というものをつくってくれます。それがバイヤーとしては楽しい。最近再びバイヤーも兼務し始めたので、21世紀の“カモシコイタリア”にご期待ください(笑)。
──楽しみにしています。
※上記ブランドはweb shopping magazine「rumors」で発売中