
2009.10.16
INTERVIEW|『Gilles Peterson Presents Havana Cultura―New Cuba Sound』
音の伝道師ジャイルス・ピーターソンの新たな挑戦
1988年にイギリスでアシッド・ジャズレコードを立ち上げ、その後トーキン・ラウド、現在はブラウンズウッド・レコーディングスを興すなど、音楽シーンの先端を走ってきたジャイルス・ピーターソン。彼の看板ラジオ番組である「WORLDWIDE(ワールドワイド)」はいまや世界15ヵ国で放送され、日本では東京オリジナルコンテンツとして放送する「J-WAVE WORLDWIDE15」が人気プログラムとなっている。
ジャズ、ソウル、ファンク、ラテンなどを基本にしながら、つねに新しい音楽を吸収し発信しつづけるジャイルス。10月24日(土)には最新のキューバ音楽をコンパイルした2枚組アルバム『Gilles Peterson Presents Havana Cultura―New Cuba Sound』をリリースする彼の、新たな挑戦を追った。
Text by Tomiyama Eizaburo
Photo by Jam and Fix
ジャイルス・ピーターソンが切り取る、あたらしいキューバ音楽
──このたび、キューバのミュージシャンたちと録りおろしたアルバムと、最新のキューバ音楽をコンパイルした2枚組みアルバム『Gilles Peterson Presents Havana Cultura―New Cuba Sound』を発表されますね。
これは、キューバを代表するラム酒「Havana Club」からオファーを受けて、1年前からはじまったプロジェクトなんだ。彼らはキューバカルチャーを世界に伝えることに対し非常に真摯に取りくんでいる。みじかい日程だったけど、優秀なミュージシャンやラッパーたちに数多く会うことができたよ。
──キューバ音楽に対する一般的なイメージを超え、さまざまな音楽要素が入っていることにおどろきました。
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CD2はヒップホップやレゲトンなど、僕が実際にみて感じた新しいキューバの音楽を収録している。CD1はより実験的なもので、新しいひとたちとコラボレーションをしながら作ったものなんだ。僕なりに解釈したキューバをしっかりと表現できたと思うよ。そのなかで非常に重要なはたらきをしてくれたのが、キューバの巨匠ジャズ・ピアニストであるロベルト・フォンセカなんだ。彼がいなかったからまったくちがうアルバムになっていたと思う。彼のエンジニア、バンド、リズムセクションは本当に素晴らしかったね。
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――レコーディングのさいは、プロデューサーとして苦労も多かったのでは。
短い時間での制作はフォーカスを高めなくてはいけないし、判断力も問われてくる。でも、ロベルトは非常に知的で、僕がもとめていることをすぐに理解してくれた。今回のアルバムは僕にとっても、そして彼にとってもあたらしい挑戦だったと思う。あたらしい国で、知らないミュージシャンと言葉もあまり通じないなか、4日間でレコーディングするのはすごく大変なことではあったんだ。でも、それと同時にいいおどろきや偶然もたくさんあったよ。収録されているほとんどの曲にはランバ、ヒップホップ、ジャズなど3つ以上の音楽要素があわさっている。ロベルトがつくった曲『Miami』以外は、すべて僕のアイデアだよ。
街にはとてもエネルギーがあって、あの雰囲気は独特だったね
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――キューバは、以前から注目していた場所だったのですか?
ブラジルほど大きな影響を受けたわけではなかったし、プエルトルコやアフリカともちがう。ロス・ヴァン・ヴァンのファンだし、いろいろ聴いてはいたけどキューバをおとずれる機会はこれまでなかったんだ。でも、すごくいい経験をしたよ。貧困もあるけど、非常に知的で教育された国でもある。街にはとてもエネルギーがあって、あの雰囲気は独特だった。
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――おとずれてみて、音楽的なファーストインプレッションはどのようなものでしたか?
宗教的にあちこちでランバが聴こえてきたよ。サンタリアという宗教とつながっていて、年齢層も幅広くたのしんでいた。そして、クルマやラジオからはレゲトンがかかっていたね。アメリカの影響がプエルトリコ経由で入っていて、それがレゲトンになっているんだと思う。
運がいいことに、いまでも自分の好きなことを仕事にしている
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――キャリアのスタートのときからラジオDJとしても活躍されていますが、いまあらためてラジオをどうお考えですか?
