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2007.08.13

2007.08.13

フォトグラファー 須田 誠×作家・自由人 高橋 歩 『NO TRAVEL NO LIFE』VOL. 1

旅のプロが語る旅術――

さる2007年5月12日に、青山にあるライブハウス"月見ル君想フ"にて、OPENERSも一押しのフォトグラファー 須田 誠による写真集『NO TRAVEL NO LIFE』のリリース・パーティが開催された。
前売りチケットはすべて売り切れ、当日券キャンセル待ちというトークショウにしては異例の事態となった。
パーティは、ダンスあり、ライブありのエンターテインメントに溢れた内容。 その充実した内容の中でも秀逸だった、フォトグラファー 須田 誠氏と、自身の世界一周旅行の体験にした「ワールド・ジャーニー」などで知られる、冒険家であり作家、そして自由人 高橋 歩氏によるトークショウの模様を12回にわたってお伝えする。
この2人に共通するキーワードは、まさに""。
一体、どんなトークショウになるのかーー。


文=金子英史(本誌)
写真=Hiroko Suzuki

司会_西川たけし(以下司):須田さんは、10年間も普通のサラリーマンをしていて、突如、仕事を辞めてニューヨーク旅行に行ったとのことですが――。

須田誠(以下M):僕は、元々アメリカの音楽が好きだったんです。それで、仕事(会社)が休みごとにニューヨークに遊びに行っていたんですね。
もちろん普通の会社員だから、夏休み1週間、冬休み1週間みたいな感じでですけど。
だけど、それじゃあ物足りなくなっちゃったんで(笑)……ちょっと長めに行きたいなと。
とりあえず、3ヶ月間くらいって思っていたので、学生ビザで行ったんです。
ところが、やっぱり

ニューヨークってところは、楽しかったんですよね。

だから、ビザが切れた後は日本に戻ろうか凄く悩んだんですが、その時は"自分のやりたいことをやろう"と思ったんです。だって、そのためにニューヨークに来たわけだし、結果的に違法滞在になってしまったんですけどね(笑)。

で、やっぱりお金もなくなっちゃったんで、結果的に違法就労ってことになっちゃったんです(笑)。
1年半くらいニューヨークにいてから、日本に帰ったんです。
昔から僕は、「自分で"何か"をやりたい」という野心みたいなのが強かったんですね。だから、帰ってからは個人で音楽事業を日本でグロウアップさせようとしていたんですが、残念ながらそれを挫折せざるを得ず、レコード会社に就職をしたんです。
そこで担当したアーティストがヒットしまして小さな成功を収めまして、僕もちょっと偉い感じに、というかちょっとしたステイタスを得たんですよ。

その会社にいた当時は、バブル全盛期だったのでお金がガッポガッポ入ってきたんです。
当時、月に200時間くらいの残業をしていたんですが、それも全部残業代が付いたんですよね。
僕の家は埼玉だったんですが、帰りがいつも夜遅いから、

毎晩タクシーで片道18,000円くらいの距離を帰っていました。

司:めちゃくちゃバブリーじゃないですか(笑)!?

M:もう、超バブリーですよ!!
月給よりタクシー代の方が高くなっちゃったし(笑)、そういう時代だったんですよね。
だけど、バブルが崩壊して、外資系の会社だったから、上司とかみんなはあっさりクビになって、僕も営業に回されたんです。
それまで営業の人たちに、「ディレクター! ディレクター!」みたいな感じに、もてはやされていたのが、急に冷めた目で見られて(笑)……。
司:もう、タクシーも乗れないみたいな(笑)?

M:そう(笑)。
バブルの崩壊がいちばんのキッカケではないんですけど、それを機にまた会社を辞めたんです。
司:それが34歳のとき?

M:そうです。そこから長い旅に出たわけです。
よく、「なんで長い旅に出たのか?」って聞かれて凄く困るんですよ。
本にも書きましたけど、自分でもキッカケがハッキリと思い出せないんです。
レコード会社を辞めてから旅に出るまでのあいだは、脳しんとうを起しているような感覚だったんですね。
よくラグビー選手が脳しんとうを起したまま、最後までゲームに参加しているという話がありますけど……そんな感じなんです。目は開いているけど、何をやっているのかが分からない精神状態。そういう状態だったから、大きなキッカケが思い出せないと思うんですね。
だから、結果的に

「旅に呼ばれた」

としか、自分でも言いようがないんです。

:それは本にも書いてありましたね、「行くものではなく、呼ばれるものだ」って。
:ところで、旅のなかでカメラとはどういうふうに出会ったんですか?

M:最初、旅に出た直後は、やっぱり会社員の保守的な部分が残っていたんです。
白地図に「何日から何日まではバンコク、何日まではインド、この日まではイスタンブール」とか……キッチリ、スケジュールを立てて、東南アジアから半年ぐらいでヨーロッパに行く計画だったんです。
ところが、旅をはじめると

ぜんぜん予定どおりいかない(笑)。

良いモノも悪いモノも、色んなモノが寄って来るわけですよ。
ロバート・ハリスさんの本に、旅で出会うよい人のことを『旅の天使』って書いてあるんですが、まさに『旅の天使』とどんどん出会って、どんどんコースが変わっていっちゃうわけですよ。
だから、半年でヨーロッパまで行くハズが、3ヵ月で東南アジアの4カ国くらいしか回れてなかったんです(笑)。

司:ぜんぜん、計画どおりじゃなかったんですね。
M:ぜんぜん、前に進めないし、予定どおりいかない(笑)。
東南アジアを旅行した人はご存知だと思うんですが、マレー半島を下りるコースがあるんですよ。
僕もタイから入って、マレーシア、シンガポール、そしてインドネシアって下ったんです。
で、インドネシアに1ヵ月くらい滞在したあと、バンコクに戻ろうと思って飛行機で戻ったんですが、トランジットでシンガポールに寄ったんですよ。

そのときに、カメラと出会ったんです。

それまでずっと音楽関係だったから、一眼レフのカメラとかまったく触った事も無かったですよ。

司:旅の途中の運命的な出会いだったんですね。

M:そうです。


(VOL. 2に続く)



須田 誠プロフィール

34歳のとき、10年間のサラリーマン生活で築いた地位・安定・守りを全て捨て、呼ばれるように世界放浪の旅に出る。その旅の途中、安く売られていた一眼レフを手に入れ、旅人たちに使い方を聞きながら独学で写真を撮り始める。
写真は自分自身であり、旅そのものでもあり遊びの一環でもある。2004年夏、東京都写真美術館内のカフェにて写真展を開催し好評を博す。現在までに31カ国を旅し、人物を中心に撮影している旅人・フォトグラファー。
2007年4月19日『NO TRAVEL, NO LIFE』言葉&写真集でデビュー。

・TRAVEL FREAK
http://www.travelfreak.jp/

『NO TRAVEL, NO LIFE』

写真・文 須田 誠

発行・発売:A-Works

定価:1,680円(税込)
ISBN978-4-902256-08-6

On Sale!!

【オフィシャルサイト】
http://www.a-works.gr.jp/ntnl/


フォトグラファー 須田 誠 写真展 @ test原宿

フォトグラファー須田 誠さんの写真展が、〜2007/8/23の期間で、原宿にある不思議な帽子専門店"test"にて開催中。

もちろん彼の写真集『No Travel No Life』も販売。

まずは、覗いてみる勇気を!

test
渋谷区神宮前3-22-6
tel 03-5775-1537
open 12:00 close 20:00
年中無休(年末年始除く)


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