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大貫妙子インタビュー(後編) 教授のピアノと一緒に歌うことのよろこび 文=オウプナーズ
写真=原恵美子(インタビュー)
教授の比重が、会場の空間を埋めている
──昨年末の坂本さんとのコンサートはいかがでしたか? 大阪と東京で計7回の公演でしたが、想像以上に喜んでいただけて、教授も私もびっくりしています。坂本さんのコンサートは日本にいらしたときは、かならず見に行っていますが会場は教授の熱いファンばかり、一種、坂本教(笑)のような……。そんな雰囲気のなかに今回は私が出ていっちゃって……。ほんとにステージに出ていいのかなって、じつはちょっと腰が引けていたんです。帰れ! とか言われたらどうしようかと(笑)。ですから、ほっといたしました。 ──久しぶりの教授とのデュオはいかがでしたか? リハーサルのときに、ピアノの音色、鍵盤へのタッチが以前より洗練されていて、びっくりしました。長いヨーロッパ・ツアーの間に、弾いて弾きつづけて、なんというかスープにたとえるなら、ほんとに澄んだクリアなスープのようになった感じですね。羽根のように軽くて、きれいな音になっていて驚きました。
──東京国際フォーラムでのプレス会見で、教授は「これからライブを積極的にやる」と発言されていましたが。 ステージに立たないとわからないこと、やっているうちに発見することがいくつもあるんです。自分のなかに眠っていた思わぬ力が出てきたり、それまでできなかった歌い方ができるようになることもある。それはやはりステージじゃないとダメなんです。プレッシャーって、押さえつけられるような感じで使われることが多いですが、それによって跳ね返す力が備わると思うので、プレッシャーが大きいほど自分自身は成長するものだと考えていて、ステージはまさにそれですね。跳ね返せないと、潰れちゃうだけですけど。 ──日比谷公会堂でのライブはとても素晴らしかったです。「突然のおくりもの」のMCなど、いまでも印象に残っています。 DVDのインタビューでも話しているので(笑)、ぜひ観てください。 ──「突然のおくりもの」や「新しいシャツ」などはいまでも歌われていますが、昔の曲で歌わなくなった歌もありますよね? たくさんあります。最大の理由は歌詞ですね。若いころに書いた歌詞でも、基本的に考え方は変わってはいませんが、いまだったら「こういう言葉は使わない」というのがあります。それは、やはり歌えません。恥ずかしいです。 教授の楽曲に歌詞を書いて歌うアルバム
──ところで、教授とのレコーディングは決まりましたか? たぶん今年の夏ぐらいですね。コンサートで歌った「鉄道員」などは収録したいと思っています。
──レコーディングは教授のほかは? 今回のアルバムは、坂本さんは「参加してくださる」というスタンスですので。ピアノと私の歌のみで、ほかには入れない予定です。それでも十分濃すぎるんじゃない? でしょうか(笑)。なにか入れても結局「いらないんじゃない?」ということになる気はします。 ──秋発売予定のアルバムはもちろん楽しみですが、それ以外の活動は? 映画の主題歌の書き下ろしが、近々の仕事です。あとは、各地のイベントのライブや、連載中の「考える人」とレギュラー番組のNHKFMですね。音楽活動は、個々の仕事をつづけるなかから、いろいろ発生していくことが多いので。今年もあらたな出合いを楽しみにしてるところです。なにより、坂本さんとのレコーディングに向けて歌詞を書くことに、ほとんどの時間を割いて頭を抱えて(笑)いると思います。ものすごく時間がかかるので、歌詞は。 ──ゴールデンウイークには野音もありますね。 5月3日に野音で行われる「Springfields’10〜東京場所〜」にはバンドというかたちで出演します。 ──スポーツ選手のように調整してベストの状態で歌ってください。 その日のためにもっていきます(笑) ──ありがとうございました。
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