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青木定治さんのお菓子をいただきながら……(1)
洋菓子の激戦区といわれるパリ・サンジェルマン・デプレを拠点に活動する青木定治さんは、本国フランスでも一流パティシエとの呼び声が高い洋菓子界のトップランナー。2005年3月には東京・丸の内へブティックをオープンし、現在はフランスと日本を股にかけて活躍されています。 今回、青木さんの来日のタイミングで実現した対談はなんと、青木さんを追ったドキュメンタリー番組、BS特集 シリーズ『ファースト・ジャパニーズ 若き開拓者たち』(※下段参照)との同時取材でした。 対談第1回は『パティスリー サダハル アオキ パリ』丸の内店より、青木さんの代表作をはじめ、おいしいお菓子をいただきながらお届けいたします。 構成と文=秦 大輔(City Writes)
写真=Jamandfix
パリと変わらぬ味を東京で
松田智沖 お忙しいなかありがとうございます。お菓子までご用意いただき恐縮です。 青木定治 とんでもございません。 松田 お菓子をひとつひとつご説明いただいてもよろしいですか。
![]() 『パティスリー サダハル アオキ パリ』丸の内店にて
「あんこ」がパリっ子にウケた!
青木 小豆とショコラを入れたクロワッサン(クロワッサン・オ・アズキ・ショコラ)もぜひお食べになってください。こちらは朝食として食べていただくようなオーソドックスなパンですが、日常的なものだからと原価を抑えようとするのではなく、僕はシャラント産のバターにこだわってつくっています。食べ物のためには時間も手間もさく、生粋のパリっ子たちに勝負できるものだけをお出ししているつもりです。 松田 お世辞ぬきにおいしいです。表現が稚拙で恐縮ですが、ひとことでいうなら「豊かな味」です。 青木 ありがとうございます。シャラント産のバターと小豆がすごく合うんですよ。これをつくるために僕は、茗荷谷にある小豆菓子の名店『一幸庵』さんで小豆の炊き方を学びました。小豆をパリっ子へ向けてどう紹介しようかと悩んでいたとき、一幸庵さんの、バターと小豆をたっぷり挟んだトーストを食べて、「これだ!」と思ったんです。日本の僕のお店で使う小豆は、一幸庵さんに炊いてもらっています。 ただ、バターとおなじように小麦粉もフランス産のものにこだわっています。日本に出店するにあたって、できるだけ日本産の素材を活かしたいと思っていたのですが、国産の小麦粉は水分を吸いやすい。これだと口に入れたときにサクッと散る食感が出せないんですよ。日本だと食パンのようなもちもちっとした食感が好まれますが、フランスではまさにフランスパンのようなザクザクッとした食感が好まれますね。 松田 日本だからといって変にすり寄らない姿勢が素晴らしいですね。ところで、われわれでこそ“あんこ”に馴染みがありますが、パリのお客さまもすんなり受け入れてくれたのでしょうか。
※青木定治さんのお菓子づくりの日々を追ったドキュメンタリー番組 BS特集シリーズ 『ファースト・ジャパニーズ』(NHK衛星放送第一テレビ)は8月11日(土)22:10〜23:00分放送予定。
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