
2010.11.08
PIERRE HERMÉ PARIS|ピエール・エルメ・パリ
2010-11年秋冬新作&ノエルコレクションを一挙紹介
拡大する味覚の世界──ピエール・エルメ来日インタビュー(1)
人気のPIERRE HERMÉ PARIS(ピエール・エルメ・パリ)から2010-11年秋冬新作コレクション、そしてノエルコレクションが届いた。テーマは“Fan de Pierre”。斬新なフレーバーのマッチング、心まで満たす芳しい香り、アート作品のように美しいデザイン──パティシエ ピエール・エルメ氏が作り出す甘い夢の世界、ひと口味わえばあなたもきっと“ピエール・エルメファン”になるはず。そんな魅惑のニュークリエイションについて、そして、パティスリーに対する想いについて、来日したピエール・エルメ氏に聞いた。
文=OPENERS
写真=鈴木健太
やってみたいと思えばなんであれ、まずはやってみるのです
──2010-11年秋冬新作コレクションのテーマは「Fan de Pierre(PHマニア)」とのことですが、どんな想いが込められているのでしょう?
世界中に多くの「ピエール・エルメ・パリ」ファンがいてくれていることを日に日に感じるようになりました。そこで今回は“ファン”の皆さまを主役にしたいと思い、“マニア”という名前をつけました。“どうぞ食べてみてください、皆さまのために作ったのですから、皆さまが主役なんですから!”という想いを伝えたかったのです。
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──人気のマカロンにもニューフレーバーが登場しました。これまでにも一風変わったフレーバーを発表されてきましたが、エルメ氏にとってマカロンとはどういう存在なのでしょう?
マカロンというのはパティスリーのひとつですが、私にとってはケーキでもマカロンでも、すべてが表現の場です。マカロンはとくに伝統的なお菓子です。しかし少しずついろんな展開が登場してきて、いまでは“あたらしいもの”を生みだすことのできる場になっています。意外な食材が使われていると感じるかもしれませんが、私はやりたいことしかやらない人間ですので、それがやってみたいと思えばなんであれまずはやってみるのです(笑)。
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今回はじめて“レグリス(甘草)”と“スミレ”の組み合わせに挑戦しました。“レグリス(甘草)”と“スミレ”というアイデアは、私が幼いころによく食べていたレグリス味のタブレットからヒントを得ました。フランスではどこの店でも売っている平凡な駄菓子ですが、フランス人にとっては魅力的な記憶として残っている味なんです。そのフレーバーの組み合わせが懐かしく、それで作ってみました。
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アスパラとヘーゼルナッツの組み合わせの「Asperge & Huile de Noisette(アスパラガス ヘーゼルナッツオイル)」は、フランス・メジェーヴにあるレストラン『Flocons de sel(フロコン・ド・セル)』のオーナシェフ Emmanuel Renaut(エマニュエル・ルノー)氏のメニューからインスピレーションを得ました。彼の店でアスパラガスとヘーゼルナッツを使用した料理を食べたときに“これはスイーツにできるかもしれない”と思ったんです。
──「Azur(アズュール)」シリーズには日本人にとってなじみ深い柚子が使用されていますね。
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たしかに柚子はパティスリー界ではあまり使われない食材かもしれません。最近ようやくフランスでも出まわりはじめたくらいですからね。私の場合はアメリカのレストラン『NOBU』のオーナーシェフ 松久信幸氏にどうしたら柚子がフランスでも手に入るかアドバイスをもらい、輸入できるようになりました。
はじめて柚子を使用したのは2006年、「アズュール」というケーキでした。今回はそれとおなじ組み合わせのアイテムを数点作りました。
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まずエクレールは柚子の味わいを活かすべく、酸味のあるビターチョコレートを使用しています。
──苦みのある濃厚な大人の味わい、これは男性からも好かれそうですね。
私としては、やはりエクレールを食べるときはひと口サイズにちぎって食べるのではなく、“ばくっ”とかぶりつくのが正解だと思うのです。パリではもう少しサイズが大きいんですね。なので先ほどパティシエに指示をしたんです、日本ももっとサイズを大きくするようにと(笑)。エクレールは大きな口で食べて、口の端にチョコがつくくらいがいいのです。