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『ソーシャルメディアの夜明け』著者・平野友康氏インタビュー 01 LOUNGE INTERVIEW
2012.02.08

『ソーシャルメディアの夜明け』著者・平野友康氏インタビュー(1)

「ビジネスとIT」ジャンルでAmazon 1位獲得

「ITといえど“ラブ度”なんですよ」

メディアクリエイターである平野友康氏は、2010年からTwitterやfacebook、Ustreamなどの「ソーシャルメディア」を駆使したメディアデザインを行う活動を展開している。そして昨年末には、『ソーシャルメディアの夜明け』という一冊の本を上梓するにいたった。ソーシャルメディアとはいったいなにか。その答えは、万人が解するだろう平易な内容で整えられたこの本を読めばわかる。そうではなく、平野氏がなぜそこまでソーシャルメディアに惚れ込んだのかを、訊きたかったのだ。

Text by KASE Tomoshige(OPENERS)
Photographs by NISHIMURA Saiko(SELF:PSY'S)


それぞれの幸せがあるはず

この『ソーシャルメディアの夜明け』はたしかにITの本である。ソーシャルメディアを実践してきた著者によるビジネス書、という側面もある。しかし読んだ率直な感想は、「じつはエッセイに近い」というものであった。ソーシャルメディアに感動した著者が夢中になっていく──そのときどきの情景を訥々と綴っているからである。

──ITの本ですが、難解な専門用語はまったく出てきませんね。

なんというか……難しい本が嫌いなんです。難しいことをやさしく書こう、というよりは、難しい本はイヤだな、と思って書きました。勉強をいっぱいした人たちに僕なんかが勝てるわけない(笑)。だから思い切り主観的な、物語を感じる本にしたかったんです。

──なるほど、と言っていいんでしょうか(笑)。

学術的な研究成果や、資料に基づいた話題はいっさい扱っていません。そのかわりに、僕自身が身をもって体験したこと、気付いたことをできるだけ正直にわかりやすく書こうと。“分析”よりも、“気づき”をたくさん紹介したかったんです。自分の経験が読者の力になればと、書いているときにはそんなことばかり考えていました。

──文章自体がとても読みやすい。

いわゆる統計とか理論に基づいて分析された本っていうのは世の中にたくさん出ているし、わかりやすく整理して提示できる方々はいっぱいいます。でもそういう本ではカバーできないような、隙間というか、ソーシャルがなんとなくワクワクしちゃうその理由はなんなんだろうとか、そのあたりを伝えたかったんです。あとは、ソーシャルメディアってなんだかイケる!と思っているんだけど、なにがイケるのかじつは誰もわかっていない。この“イケる感”をちゃんと説明したいと考えたら、こういう文体、というかこういう雰囲気になっちゃっいました。

──そんな文章のなかにいくつか引っかかるキーワードが散りばめられていますね。とくに「ラブ度」という言葉が印象的でした。

よかった、ちゃんとキーワードに見えたんですね。「ラブ度」、すなわち愛着や信頼以外に、大事なものはないだろうという。最初はソーシャルメディア上のキーワードだと思っていたんですが……執筆の途中に震災があって、それによってまじめに生き方を考える人も多くなったせいか、結局、あらゆることに対して「ラブ度」なんだな、という思いは強くなっていきましたね。

──“とにかく利益”とは少し違う世界がある、という感じですね。

数や利益だけを追求するなんて、あまりにも品がないし、そんな世界はいつか結局破綻してしまうと思うんです。それよりも、少しでも “しっくりくる生き方”を探したり、大切にしている環境に身を置くほうがいいんじゃないかと。いままでの時代って、マスメディアに与えられた人生像とかイメージに毒され過ぎていたのかもなぁって。そんなことに気づくと幸せになれるかもしれない、という話なんです。

──もう少し具体的にお願いします。

もし自分が大会社の社長であったら、失業率の高さや雇用制度の変化は考えるべきだと思います。しかしそうでなければ、東京には東京の、海外には海外の、フリーランスにはフリーランスの、それぞれの幸せがあるはずなんです。つまり総体的な幸せを求めて疲弊するよりは、アイデアひとつでもうちょっと幸せな生き方ができるんじゃないかな、という思いが強くなって。そう考えた時に、ソーシャルメディアはこれから活躍できる場になるな、と。この先2、3年で、自分たちが食べていくには十分のフィールドに広がるんじゃないかと。


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