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MACKINTOSH|マッキントッシュ THE MODERNISM OF MACKINTOSH
2011.03.07

MACKINTOSH|マッキントッシュ

世界初となるマッキントッシュ路面旗艦店がロンドンにオープン!

デザイナー片山正通が語るロンドン ストアのすばらしさ

この2011年1月、英国はロンドンの中心で高級住宅地として知られるメイフェア地区のマウントストリートに、マッキントッシュ初の旗艦店がオープンし た。マウントストリートは、現在ロンドンでもっともプレステージのある注目のストリートで、老舗ホテル、ギャラリー、ラグジュアリーブランドのストアが軒を連ねている。インテリアデザインには、世界の注目ストアを手がけるワンダーウォールの片山正通氏を起用。その片山正通氏に早速インタビューを敢行。片山氏自ら語る、マッキントッシュ ロンドン ストアのクリエイションとはいかに?

文=OPENERS
写真=吉沢健太


マッキントッシュとの出会い。そしてロンドン店のデザインへ

マッキントッシュと片山正通さんのとのおつきあいは、六本木のショールームを手がけたのがはじまり。
「マッキントッシュというブランドはもちろん知っていましたし、コートも持っていました。ショールームは、お店とちがって業界関係者のみが訪れる場所です。そういう意味では、ある程度のつくりでもまったく問題はないのですが、世界観をきちんと伝えたい、とお店とおなじくらいのクオリティを求められました。その姿勢に深く共感したんです。当時からロンドンにお店をオープンしたいので、良い場所を探しているとおっしゃってましたね」


 
今回ロンドン店がオープンしたマウントストリートは、セレブリティが日常で行き交うストリートで高感度なお店が並ぶ。サヴィル・ロウから歩ける距離で、ハイドパークに近く、ゴヤールやバレンシアガ、マーク・ジェイコブ スやランバン、ルブタンというラグジュアリーファッションストアと同時に、英国を代表するハンティングメーカーのハーディー、シーフード料理の老舗スコットなどが軒を連ねる。

「ロンドン店の依頼をいただいたときはうれしかったですね。でもおなじぐらいプレッシャーもありました。誰も見たことのないマッキントッシュの本店をデザインするのですから」

まるでマウントストリートに昔からあったかのように

英国の伝統的な赤味をおびた古い建築が立ち並ぶストリートの104番地が今回のロケーション。場所の決定を受けて、片山氏は現場を見に行ったという。

「実際に現場を見て、このストリートの良さにびっくりしました。クラッシックとモダンが絶妙にミックスされているブランドが軒を連ねているストリートで、まさにマッキントッシュにぴったりだと思いましたね」

現場を見たあと、マッキントッシュのグラスゴーのファクトリーにも訪れ、マッキントッシュ伝統のハンドメイド プロセスを自ら体験した。

「上質で普遍的なアイテムが生まれる理由を肌で感じました。とにかくアナログで、ひとつひとつこだわりをもってつくられているのがよくわかりました。いまの時代に忘れられてしまった、とても手の込んだものをパッケージして売るお店なのだということを、そこで感じました」

またこうつづけた。

「そんなアトリエのような血が通ったようなムードをつくりたいと思ったのが 最初のイメージです。歴史を後追いするような作業というか、ストーリーを遡る作業をしたいと考えました。まるで昔からずっとここに在ったかのようなたたずまいをつくりだせたらと。訪れた人が店に来たことがあるように感じ、懐かしくもそれでいて新鮮というか。マッキントッシュらしさを存分にだせたらと思ってデザインをスタートしました」

マッキントッシュのアイデンティティを表現すること


「いまの時代につくっているので、長い歴史背景に対してコンテンポラリーな要素をどこかで少しだけ差し込むように心がけました。それは、マッキントッシュのクラシックとコンテンポラリーな要素を併せもつ、アイデンティティを体現したお店にしたかったからです」

またフロア構成についても考えるところがあったという。

「今回の物件は1階と地下1階という2部構成。デザインを考えると同時に、 どのように役割をもたせるかについても考えました。1階はシーズンごとのテーマを打ち出せるような場所、すなわち雑誌でいえば特集のようなフロアに、そして地下は商品をじっくり見てもらう場所というイメージでデザインを進めていきました」

残すものは最大限残し、モダンさを組込む絶妙なデザイン

外壁、そして、エントランスの床にほどこされた104という番地を表すモザイクはもとからあるものを活かしている。あたらしいアプローチではなく、過去からつづいているヒストリーを表現することを考えたデザインを試みたのである。

1階スペースはマッキントッシュの歴史的アーカイブを展示するウィンドウと、シーズンのテーマを打ち出すスペースを設けることにより、マッキントッシュの魅力を表現することに成功している。また、ファサード ディスプレーの床はガラス張りになっており、地下のショケースに並ぶコートが垣間見える。

「天井は工場を彷彿とさせる木組みでデザインしました。そういう懐かしいたたずまいながら、ライティングは細くて強い照明を使用し、そのシャープでモダンな光が空間に現代性をもたせるように工夫しています」

英国人が自国のマッキントッシュに対しリスペクトをするような店づくり


オープニングレセプションの様子
「すごくあたらしい見え方とかではなく、あくまでマッキントッシュのお店が昔からここにあったような、歴史を紐解く感覚でデザインの方向性を決めました」。しかし、この物件を見て、片山正通氏がデザインしたとわかる者は何人いるだろう。それには毅然とした理由がある。

「英国人が自国のブランドである、マッキントッシュに対してリスペクトをするということに、一番重きを置いてデザインを進めたからです。デザイン全体は数カ月かかりましたが、とても楽しい仕事でした。マウントストリートの街並みに溶け込みつつ、現代のエッジが効いた、いいお店ができたと思っています」

デザイナーが自分の影を消すということは、容易なことではないはずだ。しかしそれは、片山氏のマッキントッシュに対する尊敬の表れであり、それは見事に結実した。またひとつ、世界が注目する店が誕生した。

KATAYAMA Masamichi|片山正通
インテリアデザイナー、Wonderwall代表。
1966 年岡山県出身。2000年に自身のオフィス、Wonderwall(ワンダーウォール)を設立。クライアントのコンセプトを具現する自由な発想、また伝統や様式に敬意を払いつつ現代的要素を取り入れるそのバランス感覚が、デザインが溢れる日本はもとより海外においても高く評価されている。現在では、建築デザインディレクション、プロダクトデザインにも活動の場を広げている。2008年には2作目の作品集『Wonderwall Masamichi Katayama Projects No.2』(オランダ、フレーム社)が刊行。全面改装を手ががけたパリ、コレットでの先行発売につづき、ヨーロッパ、アメリカなどで発売されている。

Wonderwall
www.wonder-wall.com
 
マッキントッシュ ロンドン店
104 Mount street, Mayfair, London W1

マッキントッシュ ジャパン
Tel. 03-3589-0260
http://www.mackintosh-uk.com/
Gallery | マッキントッシュ|世界初の旗艦店がロンドンにオープン! Gallery
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