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2007.09.26

DJ KIYAMA × SHIBUYA-FM 78.4MHz #002

これからのクラブ・シーンの行方

音楽やファッションなどカルチャーを世界に発信し続ける街、渋谷。
その渋谷を拠点とし、東京でもっともTOKYOを感じさせるコミュニティFMラジオ局、それがSHIBUYA-FM 78.4HMz。07年で11周年めを迎えたいま、SHIBUYA-FMは今後どのような展開をし、どう変化していくのか。
このコーナーでは、つねに東京・渋谷のカルチャーを発信しつづけるSHIBUYA-FMとWEB マガジン『OPENERS』のふたつの異なるメディアがコラボレーションして発信するコンテンツです。
毎回、SHIBUYA-FMプロデューサーの神谷幸鹿さんが、クリエイターやミュージシャン、DJと"シブヤ"をキーワードに対談します。


引き続き、SHIBUYA-FMの編成・選曲隊長とLONGEST TIME DJ、DJ KIYAMA氏に、80年代からこれまでのTOKYO シブヤの音楽シーンの変化や、今後のクラブ・シーンなどについての第2回め。



構成=金子英史(本誌)

神谷:今のTOKYO シブヤで、旬なサウンドはどんなものでしょうか?

KIYAMA:僕は、基本的にハウス・ミュージックの音の構築がすごく好きなんです。
その好みからいうと、ハウス的サウンドにちょっとテックな音が入りつつ、DUBな方向にもっていくというDJサウンドが、最近のシブヤ・サウンドの流れのひとつだと思いますね。
それから全体の流れ的には、THE ROOMを代表するJAZZ系クロスオーバーサウンドの流れとか、HAREMを代表するHIP HOP・R&B、それにブエノスとかUNITYを代表するようなメイン・ストリーム系HIP HOP
あとは、ダンスホールですかね。
ダンスホールは、ここ最近かなり盛り上がっていますよね。
で、忘れちゃいけないのはATOMです。

週末にかならず1000人ちかく入るハコって、そんなところは今はほとんどないですよ。

神谷:1000人も入っているんですか!?

KIYAMA:多いときで2000人クラスじゃないですか。

神谷:すごいですね!

KIYAMA:でも、僕らにとってそういうディスコ・タイプのお店って、残念ながらどんどん遠ざかってしまうじゃないですか?
だけどそれは、

文化として、エンターテインメントとして、多くのひとに根強く残っていてるんですよ。

だから、西麻布A-LIFEとか、銀座のジーニアス・トウキョウとかは2000人くらい集めているわけですよ。
かたや、クラブは集客が大変だったりしてます。
でも、それは昔から変わっていないんです。
それを「何とかしたい」とは、みんなはいっていますけれどね。

神谷:よい意味でどちらも盛り上げていきたいですよね。

KIYAMA:クラブシーンがどんどん衰退するんじゃないかという危惧は、業界関係者の誰しも感じているとは思うんですが、文化としては絶対に無くならないと思うんですよね。

神谷:いまのメインストリーム的なマーケットを考えても、いわゆる売れ線狙いのJ-POPとか。
そのサウンドのエッセンスは、クラブ・ミュージックのエッセンスがかなり取り込まれているじゃないですか?

KIYAMA:そうですね。

神谷:それがこれだけポピュラリティになるのであれば、もっとクラブ・ミュージックというマーケットがメインストリームになって欲しいですよね。

KIYAMA:そうですね。
音楽業界のそのジャンルのくくり方がよくないと思うんです。

神谷:おいしいトコ取りされるのはいい気分はしないですからね。
そういう部分が変わると、渋谷、東京、最終的には日本の音楽シーンもよくなっていくと思うんですけれどね。アーティストにとっても。

KIYAMA:どこかで必ずレボリューションしないと、なにも変わらないですよね。

左:高宮永徹(flower records)右:DJ KIYAMA
神谷:最近、気になっている若手DJはいますか?

KIYAMA:DJ LIVEを聴いてみたいのが、ジャングルのDJ ヤーマンですね。
DJ KENSEIもすごく気になります。彼の感性はとても好きです。
あと期待しているのは、DJ HIROの弟のDJ SHINGO。彼はよい音を出していると思います。
それと、DJ KAWASAKIには頑張ってもらいたいですね、シーンを引っ張っていくという意味で。スタジオ アパートメントも一緒ですけど、ようやくハウス・ミュージック シーンにスポットライトが当たってきたという感じですよね。

神谷:その2組の存在は大きいですよね。
今後の音楽シーンは、どのようになって欲しいですか?

KIYAMA:メディア側からするとよい曲を紹介していくことはもちろんですけど、やはり、われわれだけでは無理なので、いろんなところと協力しあって、よりマーケットを広げていくという仕組みをみんなで考えていかないといけないかなって思っています。

神谷;そうですね。
それにはメディアとしてのSHIBUYA-FMだったり、DJ・アーティストのKIYAMAさんだったり、レコード屋さんとの連動だったり――。
音楽を取り巻くそれぞれのシーンが一緒に動くと、面白いものが生まれますよね。

KIYAMA:と、思いますよ。
シーンにも新しい顔ぶれも増えるし、遠ざかる人ももちろんいる。
それの繰り返しじゃないですか?
だけど、

遠ざかった人たちには「また、もどってこい!」という意味も含めて色んな音楽を聴かせて、新しく加わる人には”良さ”を伝える努力をもっとする。

そういうことをみんながおなじ意識でやれば、ちょっとは変わってくるのかな、なんて思います。

神谷:音楽とか、ファッションとかって、みんなが「卒業した」って言うじゃないですか?
本当に好きであれば、卒業なんてないだろうですし、KIYAMAさんにしても、自分にしてもルーツというのは、ずっともちつづけるだろうし。
卒業するということではなくて、一回はなれてもまた戻ってきてもらうとか。
常に近くにいてもらうことが、大切じゃないでしょうか。

KIYAMA:そうですね。
あとは、

風営法(※)をなんとかしたいですね。

神谷:ホントですよ!
すごく健全なんですけれどね。

KIYAMA:経営危機的な状態のクラブも多いわけですよ。
いままでは、みんなが好きで、支えてくれる人たちもいっぱいいたから、つづけてこれたんだろうけれど、そういう気持ちだけではキープできなくなってきましたよね。
だから、自分たちのプラットホームとなる場所を意識してキープしようとしつつ、僕らはそこで音楽をアウトプットして、それをみんな受けて、そしてマーケットが広がっていく、というのが、美しい構造だと思うんですけれどね。

神谷:そうですね。
ありがとうございました。

KIYAMA:ヤーマン!



(終わり)

(※)風営法とは

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」のこと。
クラブというのは、風営法上の分類では"第2条第1項第3号「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業」"となり、午前0時(都条例の定めるエリアにおいても午前1時)までしか営業できない。

DJ KIYAMA プロフィール

北海道出身。47歳。18歳秋より六本木でDJデビュー。以降六本木、渋谷、湾岸エリアを中心に活動をし続ける知る人ぞ知る職人DJ。DJ歴29年。
今はFM SALUSやSHIBUYA FMのプロデューサーとして、ライフスタイルに合う音楽を提供しつづけている。
モットーは『いつでも、どこでも、だれにでも』。
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