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松本 隆・台本 千住 明・音楽

新作オペラ「隅田川」いよいよ今週末公演!

「隅田川」は世阿弥の長男、観世元雅の能楽作品です。
能の中でも「隅田川」は狂女物といわれ、一般に狂女物は、再会しハッピーエンドとなりますが、この演目は春の物狂いの形をとりながら、一粒種である梅若丸を人買いにさらわれ、京都から武蔵国の隅田川まで流浪し、愛児の死を知った母親の悲嘆を描く、という悲劇です。

12月15日(土)18:00開演
12月16日(日)14:00開演
東京文化会館 小ホール
http://www.t-bunka.jp/


Photo by Jamandfix

松本 隆が生まれてきた宿命

──作曲家の千住 明さんと新作オペラ「隅田川」を発表されるいきさつから……

僕は作詞家だから作曲家とめぐり会って仕事になります。千住さんがかかれた「砂の器」のピアノ協奏曲を聴いたときに、そろそろ一緒になにかやりたいと思ったんですね。
それで共通の友人を介して何度か食事をして、一緒に何ができるのかを模索していたときに、東京文化会館からお話をいただいて、今回実現することになりました。

──たしかに、松本さんは作曲家と組まれて時代をつくってきましたね

日本のクラシックの現状は、西洋のものをありがたがっているだけに見えます。そこではオリジナルをつくることが進化につながるわけで、それは、はっぴいえんどが出現する前の音楽界とおなじです。

──なるほど

はっぴいえんどでロックをやろうとしたときに、目の前に細野晴臣がいて助けてくれて、つぎにJ-POPをはじめたときは、筒美京平という天才がいた。それで今回のクラシックでは千住さんと出会った。ロック、J−POPのつぎに、こうして突破口が開ければ、また新しい真っ白な世界が広がって、挑戦していくことができます。

──今回のクラシックは3つめのジャンルということですね

ただ、僕の仕事は、サッカーの予選のようなもので、一回負けると退場しなきゃいけない(笑)。それをはっぴいえんどからずっとやってきています。勝ち抜いてきたからここにいるんだけど、もちろんサポーターのみなさんの力も必要です。シェイクスピアも近松門左衛門もそうですが、大衆にスポンサーになってほしい。それがいちばん正しい芸術の進化のしかたなんです。

ストーリーを借りて、僕がやるべきは韻律を音楽にすること

──今なぜ「隅田川」を選ばれたんですか?

いま言ったように、新しいところで戦いはじめるなら、最初にいちばんやりたいことをやるべきです。能から歌舞伎に移植された作品は多くありますが、名優中村歌右衛門が演じた「隅田川」の舞台を観ることができて、歌右衛門が花道を歩いてくると青白いオーラが見えた。「隅田川」はそういう僕の原体験にあるものです。

──今回はその「隅田川」の台本を書かれました

室町時代完全保存版の能の「隅田川」の台本を、僕の文体に翻訳しています。

──むずかしかった部分は?

古典は変にいじると古くなる気がします。また新しいものをつけ加えると違和感も生じてきます。古典のばあい、解体して再構築する手法もありますが、僕は原作のテキストをなるべくわかりやすく伝えようと思いました。

──松本さんらしさはどういう点にあらわれていますか?

ストーリーを借りて、僕がやるべきことは韻律、それを音楽にすることです。多くの人は「音楽と言葉はべつのものじゃないか?」といいますが、僕の言葉のなかに音楽があるから、誰が曲をつけてもおなじ質感になる。それはコンピレーションCD『風街少年』『風街少女』でも証明できるし、いろんな作曲家がそう証言してくれています。だから、音楽がクラシックになっても質感はおなじ。それが僕らしさじゃないかな。

──千住さん自らがタクトを振られるんですね

そうですね。ソリストも千住さんが集めてきた日本屈指のメンバーで、音はすごくいい。かなりいい音が聴けますね。とくに狂女役のソプラノの小林沙羅さんはオーディションでの抜擢ですが、ルックスもいいし、声もよく、音程もたしかで、表現力もある。このさき伸びていくと思います。

──では、楽しみに聴きにいきます

聴いてもらわないといいも悪いもわかりませんね。ぜひ東京文化会館に来てください。


東京文化会館 舞台芸術創造フェスティバル
松本隆×千住明 新作オペラ 「隅田川」(演奏会形式)
詳しくは
http://www.t-bunka.jp/shusaikouen/etc/sonota07_1215.html
LINK/関連リンク
 
 
 


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