
2010.08.02
EAT|松嶋啓介とジャン・アントワーヌ・イエロとの出会い
「第6回 食とアートの会」@レストランアイ レポート
第6回目となったレストランアイでの「食とアートの会」は、初の海外からのアーティスト、ジャン・アントワーヌ・イエロ氏を迎えて梅雨が明けて猛暑がつづく7月20日(火)に開催された。イエロ氏はモロッコのカサブランカで生まれ、幼少時代に南仏ニースに移住、以降はニースを中心に30年以上にわたり活躍してきたアーティスト。先頃フランス政府から芸術文化勲章(シュヴァリエ)を32歳という若さで受勲したばかりのミシュラン1つ星シェフ 松嶋啓介氏が、「食とアート」を考えるきっかけをあたえてくれたのが、このイエロ氏である。
文=佃 義徳(+ art club)
松嶋啓介シェフと“食とアート”のかかわり
25歳で南仏ニースに自身のレストランをオープンさせた松嶋啓介シェフは、料理を作りよろこんでもらうなかで、「あなたの作る料理はアートで、あなたはアーティストだ」と、言われることがしばしばあったという。それと、ニースにはアート関係者も多く、アートと接する機会に恵まれ、食とアートということを考えるのは、ごく自然な流れであったという。
そんななかで松嶋シェフが出会ったのがイエロ氏。16歳で初個展を成功させ、ニース派と呼ばれるアルマンなどのヌーボーレアリスムに影響を受けたイエロ氏は、単なるアーティストにとどまらず、ミュージシャン、建築家、舞台デザイン、家具や庭園のデザインまで、そのクリエイティブな活動領域はじつに多岐にわたる。しかも、すべてのプロジェクトを自身の会社のおなじスタッフがすべておこなっているという。
その理由を、イエロ氏は「昔の芸術家は多彩であった。いつの間にか画家は絵だけを描くようになってしまったけど、本来、アートというものは、ひとつのジャンルに囚われるものではない」と語る。それを受けて松嶋シェフは、レオナウド・ダ・ヴィンチを連想したと言う。
ふたりのアーティストによる記念碑的作品
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これだけ多彩なイエロ氏ができないと言うのは、松嶋シェフの領域である「料理」なのだという。
そんな松嶋シェフがフランス政府から芸術文化勲章(シュヴァリエ)を受勲したのも、まさに食がアートと見なされているフランスという国ならではである。
パーティでは東京に来てから作ったという歌をギターを演奏しながら披露してくれたイエロ氏。その洗練されながらリラックスした雰囲気は、日本人の思い描く南仏のイメージに近く、終始、参加者たちと歓談し気軽に写真撮影にも応じ、パーティーを楽しんでいた。
レストランアイでは8月末日までイエロ氏による4枚の松嶋シェフのポートレートが公開されている。「松嶋シェフの料理は厨房から作られるのではなく、彼の頭のなかから作られる」とイエロ氏は言う。イエロ氏の主要モチーフであるドレスの意匠も取り入れられた4種類のポートレートは、ニースの街で出会い、食とアートという異なる分野ながら、たがいにインスパイアし合うふたりのアーティストによる記念碑的作品といえよう。
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今回の初来日で多くの刺激を受けたというイエロ氏は、また近いうちに日本にもどって来たいという。そのさいにはどのような作品が生まれるのか楽しみである。
レストランアイ「食とアートの会」は松嶋シェフの想いを受け、次回より「+ Art Club」が運営します。
イベント、作品にかんする問い合わせ
+ Art Club 担当 佃 (Tsukuda)
yoshinotsukuda@gmail.com