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恒例対談! スタイリスト島津由行×ディレクター源馬大輔 かかせないのはハッピーな気分!(後編)
日本において震災は大きな影響をファッション界にも与えた。それは日本だけでなく、たとえばパリコレクションにおいても、ちょっとした変化が起きていた。気分として元気になるポジティブ方向なコレクションが、多く散見されたのだ。そこに通底して漂っていたのは、“ハッピー”な感覚!そこで本来なら秋冬のトレンド解析をするところだが、OPENERSではあえて2012春夏をテーマに捉えることにする。春夏のトレンドを知ることは、秋冬のファッションにとって、なんらネガティブな要素はない。そう、いま、大事なのは、ハッピーな気分でファッションを楽しむことだから……。
Text by OPENERS
Photos by NAKAMURA Toshikazu お洒落して街に出たら、ハッピーになる!島津 OPENERS読者の方はもちろん、我われファッションにかかわる人間もそうですが、3・11後はなんかしらの影響を受けているわけです。ファッションはどうでしょうか?源馬 そうですね。それでも、いいものをつくらねばいけないわけです。つくり手もより努力をしていかなければいけない時代なのは確かですね。日本はネガティブキャンペーンを張りがちじゃないですか。ニュースでそんなネガティブなこと言わなくてもいいのにと思ったりします。一日一日を大事に生きるということを考えると、必然的にハッピーな方向にいくような気がします。がんばっていけば、悪くなることはないと思います。ネガティブになって、いいことなどひとつもないと考えています。
源馬 僕の知り合いがLAに住んでいるのですが、LAのひとはみんな正直だというんです。みんなハリウッドしか知らないのだろっていいますが、あそこは街全体の5〜7パーセントぐらいらしいんですね。LAのひとは何が正直かというと、日本人はメルセデスのガルウィングのクルマがカッコいいなほしいなと思っても、乗らないじゃないですか。ですが、LAのひとはオレほしいから買うよ、というんだそうです。日本人って世間体を気にしすぎたりとか、右のひとがこうしているから、こうしようみたいなひとが多い気がします。そういうのやめましょうということです。個人個人の意見もちましょうと思います。こういう感覚が一番、いまはいいなと思っています。 島津 横を見ながら、一歩一歩わたるというか、意外とこう、100人によろこばれるよりも、もうひとりの批判をすごく気にしてしまう単一民族なんですよ、残念ながら(笑)。みんなそれがココロのどこかにあるみたいです。
源馬 いまはSNSとか、そういうインターネット上のコミュミケーションに、みなさん飽きているんじゃないかと思うんです。それで、ファッションで言えば、いい意味での個人商店レベルといいますか、よりひととひとのリアルなコミュニケーションが求められる時代になっていく気がします。 島津 ネットはあるものを探すときには便利ですけれども、それ以外のなにかといったときに、あまりこう必要性がなくなってきている感じはしますけどね。源馬さんが言ったように、ひととひとの情報交換やコミュニケーションなど、すごくそこの役割を考えていかないといけないかもしれないですね。さっきあげたお札とかね。台風のなか、伊勢神宮まで行って買ってきたんですよ。8時間半ぐらいかかりましたけど。なかなかいい場所でね、横殴りの雨のなか参拝してきたんです。やっているうちに気づいたんですけど、ひとって役割があると。役割がわからないひとが大半じゃないかとは思いますが、では自分の役割ってなんだろうって考えて、まだ入り口ぐらいですが、それを気づかせてくれたのかなと。運がいいひとと良くないひとっていますよね。独断ですが運がいいひとって役割がわかっていると思うんです。いわゆる適材適所ですかね。 源馬 友達に内田将二というフォトグラファーがいるのですが、彼がいいことを言っていて、経験することがものすごく大事というんですね。移動距離もふくめて、いろいろなものを経験すること。島津さんなんか、僕からみたらとんでもないこといろいろ経験しているんですよ。経験するというのは、外に出なきゃ経験できない。どんだけすごい時代に外国に住まわれていたかと思いますね。僕らが伝説でしか聞いていないことを、体験されているわけです。