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写真左から、シャープ株式会社 通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部 部長 木戸貴之氏、株式会社NTTドコモ プロダクト部ユーザーインターフェース企画 デザインマネジメント担当 岡野令氏、元オリンパス株式会社 理事 鈴木達哉氏、一般社団法人モア・トゥリーズ 事務局長 水谷伸吉氏
more trees|美酒と美食と美談──都会で楽しむ森の宴 TOUCH WOOD、開発ドキュメンタリー
開発者とは罪な存在だ。モノづくりにおける“もっとも熱い人物”であるのに、表舞台になかなかあらわれてくれない。つねに「裏方」である。企業の広告や営業活動は、そうした“熱”を多くのひとに伝えるべき役割も担っているが、現在は「売る」が先行して「こだわり」は見えてこない。開発者の“熱”が人びとに届きにくい時代。だからこそ「TOUCH WOOD SH-08C」は目を引くのだろう。NTT DOCOMO(以下ドコモ)が11月に発表したこの木製ケータイからは、ダイレクトに開発者の“熱”が伝わってくるかのようだ。今回、TOUCH WOOD SH-08C の開発者が勢揃いしたmore trees night Vol.4。この日繰り広げられたトークは、掛け値なしの開発ドキュメンタリーだった。
Text by OPENERS
木でケータイを作りたい
「ケータイづくりに木材を使うことは簡単そうに見えますが、じつはこれほど困難なことはない。耐久性や防菌、防腐はもとより、形状のコントロールができない。削ればさまざまなカタチを作れますが、これでは強度が保てないし、ひとつ作るのに莫大なコストと期間が必要になる。温度や湿度で変化する大きさも、精密機械にはまったく向かない。厚い壁が立ちはだかっていた」 そんなとき、岡野氏はある人物をとおしてmore treesのことを知る。「事務局長の水谷 伸吉さんと出会ったのは2008年8月くらい。彼をとおして日本の森林の現状を知り、国産の間伐材を経済に流通させることの必然性を強く認識しました。間伐材を使ってケータイを作ることが、消費者に対しても企業に対しても大きなメッセージになると考え、困難に立ち向かう覚悟をきめてプロジェクトを発足させたのです」。そして、オリンパスが特殊な木材加工技術をもっていることを探し当てる。 木材加工の可能性に出会う同時期、オリンパスの鈴木 達哉氏は、自身が長年取り組んできた木材加工の技術をカタチにするために奔走していたと語る。「ずいぶん前から、数年すれば陳腐化してしまう商品に疑問を感じ、愛着をもって長く利用できる商品を開発したいという思いがありました。そこで、使い込めばどんどん味が出てくる木材に着目したのです。本格的な研究をスタートさせたのは2003年のことでした」。 当初の開発は難航、苦闘の連続だったと言う。「あらゆる方法を試したがどれもダメ。これほど難しい素材に出会ったのははじめてでした。最後にたどり着いたのが三次元圧縮成形加工だったのです」。 木材は、プラスチックや鉄のように、伸ばしたり曲げたりすることができない。理想の形状にするには削るしかない。しかし、削れば薄くなり、工業製品として必要な強度を保てなくなる。そこで鈴木氏は、木材圧縮技術に着目した。木材の質量を変えずにギュッと圧縮して薄くする方法で、強度が格段に強くなる。この技術を応用して、鈴木氏は三次元圧縮成形加工を生み出した。あらかじめ作りたいカタチを金型にし、その金型を利用して木材を圧縮成形するのである。 「三次元圧縮成形加工を活用して作ったデジタルカメラの試作品は、2006年にドイツで2年に1度開催されるカメラショー『フォトキナ』で発表し高い評価をいただきました。2008年には日本でも賞をいただき、会社からは『まず社内の製品から』と言われていたが、なんとかこれを世の中のさまざまな製品に利用し活かしていきたいと思っていたときに、岡野さんと水谷さんがやってきて、木でケータイを作りたい、協力していただきたいと相談を受けた。ずいぶん若いひとが、絶妙のタイミングでやってきたなと思いましたね」 ![]()
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more trees|more trees night vol.4 開催レポート
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