|
![]()
|
|
|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]()
MARGARET HOWELL|マーガレット・ハウエル マーガレット・ハウエルのブレない魅力(1) Text by KURINO Hirofumi photos by OHMORI Sunao(TABLEROCK. STUDIO) シンプルな美と完成度。その見本のような商品との出会い僕がファッション業界で仕事をするようになって33年くらい経ちました。そのごく初期から、バイイングのようなことをさせていただいてきました。また、みずからそれを店頭で販売することにも携わってきました。僕はクリエイティブ・ディレクションや経営にも携わってきましたが、やはり、ファッション小売業の醍醐味とは“良い商品をお客様に提供すること”に尽きると思います。そして、バイイングにも販売にも“出会い”があります。 すてきな商品との出会い、それをつくっているすばらしいデザイナーとの出会い。まちがいなく“良い商品をつくっているひとは本人もすてきなひと”です。 “もの”は正直です。絵画や彫刻や、写真にさえもその製作者の姿が感じられるように、ましてやひとが身につける衣料というもの、ファッションに“それ”が出ないわけはない、のではないでしょうか? 2度ほど、生前のイヴ・サンローラン氏と会ったことがあります。会った、というより会釈を交わした程度ですが、やはりサンローラン氏からは品の良さが立ち上っていました。あるいはポール・スミス氏。いつお会いしてもユーモアが感じられます。ポール氏の洋服がそうであるように。あるいはクリス・ヴァン・アッシュ氏。とても優しい男性で、彼のおばあさまや両親を毎回ショーに招き、フロント・ロウで自分の仕事を見せています。 そんな人間味溢れるファッション・デザイナーのなかでも、マーガレット・ハウエルさんにはとくに“ひと”を感じます。80年代初頭、僕が働いていたビームスで重松 理氏(当時はビームスの買い付けの総責任者、現在はユナイテッドアローズの代表)が海外の展示会で買い付けた新進ブランドが、マーガレット・ハウエルでした。日本はもちろんのこと、海外や、地元ロンドンでもまだまだ無名に近い存在でしたが、買い付けられた商品(主にシャツ)を見た僕たちスタッフはひと目でそのすばらしさ、価値を理解しました。 それはけっして派手なデザインではありません。むしろ、地味といってもいいくらいです。しかし、最高の手触りのシャツ生地、細かいギャザーなどの縫製技術、デリケートな襟型……まさしくシンプルな美と完成度の見本のような商品でした。 当時2万8000円くらいがシャツの平均価格でしたが、当時の僕の月給が約10万円、近所のランチが600円くらい、喫茶店のコーヒーが200円ほどでしたから、マーガレット・ハウエルのシャツの価格がいかに高価(!)であったかが、ご理解いただけると思います。 それでもシャツはベストセラーとなりました。前述したように、とても完成度の高いものだったので着心地も良く、また、シンプルなので組み合わせしやすく、デニムのジャケットでもリネンのブレザーでも、なかにマーガレット・ハウエルのシャツをもってくればOK。製品の良さを理解し、共感してくださる多くのお客さまに受け入れられたのです。 ![]()
![]()
Gallery|栗野宏文 特別寄稿「マーガレット・ハウエルのブレない魅力」|MARGARET ...
![]() ![]()
|
|