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OPENERSでは年末恒例になった伊勢丹グリーンサンタチャリティに参加していただくなど、音楽活動以外にも精力的に取り組む宮本益光さん。 自身が日本語訳を完成させたドニゼッティ「愛の妙薬」を含むリサイタルなど、今後の活動についてお話を伺った。 まとめ=梶井 誠(本誌)
Photo by Jamandfix
声楽家として成長しているのだろうかという疑問
──昨年のイタリア留遊90日間では、なにを得られましたか?
──危機感をどこかで感じていると…… まわりに持ち上げられて、自分の技術がなくなって、気がつかないうちに終わるというのは一番怖いことなので……。 そういう危機感はつねにありますね。去年からより強くなった感じですね。本番が多いと、楽譜を覚えて、歌って、「よくできた、歌えた」となるんだけど、それで本当に成長しているのかなという疑問がわくんですよ。 去年イタリアに行って、すごく時間があって、「自分の声楽家としての核はどこだろう?」ということを考えることができた。 今年は仕事をより大事にして、40代になったときにもっといい仕事ができるようにしたいですね。 訳詞家として、声楽家として、両方を前面に出す試み
──宮本さんが目指す、具体的な目標のような人っていますか? 二期会の先輩の立川清登(すみと)さんかな。立川さんは歌手でありながらテレビに出たり、歌合戦の審査員や司会をしたり、コメンテーターを務めたり、クラシックの間口を広げる活動をされていました。 そういう活動をすると、声楽の技術維持は難しいと思われるんですが、立川さんが残された録音を聴いたり、映像を見る限りでは、あの時代においてはもっともエンターテナーだし、テクニックもいいんです。社会や音楽の未来を考えていた珍しいタイプの歌手だったと思いますが、間違いなく、本物の歌手でしたね。 ──それでは、宮本さんは“平成の立川清登”として…… あ、それいいですね。
──訳は苦労しました? もちろん、自然な日本語は追求するんですが、歌いやすさとは必ずしも一致しません。仮に多少歌いづらくても、作品の本質を見失うことなく、生きた日本語であることを求めました。それは日本語音声学と音符との関係の追求でもあります。 4月のリサイタルは、自分の技術発展のためもあって、訳詞家としての面と、声楽家としての面の両方を前面に出してみようかなと思っています。 ![]() 愛情が伝われば、「なるほどね」と必ず観てくれる
──宮本さんのなかに「世界の尺度」はありますか? それはもっているつもりです。今年の5月にも再びイタリアで研修の予定がありますが、その折にあちらの音楽家たちと演奏会を開催できたらと画策しています。 自分の音楽で、音楽の知識がない方々とも語り合えるか、子どもたちやお年寄りに楽しんでもらえないとどこへいっても通用しないと思うし、その向こうに世界はあるでしょうという思いもあります。 ──歌とは? なんでしょう それは教育の理念と同じで、自分(先生)が面白くないものは、どんなに教えても面白くないんですよ。 「この手のなかに、こんなにいいものをもっているけど、見る?」というと、子どもたちは寄ってくるんです。いつも僕はこの発想。 この発想が舞台づくりのなかにあるかないかで観客の反応は違ってきます。 そしてこちらの愛情が伝われば、「なるほどね」と観てくれますね。 ──ありがとうございました
宮本益光ホームページ 「宮本益光の脳みそ」 http://www5a.biglobe.ne.jp/~son-net/ 二期会21 http://www.nikikai21.net/
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