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![]() ![]() 第10回 「英語」について言いきる
英語とどのようにつきあえばいいのか? 教授が実体験から語ります。
文=坂本龍一
Photo by Jamandfix
ぼくは自分を、日本の英語教育の典型的な例だと思っています。 人並みに中学、高校と6年間も公立学校の英語の授業を受けたのに、いざ海外に行ってみると全く役に立たないのです。 みなさんもそんな経験をしたのではありませんか? だから「駅前留学」もあれほど流行ったのでしょう。もし学校の英語の授業で間に合うのだったら、あんなものにお金を払う必要はありません。 ぼくもたくさんの恥ずかしい思いをしました。 一度なんか、LAのFM局の生番組に出演したのですが、よりによって通訳をしてくれる男性が遅刻してしまって来なかったのです。 冷や汗なんてものじゃありません。番組のホストの言っていることがほとんど聞き取れない。何を聞かれているのか分からないのですから、答えようがありません。必死に何か言おうと考え、15秒も間があいたあとに出た言葉は「yes」。 言葉という深い溝しかし必要は全てを克服する。アメリカ人のミュージシャンを雇ってツアーをしたり、日本以外でレコーディングをしたりしているうちに、気がついたらあまり恥ずかしくなく話せるようになっていました。そして18年前NYに引っ越し。こっちに来たら郵便局に行っても買い物でも、とにかくでかい声で話しかけないと、こっちの言うことを聞いてくれない。そうやって厚顔無恥になっていくのです。 しかし、分かったことは、何年住んでもネイティブになれるわけではない。 生まれ育ったわけではないんですから。 本当に言葉という溝は深いものです。バベルの塔を崩壊させた神の怒りがいかばかりか、思い知らされる毎日です。 ![]() スタイリング|櫻井賢之 グルーミング|ふじた まゆみ(ビタミンズ) 衣装協力|ランバン ジャパン(Tel.03-3289-2782) ニットジャケット21万5250円、ポロシャツ12万8100円、ネクタイ4万5150円、トラウザーズ21万7350円 撮影協力|TIME & STYLE EXISTENCE(Tel.03-5464-3205) VALLEハイチェア3万9000円
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