dictionary│2010プレスプリングコレクションより トップス2万7300円
2009.12.14
2010プレスプリングコレクション 注目のファッションデザイナー特集
ファッションを通じて、社会全体と一体化していきたい
「dictionary」 デザイナー・冨田靖隆インタビュー(後編)
「dictionary」=辞書。このブランド名には、みんなが持ち、捨てないもの。そしてたまに読むと、新しい発見がある、そんな思いが込められている。そんな「dictionary」が、2010プレスプリングコレクションで見せる新しいページは、どのようなものなのか?
取材・文=津島千佳
人物写真=原恵美子
白黒映画に、自分なりに着色していった2010プレスプリングコレクション
──「dictionary」の2010プレスプリングコレクションのテーマは?
本ラインはテーマ性が強いので、プレはコンセプトに縛られすぎることなく、カジュアルに着られて、洗濯もしやすい、カジュアルな要素を入れるようにしています。
今回は、ロマン・ポランスキーの監督デビュー作品『水の中のナイフ』にインスパイアされています。日本だとバカンスに出かけないから、クルーズラインっていまいちリアリティがない。この映画も不倫関係の男女が週末にちょっとクルーズに出かけるっていう都会的なストーリーで、そこにいまっぽいリアリティがあったので。
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冨田靖隆さん
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──具体的に、どうデザインを進めていきましたか?
白黒映画に、自分なりに着色していくところからはじめました。多く用いたのはブルートーンで、そこにフレンチレッドを差し色に効かせています。
カモフラ柄のTシャツも、ぱっと見るとフローラルプリントに見えるようペールトーンにして、洗いをかけたり、定番のトリコロールのボーダーも、オパールでところどころ色を抜いてクラッシュさせたり。デッキで着るようなモッズコートにワッシャーをかけてナチュラル感を出したり、ハンドペイントをしたり。
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──「dictionary」の作品には加工へのこだわりも感じられますが、今回とくに強化した加工はありますか?
いつもこだわっているのが、洗いやビーズなどの刺繍加工や手刺繍。なかでも今回は洗いをかけたものがよく出てきますね。あと次シーズンのコレクションは、すごく様々な加工を施したので注目してほしいですね。
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dictionary│2010プレスプリングコレクションより ドレス3万2550円
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ブルゾン4万3050円 Tシャツ1万9950円
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ベスト2万9400円 パンツ1万9950円
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着たときにきれいだな、と思える。そんな服をデザインしたい
──冨田さんがメンズではなく、レディスのデザインにこだわる理由はありますか?
ずっとレディスを勉強していたし、メンズに比べてレディスの方がバリエーションも多いからですかね。僕は凝った服を着ないし、アクセサリーも付けない。自分にないものだらけだからな気もします。それにこういうのを着てもらいたいとか、レディスの方が自分の思いを託しやすいのかも。
──男性目線で、それとも女性の視点に立ってデザインしますか?
作品によって両方あります。100%女性の気持ちを理解することはできないので、自分がもっとも表現したいことを大切にすると同時に、芯はブレずにデザインがいい方向へ広がりをもてるよう女性スタッフの意見にもしっかり耳を傾けます。
──デザインする上で気をつけていることはありますか?
お客さまは新しいものを求めているので、表面的なものは変えていかなきゃいけない。でも芯になるものは大切にしたいっていうのが大前提にあります。
ディテールや縫製は必要なことではあるけど、それを着るわけではないので、デザイナーの発想ベースのアイデンティティと、着たときに、その服を、その人を、よりよく見せることができれば、その服は本来の役目を果たせているのかな、と考えていて。着る人をきれいに見せられて初めて、服は完成するものだと思ってます。
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dictionary│2010プレスプリングコレクションより ドレス2万5200円
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レイヤードタンクドレス3万1500円
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タンクトップ1万7850円 スカート2万9400円
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──コレクションは、どのようにして組み立てていきますか?
あるものからつくり出す方法は、やりがいが感じられないので、まず洋服ありきで、デザインをすることはありません。
風景の写真とかを集めたり、あの映画の主人公にこんなの着てもらいたいとか、テーマや方向性を決めてから、自分のなかで盛り上げていきながらデザイン作業に取りかかります。
──「dictionary」は、どういう方向に向かっていきたいですか?
最近、洋服以外のお話をよくいただくんです。そこでファッション業界以外の人と話すと、自分のことを客観視できるし、学べることが多くて。そこで以前スピーカーを搭載したシャンデリアをつくったことがあるんですが、こういうふうに人々の生活に溶け込むような作品を手がけていきたいですね。
いまって、クリエイティブなファッションが社会を席巻するのは難しい時代だとは思うんですけど、インテリアデザイナーにできない領域をファッションデザイナーがカバーして、ファッションの要素をプラスするだけで、そのプロダクツが、より魅力的になる。
だから僕は関係者に向けたファッションショーを開催するよりも、社会全体と一緒に動いていく感覚をもつ方が大切だと思っています。いまはそれに向かって、その素地を1ミリずつ積み上げている途中ですね。
──ありがとうございました
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ドレスポンチョ4万950円
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取り扱い店舗
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