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2009.08.17

RAT HOLE GALLERY│ラットホールギャラリー

第47回 荒木経惟個展「POLART 6000」(後編)

天才は、いい意味で子どもである

 
今回も前回に引きつづき、現在開催中の荒木経惟個展「POLART 6000」についての話をしましょう。

語り=北村信彦
Photo by Jamandfix
Edit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)

見せ場はつくりながらも、それだけじゃない

今回の個展「POLART 6000」は、会場に入った瞬間、圧倒されるような迫力を感じますが、これは単に量だけの問題ではなく、ポラロイドでしかできないことをやっているからだと思います。

たとえば、この6000枚という写真は、10年、20年という時間が積み重なった結果ですが、ポラロイドの性格上、ノーマルの写真よりも時間の流れを感じづらい。そこには確実に“デジタル前夜”を感じます。そして、そんな写真独特の時間の流れみたいなものをシャットアウトすることによって、写真家としてではなく、アーティスト荒木経惟を出すことに成功しているのです。

ただし、いままでの荒木さんをも裏切っていません。“やっぱり荒木さんのバルコニーは哀愁があっていいよね”とか“荒木さんの空と花は絶品だよね”というひとにも優しいんです。
見せ場はつくりながらもそれだけじゃない、そんな作品群ですね。

すべては、ポラロイドでしかできないこと

「ポラでしかできないことをやっている」ということは、裏を返せば普通の写真でおなじようなことをやっても全然おもしろくない、ということでもあります。

ポラロイドの規格サイズ、あの白いフチ、そしてこの量。そこらあたりの要素がすべておもしろさにつながっています。きっと、このなかの数枚をバラで見たら、一瞬「俺にもできるじゃん」と感じると思うんです。でも、あえてポラで、あえてこのように展示することを思いついた荒木さんは、やっぱり天才。

今回の作品を見てあらためて思ったのは、荒木さんっていい意味で子どもなんだということです。中学生のころ、はじめて英語の辞書を買ったら、まずエロい単語から調べていくみたいな。そういう気持ちを延々ともちつづけてるひとなんじゃないかと感じますね。それでいて、どっかインテリっぽく見せられるところがすごい。けっして単なる落書き行為にはなってない。普通のひとがそこを履きちがえると大変だと思いますよ。

それでも、この空間表現を可能にするのは一枚の写真のクォリティ

もちろん、一枚一枚のクォリティもハンパではありません。ポラって簡単そうに見えて、じつは意外にむずかしい。構図ひとつとっても、なかなか思いどおりにはいかないものです。フレーミングも見たとおりじゃないから、頭を入れてるつもりでも切れていたり、ピントも微妙に合わなかったり。それが見事に一枚の写真として完成されているのを見ると、あらためて荒木さん自身がカメラと一体化してるんだな、と感じます。

さらにいえば、今回発表された6000点というのも、これがすべてではなく、1万点以上のなかからセレクトされている。ですから、それだけクォリティは高いということです。空の写真なんかも、ポラといえどもワクの部分にサインとか入れるようなシロモノじゃない。やはり、これだけクォリティの高い空の写真は、文字なんて入らないほうがいいし、一枚一枚額装してもいいぐらいのものだと思います。

最初にもいいましたが、それだけクォリティの高い荒木さんのポラが、いっぺんに6000枚も見られるチャンスは、これから先二度とないと思います。

(おわり)


荒木経惟個展「POLART 6000」
2009年8月20日(木)まで開催中
ラットホールギャラリー
12:00〜20:00(月曜休)

RAT HOLE GALLERY & BOOKS
東京都港区南青山5-5-3-B1
Tel. 03-6419-3581
http://www.ratholegallery.com
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KITAMURA Nobuhiko/北村信彦
 

 
 



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