音楽家 渋谷慶一郎氏の制作現場を公開するインスタレーション『MASSIVE LIFE FLOW』が4月17日(日)から26日(火)まで、東京・恵比寿の「ギャラリーここ」で開かれる。
文=谷中朋未
音楽制作を鑑賞、監視する空間
1973年生まれの渋谷氏は、東京芸術大学作曲科を卒業。2002年にレーベル「ATAK」を設立した。音楽レーベルとして国内外の先鋭的な電子音響作品をリリースするのみにとどまらず、デザインやネットワークテクノロジー、映像など多彩なクリエイターを擁し、精力的な活動を展開。これまでに『ATAK000』(04年)、初のピアノソロとなる
『ATAK015 for maria』(09年)などを発表している。
05年からは複雑系科学を研究する東京大学教授の池上高志氏とともに非線形科学を応用したコンピュータサウンドによる立体音響インスタレーション「第三項音楽」を提唱。06年には、空間内のさまざまな場所に設置された24個のスピーカーと、床面に不均等に組み立てられ箱を用い、あたらしい空間性などをつくりあげた、第三項音楽のサウンドインスタレーション作品『filmachine』がドイツやフランスを巡回。大きな反響を集めている。
今回4月17日(日)から26日(火)まで、東京・恵比寿の「ギャラリーここ」で開かれる公開制作は、音楽をつくる過程や行為そのものを一般に公開し、多角的にデータ化することを目的に企画。中国中央電子台新社屋などの設計を手がけ、ハーバード大学デザイン学部大学院の非常勤講師を務める建築家の重松象平氏が、ギャラリー内に持ち込まれたグランドピアノやコンピュータ、スピーカー、キーボードなどを空間的に再構築。仮想にも現実にも存在しないアトリエを出現させる。
会場では、渋谷氏による作曲、演奏、リハーサル、ミーティングなど音楽制作にかかわるあらゆることを一般に開示。また、写真家 鈴木 心氏によって複数の定点カメラが設置され、制作や生活をおこなうようすをギャラリー内の拡大されたプロジェクションやインターネットのUstreamでもリアルタイムで見聞することができるという特異な空間を誕生させる。
いまだかつてない音楽制作の現場にある鑑賞、監視の空間。鬼才が音楽を立ち上げる瞬間にぜひとも立ち会いたい。
『MASSIVE LIFE FLOW』
会期│4月17日(日)〜26日(火)
会場│ギャラリー ここ
東京都渋谷区恵比寿南2-18-3 キョウデンビル2階
時間│13:00〜18:00
ギャラリー ここ
Tel. 03-5794-9940
http://www.gallery-koko.com/