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2008.09.26

#010 パルファン・ロジーヌ パリの「ディアボロ・ローズ」

中途半端なおカネの使い方は、百害あって一利なし。
いまを生きる私たちにとって、もっとも費用対効果がおおきいモノやコトを、消費生活1/3世紀の編集者 湯山玲子が、限りあるおこづかいで、いま考えられるもっとも豊かな体験をご紹介いたします。


文=湯山玲子
Photo by Jamandfix

効能|人におのれを印象づける個性派フレグランス


小学校三年のとき、同級生男子のあこがれのお母さんからイヴ・サンローランのイグレックのミニュチュア香水をもらったときから、香水道にハマっているわたし。90年代後半になって、以前はかぎられたブランドだけの独占だったこのジャンルも、雨後の竹の子状態にフレグランスが乱立。モノは増えたのはいいのですが、どれも似たり寄ったりになってしまっていて空港の免税でトライするたびにがっかりすることがおおくなってきました。

フレグランスの効能は、つける人の印象を能弁にまた、多面的にかたりかけてくれる、という点。人が人を認識するためにはある種の単純化が働きます。たとえば、わたしなんかいつも言われる、「元気、エネルギッシュ、たのしそう」という印象。しかし、実際は相当ネクラでもあり、かなり繊細でムード&ダークサイド好き。その実像の方を見事にフレグランスというものは、見事に"補完"してくれるところがあるんですね。

近年のお気に入りは、ラルチザン・パフュームの一連で、「バラ泥棒」「パピヨン」はもう、何本もつかい倒しているのですが、なかなかそのつぎが見つからない。そんなとき、ふと立ち寄った新宿・伊勢丹のフレグランスコーナー(ここはディスプレスもカッコいい)で発見した新機軸が、このパルファン・ロジーヌ・パリのライン。

この会社のコンセプトは、「バラの香り専門店」。マリー・エレーヌ・ロジョンが91年に創立したまだ若い会社です。すべてがバラの香りを基調に品物がつくられていて、みなとても個性的なのですが、いち押しは「ディアボロ・ローズ」。パリのカフェの夏のお決まりドリンクといえば、緑のミントをソーダで割った、ディアボロ・マントですが、そのさわやかさや小粋さをバラでホールド。ラストノートは、東洋系の印象までのこして、一筋縄では行かない感じ。パンフには、「快活で、軽やか」とあるのですが、決して子供っぽくなく、実験室のクールさもある複雑系。


名香水をつけたとき、人は「いい香りがしますね」と言ってくれるのだけれど、その目の奥になんだか熱のようなものを感じたら、その香りは相当、効果を上げているとみてよい。まあ、いまとなってはそれが誘惑的にはたらくと言うことは悲しいがなあまり無いのですが、特別の印象をあたえる、という効能ははかりしれません。

ほかには「ローザ・フラメンカ」もおすすめ。圧倒的な華やかさ、あでやかさの香りにニッポンの日常生活のゆるゆるしみったれ感がいっぺんに吹き飛ぶパワフルな香りです。



パルファン・ロジーヌ・パリ「ディアボロ・ローズ」
LES PARFUMS DE ROSINE PARIS "DIABORO ROSE"
価格|9975円(50ml)


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