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ラットホールギャラリー|「Juvenile」綿谷修|01 ネズミの穴
2010.08.25

RAT HOLE GALLERY|ラット ホール ギャラリー
写真家 綿谷 修 インタビュー

Photograph is a part of the record

ラットホールギャラリーにて8月25日まで綿谷修の写真展「Juvenile」が開催されている。ウクライナの地を4000kmに渡り旅して出会った少年/少女たち。ティーンエイジという成長過程にある子どもたちの夏の日々が切り取られた作品の背景にあるものについて話をうかがった。

Text by OPENERS


大人よりもカッコイイ、10代の少年たち


――今回の作品であるウクライナ×ティーンエイジャーというのは最初から考えていたテーマなのでしょうか?

生殖期に達していない子どもに対しての興味はありましたが、実際に被写体にしようとは思っていませんでした。じつは3回通っていて、最初の年は通りすがりだったんです。そのときに偶然出会い、半日ほど過ごした子どもたちを撮らないと後悔してしまうかもしれないなと思い、翌年にもう一度行きました。さらに一度行ったのですが、撮影をしたのは2回だけですね。


――ウクライナへはプライベートで行かれたのですか。

そうですね。僕は北海道出身なので、身のまわりでロシア人が当たり前に生活をしていたんです。その影響からか、幼いころから旧ソ連に行ってみたいと思っていました。でもロシアを旅行するには、事前に旅程を申請しなければならないので、もう少し旅行のしやすいウクライナに決めました。最初の年に4000kmくらい走って、彼らに出会った。ウクライナは僕の幼いころの生活環境に似ていて、少し懐かしい気持ちにもさせてくれましたね。



――撮影した子どもたちとのコミュニケーションはどのように?

ロシア語を話せる知り合いに通訳をしてもらいました。 最初に訪れたときに出会った子どもたちのなかのひとりの少年が縁となり、その後も通うことになるわけですが、2度目からは子どもたちの夏休み期間中に合わせて行き、1週間ほど一緒に過ごしていました。2度目からはその子の家に泊まらせてもらっていましたね。


――1週間という長い間、一緒に過ごしたことで関係が深まったというのもあるのでしょうか。

それはないですね。もう関係はできているので一緒にいなくてもおなじです。たまたまホテルまで帰るには遠いので泊めさせてもらいました。彼らはお父さんがいなくてお母さんも働きに出ているので、4人兄弟で暮らしているんです。そして毎日、川遊びに行く。そこについていきました。

――彼らに興味をもったきっかけはあるのでしょうか。

10代という彼らの年代にはある時期、一瞬の輝きかもしれないけれど、純粋という表現が適しているかはわかりませんが、そういうすばらしいところがある。「宿命」や「大人になる前の守られない約束」。そんな言葉にもつながっていきます。それは出会わないと撮れない。探すものではない。今後、僕がそういう少年たちをほかの国に探しに行くということもないでしょうしね。 また、僕のなかにつねにいくつもの怒りみたいなものがあるんです。ひとつは幼児虐待の問題。子どもへの虐待にしろ、レイプにしろ、強いものが弱いものを攻撃することを僕は許せないんです。彼らを通してそれを表現したいとかではまったくないのですが、そういう時期のものにすごく惹かれていくんですね。

――実際に写真を撮ることで、その世代に対する認識の変化はありましたか?

とくにはありませんが、彼らは弱いところをみせない。お土産を渡してもよろこばないし、貧しいながら日銭を稼いでは何かをおごってくれたりする。あとチャールズ・ブコウスキーのような言い回しをしたり、比喩を使って話したりと文学的なんですよ。それがおもしろかった。 彼らには大人よりもカッコイイ部分があり、言い方は変かもしれないけれど、リスペクトしていますね。

――また彼らに会いにいくということは?

うーん。あるかもしれないですね。



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