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2007.12.05

第21回 綿谷 修 写真展『Rumor/Pond』インタビュー(その1)

現在ラットホールギャラリーでは、12月9日までの日程で綿谷 修氏の写真展『Rumor/Pond』が開催されています。綿谷氏は写真家として活動する一方、ヒステリックグラマーのアート・ディレクターもつとめる人物。この写真展は、ホーム・グラウンドでの初の個展となりました。今回はそんな綿谷氏にオウプナーズ編集部が単独インタビューを実施。以降3回にわたり、今回の作品のテーマや現在の心境を語ってくれた彼の声をお届けします。

Photo by Jamandfix
Interview & Text by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)

欲しいものがど真ん中にあればいい、という写真

──まず今回の作品ですが、撮られたのはいつ頃なんですか?

じつは今回の写真展には、2001年に『Agenda』という写真集のために撮った写真と、2005年から2006年にかけて撮った新作が混在しています。小さいほうが『Agenda』で、大きく伸ばしたものが新しいものです。

──両者とも、日常の風景、あるいは風景の中の人がテーマになっているように思いますが、両者の大きなちがいはどんな点なのでしょう?

『Agenda』のほうでは、風景と人を両方撮っていたようなところがあったので、今回はより人に焦点を絞って撮ってみようかな、という思いはありました。それに『Agenda』の場合は、もともと写真集をつくるという前提のもとに撮りましたから、本のセンターに被写体がかからないようにとか、ある程度本になったときの仕上がりを想定して撮っています。それに対し、今回の『Rumor』は、そういうことをなるべく無視して撮りました。大きくすることをはじめから考えていましたから。だからカメラも、前回のものがすべてコンパクト・カメラで撮ったのに対し、今回は6×6というサイズで撮りました。極端にいえば、今回は構図を意識しないというか、欲しいものがど真ん中に入っていればいいかな、という写真です。
写真集『Agenda 2001』(限定500部)



──撮っていくなかでなにか発見したこととかありましたか?

もちろんありますよ。今回はとくに被写体との微妙なやりとりが必要で、自分の欲しいものが僕だけの身体能力じゃ撮リ切れないなと感じましたね。それで“ウワサ”とか“風説”を意味する『Rumor』というタイトルをつけたんですよ。今回欲しいものというのは、必ずしも目線が僕のところにきている瞬間でもなかったんです。つまり、相手がこちらを見た瞬間がシャッター・チャンスとはかぎらなかったということです。さらに、そのやりとりが一枚一枚全部ちがいましたから、けっこう大変でしたね。

自分と自分の外とのボーダーラインを行き来しながら

──綿谷さんが今回欲しかったものとは、なんだったんでしょう?

もちろん人をとおして時代というのもありますが、それだけでもないんです。子どもの表情にしても10年前とはカメラマンに対する視線が全然ちがってるんです。で、そんなすごく強い目線だったり、あとは、人が普段どっか見ちゃいけないと思っているものだったり。欲しいものを言葉にするのは非常にむずかしいんですが、今回はなるべく大きく伸ばすことを想定していたので、伸ばしたときに成立するもの、というのはひとつありましたね。

──綿谷さんのなかには写真の原風景となっているようなものってあるんでしょうか?

とくになにか自分の内側のどこかに向かっているということはありません。しいいていうなら、自分と自分の外とのボーダーラインを行ったり来たりしているという感じでしょうか。写真ってすごく個人的なものですので、それを見せていくことが仕事だと思っています。一方で写真は、非常に社会的なものでもありますが、個人的なことがイコール社会的なことなんじゃないでしょうか。

──そうかもしれないですね

僕は、写真家にせよ芸術家にせよ、そういう種類の人間は、わがままじゃなきゃ社会の役に立たないと思うんですよ。わがままに生きるのって、かなり大変ですし。まあ、僕がそうだというわけではないんですけどね(笑)。

第2回につづく


綿谷 修 写真展『Rumor/Pond』
日程|12月9日(日)まで開催中
時間|12:00〜20:00(月曜定休)
場所|RAT HOLE GALLERY
港区南青山5-5-3 HYSTERIC GLAMOUR 青山店B1F Tel. 03-6419-3581

カタログ同時刊行
展覧会に合わせ、RAT HOLEよりカタログ『Rumor』と、2002年発行の『Agenda』を再編成した『Agenda 2001』を各限定500部発売いたします。
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KITAMURA Nobuhiko/北村信彦
 


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