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ART|宮沢賢治の永遠の名作を最新作50点で彩る大人のための絵本 清川あさみ 銀河鉄道の夜を越えて ── (後編) これまで独特の世界観と手法から『幸せな王子』『人魚姫』など不朽の名作をモチーフにした絵本を発表してきたアーティスト、清川あさみ。彼女が今回選んだ作品は宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』。アーティストとして、そして彼女が自分自身として向き合った『銀河鉄道の夜』とは一体どんな世界だったのだろう? 黄金色に輝く空のもと、彼女はその想いを語ってくれた。 文=オウプナーズ 写真=鈴木健太 仕事もプライベートも自分では良いバランスがとれているほうだと思います
制作している最中、たまにふっとあらわれる子ども時代の風景を思い出しながら描くことがあるんです。この表紙の画もそうなんですが、実際に昔見た風景が描かれています。いいなと思った風景は肌で感じた空気として覚えていて、ちなみにこの表紙は子どものころにキャンプしたときの風景(笑)。それって現実風景ですよね、その風景がいまファンタジーになって生きているんです。 ──写真ではなくすべて記憶しているんですか? 旅行に行ってもあまり写真は撮らないんです、覚えているから。興味があることは本当に覚えるんですけど、ほんと興味のないことは忘れちゃうんです(笑)。つねにデトックスされている感じです。情報が入って消えてを頻繁に繰り返すから容量はいつも保たれてる、すごく楽ですよ!
自分が絵本にこんな夢中になるとは思ってなかったんです──この絵本シリーズは今後もつづけていきますか? つづけたいです。自分が絵本にこんな夢中になるとは思ってなかったんです。もともと絵本は好きですけど、自分が絵本を作るとは思ってなかった。絵本ってメッセージ性があるし、たくさんのひとが読むし、世界で通用するものだからやりがいがあります。 いまは一体なにが必要とされているんだろうって考えて選ぶ作品を題材にしているので、自分にとってもそれが1年のテーマみたいなものになるんです。それによって自分のなかでいろいろ考えがまとまるといいますか。今作『銀河鉄道の夜』は現実とファンタジーがコンセプトだったので、ここ最近私のテーマはそれです(笑)。
でもなぜか偶然、あんな仕事やりたいなって思っているといつの間にかそれがくるんですよ。ああしたいこうしたいって思ったことが本当にかたちになっていくんですよね。だから夢がないのかも(笑)。私は“夢”というより作ることに“運命”を感じているんです。 ──ありがとうございました。 (インタビュー前編へ)
清川あさみ|KIYOKAWA Asami http://www.asamikiyokawa.com 1979年淡路島生まれ。2001年より数々の糸や布を使ったアート作品、衣装、空間、イラストレーション等ジャンルを超えて幅ひろく作品を発表しつづけ、近年では木村カエラのCDジャケットやPARCOの夏の水着フェア「PARCO SWIM DRESS」のアートワーク等、アートディレクターとしても数多くの作品を手がける。雑誌「すばる」では本年より表紙アートワークを担当し、山崎ナオコーラ、一青窈、蜂飼耳らとのコラボレーションによる作品も発表。また、女性のコンプレックスを華麗な刺繍で表現した「complex」シリーズは、プリントした写真に直接刺繍をほどこす斬新な手法を用い、今夏開催された水戸芸術館や東京都庭園美術館での展覧会で発表をするなどアーティストとしてさらに目ざましい飛躍を遂げている。おもな著書に作品集『futo』(マドラ出版)、『美女採集』(INFAS)、『caico』(求龍堂)、絵本に『幸せな王子』、『人魚姫』(ともに小社刊)などがある
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