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LOUNGE INTERVIEW
2009.06.17

『Tai Rei Tei Rio (タイ・レイ・タイ・リオ)』 プロジェクト発表

高木正勝氏インタビュー 1

昨年10月のめぐろパーシモンホール、および12月の岩手県立美術館でのコンサート音源をもとに制作した、新作アルバム『Tai Rei Tei Rio(タイ・レイ・タイ・リオ)』をリリースする高木正勝氏。
北の草原や南の海からやってきた私たちの祖先に想いを馳せたときに見えてくる世界観を、ピアノ、パーカッション、コーラス、ジプシー・バイオリン、イーリアンパイプスなど多彩な編成で演奏したライブの音源を再構築したこの新作には、収録楽曲にまつわる神話集がセットになって添えられている。
また7月4日(土)からは、この『タイ・レイ・タイ・リオ』をめぐるドキュメンタリーフィルム、『或る音楽』とオリジナル作品『Homicevalo』、『NIHITI』が全国公開される。

Text by OPENERS
Photo by JAMANDFIX

深遠なテーマをもつプロジェクトの全体をできる限り伝えたい、とコンサート、ビジュアルブック、神話集つきCD、ドキュメンタリー映画という多様なメディアをもって挑んだ高木正勝氏。

「コンピュータを絵筆のように操り、唯一無二の美しい世界を描く。ピアノが中心となった、心地よい音を奏でる」というイメージの強かった高木氏がなぜ、神話、民族的な世界を表そうとしたのか。そもそも、彼がなぜ音楽と映像制作をするようになったのかをトレースすることで、今回当プロジェクトに行き着いた理由を探ってみた。

“モヤモヤ”の答えを知るための創作活動

高木氏がはじめにプロとして活動していたのは、青木孝充氏とのユニット、SILICOM。そこで彼は、映像を担当していた。

「もともと中高校生時代にピアノを習っていたので、映像より音楽に深く関わっていて、高校生や大学生のころには作曲もしていました。でも、ひとに聴かせるようなものはできなかったんです。それが映像は、自然と作品として完成したものがつくれたんです。SILICOMで活動していくうちに“仕上げかた”というのが自分のなかでわかってきたんだと思います。2年間毎日制作していたということもあり、さすがに映像制作がものになったころに音楽を再びやりはじめてみました」

そうして現在は映像制作と音楽制作、両方に従事している高木氏の制作スタンスは、すべて映像ありきで、そのリズムやタイミングに合わせて音楽をつくっていくのだという。音楽をつくるときも、見える世界が基本。しかし必ずしも実際に見ているものや浮かんでいる情景を作品にすべて表現しているわけではなく、なんとなく頭から“とりついて離れないもの”が“目の前に見えてくれる”ように、映像と音楽作品をつくっているのだという。

「逆に言えば、“モヤモヤ”、つまり、“とりついてはなれないもの”のことですが、『それらはどこから来るんだ!? 』という思いがずっとあって、その答えを知るために作品をつくりつづけてきたんです。その“結果”として出来たものが作品であって、僕自身が興味の対象としてずっともっていたのは、『“モヤモヤ”はどこから来ているんだろう』ってことなんです。それは作品を鑑賞しているひとには伝わっていなかったかもしれませんね――」

10年間そのようにして“モヤモヤ”から作品をつくってきた高木氏だが、前作『Private/Public』あたりからその感覚が薄れてきたのだという。しかし、依然として別の“モヤモヤ”が高木氏のなかにうずいていた。


「幼少のころからずっと抱えていた、『よくわからずに、本当の意味を知らずに接しているものの意味を知りたい』ということです。単純なところでいうと、神社の鳥居とか、お正月の鏡餅とか、なんとなくはわかるけれど本当の意味はわかっていないものたちや、祈りの対象ってなんなんだろう? と。そういうことをちゃんと知りたいな、という衝動が、子どものころから絶えずつづいているんです。そして今になって振り返ってみたら、その興味の対象、つまり『ものごとのはじまりをちゃんと知りたい』ということはずーっと一緒だったんです」

映像・音楽作家、高木正勝としての“モヤモヤ”ではなく、高木正勝“個人”が幼少のころからずっと抱えていた“モヤモヤ”と向き合うことにした高木氏は“なぜ音楽を奏でるの”というところまで回帰するにいたった。それが今回の『タイ・レイ・タイ・リオ』プロジェクトをはじめたきっかけだ。

全3回にわたる高木正勝氏へのインタビュー。
次回は、彼が具体的にどのようにこのプロジェクトを進めていったのかに迫ります。

アルバムタイトル|Tai Rei Tei Rio(タイ・レイ・タイ・リオ)
アーティスト|高木正勝

Audio CD+収録楽曲にまつわる神話集「タイ・レイ・タイ・リオ紬記」(約100p)
神話集監修・編集:石倉敏明(多摩美術大学 芸術人類学研究所)
アート・ディレクション、デザイン:近藤一弥
発売元|エピファニーワークス
販売元|ブルース・インターアクションズ
価格|3000円
発売日|2009年6月17日

ドキュメンタリー映画『或る音楽』
監督|友久陽志
出演|高木正勝ほか
配給|エピファニーワークス
7月4日(土)〜24日(金) 東京・渋谷ユーロスペース
7月18日(土)〜24日(金) 名古屋シネマテーク
にてレイトショー。ほか、全国順次公開
同時上映 高木正勝オリジナル作品
『Homiĉevalo』『NIHITI』

「タイ・レイ・タイ・リオ」プロジェクト オフィシャルサイト http://www.epiphanyworks.net/trtr/
発売記念イベント開催
「高木正勝×石倉敏明トークショー」

日時|6月21日(日)
会場|青山ブックセンター本店
入場料|500円
Tel. 03-5485-5511


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