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2008.02.08

YOSHIMI(From ボアダムス) インタビューVOL.001

いまや日本を代表するオルタナ・ロックバンド、ボアダムス。
その中心メンバーであり、自身のバンドOOIOO(オー・オー・アイ・オー・オー)やソニック・ユースのキム・ゴードンとのバンド、フリー・キトゥンでの活動など、 多岐にわたって音楽活動を展開しているYOSHIMI。
そんな彼女が、こんかい『TIBET TIBET』などでお馴染みの映像作家、キム・ヨンスン氏による新作『雲南 COLORFREE』の音楽製作をYOSHIMIO名義で担当し、そのサントラがリリースされた。
中国雲南省の民族衣装をモチーフにし、独自の視点からそこに住む人たちをカメラにおさめたドキュメンタリー映画──。キム監督のサイケデリックでドープともいえる映像に、ひとびとのうごきに寸分たがわずピタリとあっている音楽を聴くと、まるで映像のための音楽ではなく、音楽のためにつくった映像、PVを見ているかのような錯覚をもたされる。
YOSHIMIは、この映像のどこに注目し、何を感じてこのサントラを制作していったのか。
キム・ゴードンなどの豪華ゲストも参加するこのサントラに関して、3回にわたっていろいろとお話をうかがったインタビュー・シリーズの第1弾です。


文=金子英史(本誌)


DVD『雲南 Colorfree』のサントラを担当されたわけですけれど、曲をつくるうえでなにか気にされた点、こだわったところはありますか? 即興でつくられたともききましたが。

即興と半々ぐらいかな。ヒトがあるいているじゃないですか? そういうテンポで即興的にやった部分もあるし、映像を見ながらヒトが振り向いて目線がこっちに向いた瞬間に、パン! とか音を出したりとかはやりましたね。
あとはもともとつくっていた自分の音ネタを当てはめたら、BPMが歩幅にあっていたとか、そういう偶然もあったりと、いろいろです。気にかけたことはヒトのランダムな動きのBPM(テンポのはやさ)くらい。

映像を見たときの最初の印象は?

監督が撮ってきた膨大な量のホームビデオの記録をわたされて、それが50時間分もあって(笑)。もう見きれんくらいあったから「40分にまとめてくれたら考えます」って言ったんです。そしたら1年くらいかけて44分くらいにまとめられてきたんですよ。でも、最初に映像のなかの衣装を見たときに「できる」と思ったんですけれどね。


その"できる"と思った瞬間の境界線はなんだったんですか?

色もそうなんですけれど、映像がハレーションをおこしていたのもあるし──。
ファッションにしても何にしても、毒されていなくて、すべての源っぽいものばかりだったので、ぜったいわたしの音楽とあうと思ったんです。わたしの経験でタイの国境沿いのリス族の家に泊まらせてもらってたことがあって、そこの人の民族衣装は虹色で、山岳民族の服装にはかなりな興味はもっていました。
でも、雲南だけにかぎらず、南米の方とか、ある標高以上の女の人たちってみんなこういうオリジナリティのある服を着ていますよね。

南米のアンデスの方面とかもスゴいですよね。似ているなと思ったんですけれど。でも、中国なんですよね。

そう、中国なんですよね(笑)。

キム・ゴードン(ソニック・ユース)が、ゲストミュージシャンで参加されているのですが、それはもともとあった彼女の曲を当て込んだんですか?

キムの曲は、その話があったあとにキムとデュオでニューヨークでライブをやったんです。そのライブは、即興だったんですけど。ついでに彼女の家に行って録ってきたんです。ソニック・ユースの『デスバレー69』をカバーしたのは、あのフレーズがずっとシタールに合うと思っていて、それでサイコババというバンドのシタール奏者に弾かせてみたかったんですね。あと、もともとはリディア・ランチが歌っているんだけど、キムに歌ってほしくて。

そうだったんですね。

そう! で、彼女にきいたら「やるヤル!」って言ってくれたんで、ソニック・ユースのエンジニアのアーロンにこっちでつくったファイルを送って、キムにむこうのスタジオで歌ってもらって、また戻してもらって、こっちでミックスダウンしたんです。

なるほど、キムは映像を見たんですか?

そのライブで行ったときに、完成バージョンじゃないやつをチラリと。

見た瞬間にやろうってなったんですか?

それは、最初のメールのやり取りで決まったんですけれどね。見る前にやるかきいたんだけれど、「ああ、やるやる!」みたいな(笑)。

なるほど。YOSHIMIさんのなかで「キムならぜったいあうからやってもらいたい」というような意図的な”何か”があったのかなと思ったんですが──。

そこまでは、べつになくって。行く機会があったからキムにもやってもらおうみたいな感じ(笑)。

監督のキム・スンヨンさんとはどういう出会いだったんですか?

キムくんは、以前「TibetTibet」というダライ・ラマのドキュメンタリーをやっていたんですけれど、それは彼が住んでいたスクワット状態の(笑)、大阪の"ひのとりアパート"というところがあって〜いまはつぶれちゃったんやけれど、そこで上映会をやっていて、たまたまそれを観に行ったんです。
そうしたら「あー、知りあえたー!」みたいな感じでむこうは言ってくれて、それからの付きあい。でも、いま3作目をつくっているらしく、それが「寝たきり老人がみても楽しいインド旅行」みたいです(笑)。

それはスゴいですね(笑)。実際に、中国の雲南省に行ったことはあるんですか?

ないです。

こんかいの映像は、今後自分にどんな影響をおよぼすと思います?

そこでは女の人は生活のすべてをやっていて。ファッションにしても農作業にしても衣食住を女の人がすべてやっていて、しかも自分たちでつくったオリジナルの衣装を着て、ただただ農作業をやるという素晴らしい生き物で。
男の人は女の人ができないことをする、というか手伝うんやなって、それが人間の原型のすがたなんやなって、あの映像を観て思いましたね。


男たちは何もしないで、ボーっとおもむろに大きいパイプを喫っていましたね(笑)。

雲南ってタバコの産地なんですよね。で、タバコを喫って、バクチをやって、女の人が荷物を重くてもたれへんって言ったら、たまにトラックに積み上げたり、男の人はそのぐらいで十分なんやなって(笑)。


男のひとはほぼ遊んでいましたよね(笑)。

おシャレもせず、キタナーイかっこうしてね(笑)あれがほんとうの本当のすがたじゃないんかな。へんに男のひとに社会性をもたせたり、政治に関わらせると、戦争がおこるし(笑)。

だいたい戦争をおこすのは、男ですからね(笑)。

アレをみて、ぜんぜんダラシがないとは思いませんでしたね。リアルな世界やなーと。女の役割、男の役割をやっていると思いました。


(VOL.002へつづく、2008年2月15日更新)


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YOSHIMIプロフィール

日本を代表するオルタナ系ロックバンド BOREDOMS(V∞REDOMS)の中心メンバーにして、OOIOOのリーダー。
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