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右 Alexander Barck、左 Stefan Leisering
2008.10.24

アルバム制作、リミックス、アーティストプロデュース...
"JAZZANOVA"の創作意欲の根源にせまる!

松浦俊夫 × JAZZANOVA 対談(前編)

ニューアルバム『Of All The Things(オブ・オール・ザ・シングス)』を約6年ぶりにリリースしたドイツのDJ&音楽プロデュースユニット"JAZZANOVA(ジャザノヴァ)"。いままでのクロスオーバー ジャズのイメージを払拭する、70年代のソウルミュージック的な内容にかなり驚かされる。

この秋、"JAZZANOVA"の主要メンバーであるAlexander Barck(アレキサンダー・バルク)とStefan Leisering(ステファン・レイザーリング)の二人が久々の来日を果たし、かねてより親好の深かったDJ松浦俊夫氏が毎週月曜日にお送りしているラジオ番組『7/11(セブン・イレブン)』(SHIBUYA-FM 78.4MHz 19:00〜20:00 O.A)にゲスト アーティストとして登場することとなった。
今回は、松浦さんが番組内で彼らに新作アルバムの内容や制作方法、そして"JAZZANOVA"の創作意欲の根源をテーマに行ったインタビューを、前編、後編の2回に渡ってお送りする。


インタビュー=松浦俊夫
通訳=フクダキョウコ
Photo by Jamandfix



松浦|ようこそ僕の番組へ。

Alexander|こんにちは。

Stefan|呼んでくれてありがとう。

松浦|久しぶりの2枚目となるアルバムなんですが、まずは作り終えてみての感想をおしえてください。

Alexander|今回、アルバムという形でリリースできることはとても興奮しているし、満足しています。新作のリリースまでかなり長くかかったのですが、それは自分のレーベル"Sonar Kollektiv(ソナー コレクティブ)"の運営や、"SHIEF(シーフ)"とかClara Hill(クララ・ヒル)などのアーティストたちのプロデュース、そしてレニー・クラビッツやコモン、ザ・ヘリテージ・オーケストラなどのリミックスを手掛けていたからなんです。
この作品の最初のアイディアは、じつは数年前にすでに出来上がっていて、実際にプロデュースを集中してやり始めたのが1年半くらい前。
なので、約1年半の期間を掛けて完成したのが、今回のアルバムなのです。


松浦|"JAZZANOVA"の名前は、95年くらい、私がまだU.F.Oに所属していたころに聞き始めたのです。"JCR(JAZZANOVA COMPOST RECORDS)"という音楽レーベルからEPを2枚ほど出したあと、自身の音楽レーベル"Sonar Kollektiv"を設立して、それからはレーベル運営とともに自身のアーティスト活動、そして他のアーティストのプロデュースなども行っていて、とても理想的な活動を続けていますよね。
しかもメンバーが6人いて、メンバー自体のオーガニゼイションも大変なことだと思いますが、そのクリエイティブをひとつにまとめあげている。とてもすごいことだと思います!
それらすべての活動の"エネルギーの源"となるものは、どこにあるのでしょう?


Stefan|僕の仕事は音楽プロデューサーなので、"エネルギーの源"は音楽をたくさん聴くことです。
でも、スタジオに入るとおなじ曲を300回も400回も聴くこともあり得るので、時には音楽をまったく聴かない時間も設けたりしますよ。でも、やはりできる限りの時間を音楽に使って、インスピレーションを得るという行為が、僕の一番の"エネルギーの源"じゃないかな。

Alexander|僕の場合は、すべてからエネルギーを感じますね。
例えば、旅をしたり、色々なクラブでDJプレイをしたり。DJの時は、オーディエンスのみなさんからエネルギーをもらうこともあります。あとは、住んでいるベルリンが環境的にいい場所であるということですね。エネルギーがすごくあふれている場所でありながら、心が落ち着く静かな場所でもあるということで、とてもリラックス出来る土地なのです。友達もたくさんいるし、二人の娘たちと妻と一緒に過ごす時間というのが、僕にとって、とてもリラックスできる時間であり、それらすべてが僕の"エネルギーの源"なんです。


松浦|"JAZZANOVA"として、6人のチームで活動しているわけですが、今回のアルバム制作にあたってのそれぞれの役割分担はどのようにされたのでしょうか?

