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![]() 「白磁で無釉薬という世界」
陶芸対談――猿山 修×濱中史朗(後編) photo by Jamandfix
![]() 濱中氏の作品
プロの目が思わずよろこぶ創造性
──濱中さんの作品を見て、猿山さんがいちばん心惹かれるところは? 猿山 修 個人的にはいろいろありますね。白磁の無釉は、つくり手のすべてが露わになりますから、ニュアンスのあるところとないところ、それとちょっとしたヘラの動きひとつが装飾として表れたりして面白いな、と思いますね。 ──なぜ作家は白磁で無釉をやりたがらないのですか? 猿山 それは手の跡が全部見えてしまうからでしょうね。彼の作品はその辺も含めて抽象的な彫刻のようにみえる。 ──なるほど。 猿山 2年前に茶碗をつくってもらって、自分で実際に使いながら、「これが皿になったらどうなるんだろう」 と思って、昨年、はじめて 「さる山」 で個展を開いてもらいました。 ![]()
濱中史朗 いま、大屋窯のホームページで紹介していますが、前回の個展では壺や花器、オブジェなども出品しました。 猿山 なかなかユニークな発想のものもありますのでぜひ見てください。 ──猿山さんが濱中さんの仕事でいちばん認めている部分はどこですか? 猿山 単純に巧いというだけではなく、その丁寧な仕事に感覚的な鋭さを感じます。手でひいたのは一目瞭然ですが、均一に面取りされたシェイプなどは、工業製品を思わせます。 たとえれば、クリスタルの繊細さですね。ガラスだけがもつ特性を焼物じゃないとできない手法で成立させている。史朗さんの白磁は濃厚な洋酒にも似合いますよ。 ![]() 濱中史朗氏の発想の源とは
──濱中さんのお父さんは、大屋窯の濱中月村さんで、お兄さんがファッションブランド 『roar』 のデザイナーの濱中三朗さんなんですね。 濱中 あと、妹が萩でジュエリー・デザイナーをしています。 ──そういう環境で育って、やはり陶芸家を目指していたのですか? 濱中 とくに父の仕事のことは意識せず、手ほどきのようなものも最初の2、3回ぐらいでしたね。仕事はあまり見ないようにして、独創の感覚をもっていたほうがいいなと。 ──猿山さんは、お父さんの月村さんはご存知ですか? 猿山 史朗さんを知ったあとに。萩のアトリエを訪ねたときにお会いしました。 ──月村さんと史朗さんの作風はプロから見ていかがですか? 猿山 月村さんのように陶芸家として食器を含む個人の仕事が評価されるようになって、まだ時代は浅いと思います。 史朗さんの仕事もまた独特で、家の仕事として代々継がれていくものとは違いますよね。優雅な曲線すら硬質な静謐さをもつ史朗さんとは対照的に、お父さんの仕事は、色使いも豊富だし、アクションも大きいし、いわゆる雰囲気のある有機的なもの。作品だけを見ていると、なんのつながりも感じませんね(笑)。 ![]()
──そうなんですか。濱中さんご自身がこだわっている点は? 濱中 基本的には 「使いたいものをつくりたい」 と思っています。皿なら重ねたときの美しさに気を配りたいし、酒器や茶器なら持ち方まで考えます。 猿山 彼の器にみられる静かなフィニッシュも魅力ですね。 ──どんな方が買われるんですか? 猿山 それは若い男性にファンが多いですよ。コツコツお金を貯めて買うような。彼自身も焼き物だけじゃなく、いろんなものを見ているなと感じるし、ファンの人もそういう部分を感じるんでしょうね。 濱中 猿山さんとの仕事は得るものも大きいし、感覚的にもちかいものがあると思っています。 ──どうもありがとうございました。 ![]()
濱中史朗氏(大屋窯ホームページ)
http://ooyagama.com
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