2006年春夏シーズンのスタート以来、女性的なモチーフに男性的なモチーフを重ね、フェミニン、モード、メンズワークの融合による現代のリアルクロージングを展開。パーソナルで詩的な世界をもつ繊細でありながら強い個性をはなつ女性を表現してきた「ENSOR CIVET(アンソール)」。2010-11年秋冬コレクションではよりモード色の強いエッジィなスタイルを発表した。
「なんの変哲もないシンプルな情景にストイックなライフスタイルでシンプルに暮らす人びとから伝わる本物の豊かさ──そんな“彼ら”のアイデンティティを喪失しないよう慎重に必要なものだけを導入する」シーズンテーマについてデザイナー 櫻井 綾は語る。シンプルなモノトーンの世界は、アイテムのシルエットや素材の組み合わせによって生まれるコントラストで立体感を表現。ビジューがほどこされたニットカーディガンや、胸もとに飾られた取り外し可能なフェザーなど、ディテールづかいにも注目したい。
そしてなんといっても何パターンものコーディネイトを楽しむことのできる機能的なデザインがおもしろい。一見するとシンプルなジャケットはジレとショートジャケットの2パーツに、ドレスはワンピースとビスチェ、ベルトの3つのパーツにセパレートすることができる。決して安くはないけれど、上質なアイテムがひとつあればいい……そんな“一点豪華主義”もいいけれど、やっぱり女性は毎日ちがったコーディネイトを楽しみたいもの。そんなわがままをみごとにフォローしてくれる優秀なリアルクローズを展開した。