ニューアルバム『PARADISE』をリリースしたばかりのDJ KAWASAKIと、レギュラードライバーとして今シーズンF1復帰を果たすレーサー 山本左近による対談が実現。まったくちがう世界で活躍する両者を結んだ“音楽”──リスナーとして、またDJとして語ってくれたふたりの対談には、そんな“音楽”に対する情熱が溢れていた。リリースを記念しておこなわれる全国ツアー、そしてイタリアGPをそれぞれ目前に控えたふたりに話を聞いた。
文=オウプナーズ
写真=鈴木健太
あたらしいDJ KAWASAKIを聴かせる1枚
──おふたりの出会いは?
山本 じつは最初に出会ったのは沖野修也さんだったんです。それもロンドンでたまたま! それが3年前の夏で、その年の冬に沖野さんにKAWASAKIさんをThe Roomで紹介してもらいました。
KAWASAKI 単純に馬が合ったということもありますが、話しているうちに彼が音楽好きであることを知り、音楽を通じて仲良くなっていきました。職業柄、セレブリティが集うような場にも顔を出すようなひとであるにもかかわらず、すごくアンダーグラウンドな音楽に興味をもっているんですよ。たとえばBODY&SOULなダニー・クリヴィットだとか、僕や沖野さんがリスペクトしているひとと近いんです。華やかな世界にいながらそれに流されず、自分の芯をしっかりもっているところは本当、尊敬します。
山本 フランソワ・ケボキアンがあるインタビューで、「そのひとの聴く音楽は、そのひとのアイデンティティにかかわかる」と応えていたんですが、それには僕も同感で、音楽をどう聴くかという姿勢は、ほかの物事に対してもおなじことが言えると思うんです。沖野さんやKAWASAKIさんにはもともと“ジャズ”というベースがありますよね。これは僕の解釈ですが、ジャズってなんでもありな音楽で、形式はあるけどそこをあえて崩していくという部分がある。そんな自由なスタイルがふたりの人間性にも出ていると思うんですよね。だから話していてすごく楽しいし、惹かれる部分があるんだと思います。
──『PARADISE』はもう聴かれましたか?
でもこの曲は、USハウスからの流れも組んでいるし、デトロイトテクノのインフルエンスもはいっている、でも1980年代の影響も受けていて、こういった音楽を作るにはまずヒストリーを知っていなきゃできないんです。これまで聴いてきた曲の歴史を、“DJ KAWASAKI”というものをとおして昇華させてできたのがあの曲なんだと思うんです。キャッチーなんだけど、芯がある、ポップさとアンダーグラウンドさが両立している曲だなと感じました。