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2010.01.17

Chapter 3 Talks About Sustainability|Interview with BAN Shigeru

坂 茂|サステイナブル・アイテムは教え子?

文=三宅和歌子
写真=Jamandfix

異色の建築家

紙管を建材にした教会や、コンテナを積み上げた移動美術館、テント用生地を外壁にしたカーテンウオールの家など、さまざまな建築を生み出す、建築家・坂 茂。しかし、建築家としては、異色な人物でもある。そのひとつに、1994年のルワンダの難民キャンプに始まり、自然災害の被災地で仮設住宅などをつくるボランティア活動をしていることが挙げられる。

「たとえば地震は自然災害と言われてますが、ほとんどの場合、地震によってひとが死ぬのではなく、建物の倒壊によって死ぬんです。だからひとが死ぬのは建築家の責任でもあります。また住宅がつぶれて家をなくせば、そこでも仮設住宅が必要となる。だけど、そこで建築家は仕事をしていません。その場にいない。私は、建築家はそういう場でも自分の力が発揮できる、自分たちの責任で家を失ったり、亡くなったりしているのだから、そこでお手伝いするのも我われの仕事だと思っているんです」


そこまで考える建築家はほとんどいない。それが異色とされる理由でもある。そして、被災地の現場には必ず学生も連れて行く。「教育活動の一環です。建築家の仕事というのはほとんど社会の役に立たないんですよ。特権階級のためにつくるか、デベロッパーの手先になって金儲けのためにつくっている。でも、我われには少しでも住空間をよくする力がある。その力を社会のために役立てるのも建築家の仕事である、ということを学生に教えようと思っているんです」

次世代を育てるということ

そのきっかけとなったのが、自身が学んだアメリカでの教育だった。すごく良い先生に恵まれ、彼らに直接、恩返しはできないものの、自分が次世代に建築家として重要だと思えることを伝えていくことが、義務であり、責任であると考えているという。

「自分がやっていることがサスティナブルだなんて考えたこともありません。ただ、次世代を育てる、というのは、持続可能な世の中にしていくための重要な意味をもっているのではないかな、とも思います」

そう語る坂氏の「サステイナブル・アイテム」は教え子である学生たちだという。

 
ボランティア活動は依頼されることもあるが、坂氏自身からアプローチする場合もある。待っていても何も来ない。持続的に活動をしないと意味がないし、学生をいつも現場に連れて行きたいという気持ちからだという。持続させるためにVAN(Voluntary Architects Network)というNGOを設立。坂氏から学んだ学生がどのような建築家に育つか、また、その次の世代には何を伝えていくのか、建築の未来が楽しみになってくる。

 
問い合わせ先|BMWカスタマー・サポート  0120-55-3578 (年中無休 9:00-20:00)
 

 





 
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