残念なのはラジオがデジタル化されていることなんだ。僕はオールドスクールだから、海賊ラジオとか違法ラジオを聴くのが大好き(笑)。いっぽうで、この状況は僕にとって有利なことでもあるんだ。世界中で僕がかける曲を聴くことができるし、評判になればすぐにそのアーティストはフックアップされるからね。
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――長年、いい音楽を広げる伝道者として活動されていますが、モチベーションをキープしている理由はなんだと思いますか?
そういってくれるのはうれしいよ。大事なのは、一部であるか一部でないかということだと思う。運がいいことに、僕は好きなことをつづけられている。でも、僕がもしちがう立場であったときのことをつねに考えているんだ。僕はヘッドラインDJにも、プロデューサーにも、レーベル運営者にも、ミュージシャンのアシストにもなれる。そうやって事柄をオープンにしておくことは重要なんだ。すべてできるんだってことがモチベーションにとってプラスになっていると思う。また、音楽はドラッグみたいなもの。僕の住んでいる世界では音楽が日々展開されていて、ある音楽につかれたと思ったらすぐにあたらしい火を燃やしてくれるような音楽があらわれる。それは幸運なことだね。
――10月23日にはリキッドルームにて、J-WAVEの番組発イベント「Giles Peterson's WORLDWIDE SHOWCASE 2009」が開催されます。
今回のイベントのテーマは“アフロ・キューバン”。アルバム発売の前日でタイミングもいいしね。参加してくれる「Quasimode」、「Cro-Magnon」、そして「Salsa Swingoza」には、なにかしらキューバンフレイバーを織り交ぜた演奏をしてもらう予定だよ。このイベントはここ日本のバンド、そしてDJカルチャーのセレブレイションなんだ。
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――今後やりたいことはなにかありますか?
最近、レコードジャケットのコレクションを一冊にまとめた本を出版したんだ。つぎの予定は40年間ディスクジョッキーであることに対して、深い精神的なことを書いた本を出版する予定。あとは「WORLDWIDE」のフェスを世界中にひろげて、どんどん新しいものにしていきたいと思っている。これからもサポートをよろしく!
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Gilles Peterson Presents Havana Cultura – New Cuba Sound
ジャイルス・ピーターソン・プレゼンツ・ハバナ・カルチュラ -
ニュー・キューバ・サウンド
発売日|10月24日(土)
価格|2500円
BROWNSWOOD RECORDINGS
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J-WAVE Gilles Peterson's
“WORLDWIDE SHOWCASE 2009”〜AFRO-CUBAN FLAVA〜
日程|2009年10月23日(金)
オープン|18:00 スタート|19:00(〜23:00end 予定)
会場|恵比寿 リキッドルーム
前売|5500円 当日|6000円 (各ドリンク代別)
チケットぴあ(PC・ケータイ共通) 0570-02-9999 Pコード|330-044
ローソンチケット 0570-08-4003 Lコード|79757
e+(イープラス)内特設ページ
プレゼンター|Gilles Peterson(ジャイルス・ピーターソン)
ライヴ|cro-magnon、quasimode、Salsa Swingoza
Tokyo Heavy Hitters|沖野修也 (Kyoto Jazz Massive)、小林径(Routine Records)、須永辰緒、松浦俊夫、DJ KENTARO、DJ MITSU THE BEATS(GAGLE/Jazzy Sport)、MURO、Yama a.k.a SAHIB(J.B.P./a.s.s.)、ラファエル・セバーグ(U.F.O.)
DJ|石井亮(J-WAVE WORLDWIDE)
スペシャルMC|社長(SOIL&"PIMP"SESSIONS)
VJ|矢部 直 (U.F.O.)
キューバン・ダンサー|Orlando & Miki
http://www.j-wave.co.jp/topics/0906_ww.htm
LIQUIDROOM
Tel. 03-5464-0800
主催|J-WAVE 81.3FM
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Gilles Peterson|ジャイルス・ピーターソン
1990年代にもっとも影響力をもったレーベルのひとつ「TALKIN’LOUD」を主宰し、クラブDJとしてアシッドジャズムーブメントを起こした中心人物。数々の音源を世界初としてラジオでON AIRするヒットメイカー的存在として注目されている。現在は新レーベル「Brownswood Recordings」から得意の新人発掘にも力を入れており、ベン・ウェストビーチやホセ・ジェイムズなどのスターも生んでいる。さまざまな角度から音楽シーンを刺激する、マルチな音楽革命家である。
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