ですので、みんなもっとお洒落して、外に出るってことがすごく大切じゃないかと思います。こんな時代だからこそ、みんなで外に出て楽しもうよと思います。そうしたら、逆にどういう格好をしようとか思うじゃないですか。洋服も一緒で、プラダに袖をとおすのと、安いブランドのものに袖をとおすのではちがうわけです。いい服を着たことがあるって、とても幸せに繋がると思います。 島津 そうですね。それが体験ですね。そして変わっていけるし、つねに新鮮な気分になる。足りないのは勝手に自分を無関心にしてしまうというか、無関心ということはお洒落にしても楽しまない。奥さんに買って来てもらうものをただ着ているとか、ファストブランドだけでいいとか。よくドラマで奥さんがネクタイ選んで「アナタ、これよね」みたく、昭和な感じで選んでもらうシーンがありますが、ありえないだろうと思ってました(笑)。ネクタイぐらい自分で選べよって。 源馬 ありえないですね(笑)。 島津 そういう日常的なことが、みんなどこかに植え付けられていて無関心なところはあると思います。極端にいうと、趣味の部分でフィギュアだけは好きという部分もある気がするんですよね。それがもう少し、TPOというか衣食住のなかで、まんべんない感じで経験していくといいと思います。 源馬 島津さんがつくった飯、ちょーうまいですよね。びびりましたよ。
島津 伊勢丹に行ったら、アンダーカバーでクロコダイルのベルトがあってよかったなー。1点豪華主義じゃないけど、いいですよね。 源馬 昔、アストアロボットで売っていたようなビョウ打ちの感じですよね。アレ、僕も好きです。 島津 そう、ちょっとグロテスクな感じですね。 源馬 さっきのルイ・ヴィトンのベースボールジャケットじゃないですが、クロコダイルでエキゾチックみたいなテイストですね。ちょっとえぐさみたいなものですね。この前、ソフの清永さんが、クロコダイルのトリッカーズ履いていたんです。別注でつくったらしいですけどね。あれぐらいのギリギリ下品みたいな感じがいいじゃないですか。 島津 好き好き好き。 源馬 そういうことは、今年の春夏からのだ流れとして、まだみなさんにやってほしいと思います。あと、金無垢の時計とかですね。普通は敬遠するものに、トライするのがおもしろいですね。 島津 ルブタンとか普通に履いてますよ。 源馬 ヘタすればギリアウトじゃないですか。ブルーのベルベットのスリッポンとかもいいですね。 島津 そうそう、アレは超ファンキーですよ。元気でますよ、アレ(笑)。 ![]() 元気になる音楽について島津 空気が停滞しているから、元気になる音楽について話しますか。源馬 僕はダンスミュージックが大好きですね。BPM100から110ぐらいの少し緩い音楽ですね。ハウスは120 から130ぐらいなんですね。ひたすらループするような、たとえばマークEとかザ・リベンジというひととかですね。同時にキース・ジャレットとかグレン・グールド。 島津 それ聴くね。いいですよね。僕はDJもしているので、そのときはレアグルーブですね。あとは意外と最近、日本の演歌を聴くんですよ。カラオケでも演歌がいいなと思って。ド演歌。藤恵子とか。別によかよかナイトというのもやっていますが、曽我町子さんとか知ってますか? オバQの声だったひと。 源馬 あー、わかりました。 島津 あのひとが歌っている曲があるんですよ、『謎の女b』とかね。タイトルがいいでしょ。ちあきなおみとかね。桑原茂一さんがラジオをやっているのですが、『黒い演歌』という特集をやっているんです。重くて哀愁があって、あーこんなの大変だみたいな歌ですよ。なんでこの話になったかというと、子どものころそれらを聴いているわけです。歌詞の意味がよくわからないで聴いていましたが、「年とればとるほど、この重い詞がわかるようになったんだよねー」と茂一さんが言っていて、僕もおなじなんです(笑)。仲のいい都築響一さんもアーバンというスナックやってますけども、ド演歌なんですよ。いま、僕のまわりでは演歌話になっていて、誰がいいこれがいいと。 源馬 まわりはニューミュージック系も聴いていますよ。来生たかおとか(笑)。 島津 大橋純子もいいですよ。すばらしいですよ。 源馬 あの時代のはマスタリングがすごくいいなと思いますね。 島津 音楽はハッピーになったり、共感をえられますね。こんな時代だからこそ、ぜひ音楽を聴いて、がんばっていきましょう! ![]()
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