Alexander|今回のアルバム制作は、前作とはちょっと違うカタチでおこなったんです。
まずは、できるだけ一つのスタジオで制作をするというカタチをとっていて、さらにカヴァー曲以外のすべての曲をステファンが書いている。もうひとりのプロデューサーのアクセル(Axel Reinemer)は、レコーディング担当でした。
今作に関しては、ステファンがいちばんメインの役割を担ったということで、彼に話してもらいましょう。

Stefan|今作は、ソングライティング曲としての良さという部分に焦点をあてて制作したアルバムなんです。だからアルバムの中で非常に重要な位置を占めるのが、ゲストアーティストとして参加してくださった方々。
とてもおおくのアーティストに参加してもらったんですけれど、例えばBen Westbeech(ベン・ウェストビーチ)やLittle BrotherのFonte(フォンテ)などのアーティストに関しては、ベルリンのスタジオまでわざわざ来てもらって、お互いの気持ちやイメージを重ねながら曲を作っていきました。
今までそういったカタチ──アーティストと近い位置で制作をしたことがなかったので、自分たちにとってもかなり新しい経験だったと思います。


松浦|今回のアルバムを紹介するにあたって、1stアルバム、昔のシングル音源、そして私がU.F.O時代にU.F.Oのレーベルから98年にリリースされた『Circle』という、あなたがたがベルリンでやっていたパーティ名をつけたミックスCDも、あらためて聴き直してみました。
それをふまえても今回のアルバムは、ソウルミュージックが中心に作られているようですが、そこにクラシックの要素だったり、例えばステファンがメンバーである"Thief(シーフ)"の要素だったり、ブラジリアンだったり、当然JAZZだったりと、ステファンひとりで作曲したとはいえ、私にとっては昔から変わっていない6人の個性がうまく一つのアルバムとして、成り立っていると感じましたね。音楽的になのか、精神的になのか、色々と散らばっているジャンルだったり、時代だったりを一つにまとめることが出来ていると思うのです。
それはどうしてでしょうか?

Stefan|今回は、メンバー6人でかなり話し合いました。
こういった感じが欲しいとか、楽器をプレイしたりしながら話し合いを重ね、曲のアイディアを固めていくという方法をとったのです。だから、それぞれの個人の個性は反映されていると思いますよ。例えばコフィの曲『ROCKING YOU ETERNALLY(ロッキング・ユー・エターナリー)』のカヴァーについては、もともとはアレックスのアイディアでした。それをスタジオに入って、みんなでひとつの曲にしていくという過程をふみ、最終的にできた音がアルバムに収録されているのです。
だから、途中の話し合いのなかでそれぞれの個性が、うまく反映されたのではないでしょうか。



">後編へつづく
JAZZANOVA

Alexander Barck, Claas Brieler, Jurgen von Knoblauch, Roskow Kretschmann, Stefan Leisering, Axel Reinemerの6人からなるDJ&音楽プロデューサー ユニット。
95年にDJ集団としてスタート。翌年には制作活動開始。
98年にはアーティストの集合体である"Sonar Kollektiv"を結成、同時に音楽レーベル"COMPOST"と共にジョイント・レーベル"Jazzanova Compost Records(JCR)"を旗揚げし、数多くのリミックス作品をリリース。
現在は、レーベルとしての"Sonar Kollektiv"に活動拠点を移している。

https://www.sonarkollektiv.de

Of All The Things
JAZZANOVA

価格|2500円
発売中

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