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富山オーバード・ホール 楽屋・食堂にて

2009.04.27

Ryuichi Sakamoto Playing the Piano 2009

東京凱旋公演直前! ツアースタッフインタビュー(2)

3月18日にスタートした「Ryuichi Sakamoto Playing the Piano 2009」も、28日(火)の東京オペラシティコンサートホールと、29日(水・祝)の昭和女子大学人見記念講堂の2回公演を残すのみ。
4月17日に公演が行われた富山オーバード・ホールで、今回のツアースタッフに直撃インタビューを行った。

「僕はCDで聴く坂本龍一より、ライブで聴く坂本龍一のほうが好きです」

NIGEL EDWARDSさん(照明デザイナー)

──坂本さんとのおつきあいは?

2005年の「insen(alva noto+ryuichi sakamoto)」ツアーが最初で、ヨーロッパでの「fennesz+sakamoto」公演、alva notoとの「UTP」マンハイム市でのライブを経て、サカモトさんのソロツアーは今回が初めてです。

──富山までのベストライブは?

ライブはどれもステキですが、京都の会場は調光室のガラス窓を開けることができて、サカモトさんの音をダイレクトに聴きながらオペレートできたのでとても仕事がやりやすかった。今日の富山もよかったですね。
あと、東京国際フォーラム・ホールCでの2日目もよかった。今回はサカモトさんが演奏する曲目と曲順が決まっていないのはみなさんご存知のとおり。照明は映像との連携があるので、その映像とうまくやっていけるのを確認できたのが東京の2日目。音楽と映像と照明の関係の手応えがつかめました。

──今回のツアーの印象は?

とてもやりやすいです。サカモトさんが演奏する曲に対して自分の感覚で反応していくのはとてもやりやすいし、すべて自由を与えていただいて、信頼を感じます。毎日、毎回エキサイティングです。仕事でいえば、音楽と映像と照明のすべてがマッチしたときが素晴らしいので、短い曲より長い曲のときのほうがストーリー性もあって豊かな感じに見えると思います。

──教授にメッセージを

素晴らしい人だと思います。互いに尊敬しあって仕事ができるのもとてもありがたいですね。
僕はCDで聴く坂本龍一より、ライブで聴く坂本龍一のほうが好きです・彼の演奏自体にパーソナリティが見えてきて、音楽のなかに人物像が浮かび上がってくる。ライブのキョウジュがとても好きです。

──マンチェスターユナイテッドのサポーターですか?

偶然ですが、本番日じゃないときにチャンピオンズリーグやプレミアリーグの試合がオンエアされているので、とても助かっています(笑)。

4月11日の「ツアー日記」より

「全部いいですよ。とくに挙げるとすれば新潟の選曲が楽しそうでした」

森俊弘さん(照明)

──坂本さんとのおつきあいは?

僕が照明の仕事をはじめたときに、83年12月のYMO「散開」コンサートの武道館の1回目と追加公演を担当しました。そのあと、93年のYMO「再生」、94年のスウィート・リヴェンジツアーもご一緒しました。
今回のライティングデザイナーはナイジェルで、この秋に予定されているヨーロッパツアーもナイジェルが担当します。彼が考えたデザインを日本の会場のシステムに合うようにサポートするのが主な仕事ですね。外国から来るオペレーターにしては細かく仕事をする人なのですごくやりやすいですね。
彼は雰囲気をつくっていく照明をしているので、面白く感じています。

──富山までのベストライブは?

全部いいですよ。とくに挙げるとすれば新潟の選曲が楽しそうでした。

──今回のツアーで好きな曲は?

好きな曲は「aqua」。今回のアルバム「out of noise」の曲も奥が深くて聴き込むといろんなとらえかたができます。

──教授にメッセージを

いまが一番いいと思いますよ。このままずっと元気に活動していただければ。呼ばれればいつも通りお手伝いします。

富山市役所展望塔より立山を望む

「際立っているなと思うのは、「composition 0919」のときの光景ですね」

谷村興治さん(映像プロジェクションシステム)

──坂本さんとのおつきあいは?

坂本さんとは7〜8年前に一度やらせていただいています。

──富山までのベストライブは?

個人的には4月7日の長崎市公会堂でしょうか。古い会場でしたが、ステージが小さく、全体的な広がり感がわかりやすくて印象に残っています。

──今回のツアーの見どころは?

完全にアドリブの状態で、音楽と照明と映像がうまくはまったときはすごいですね。芸術のなかで音楽は唯一即興性が際立っているので、今回の坂本さんのツアーは音楽の本来あるべき姿なのかなと思っています。
曲目・曲順など、決まっていないことをするリスクを伴うので、ほかのみなさんはやらないのでしょうが、これだけ実験的なことをする坂本さんはすごいなと思いますね。
映像に関しては、映像のないところも含めて、全体トータルで見てほしいですね。とくに際立っているなと思うのは「composition 0919」のときの携帯やデジカメのストロボやシャッター音が入り混じっているのが今回を象徴しているなと思います。

──教授にメッセージを

教授は、普段話をしていても枠にとらわれていないというか、ついていくのが精一杯で、仕事に関しても奇想天外な発想があって、「こんなことをしたい」というのにいかに答えていけるか、いかにベストなものを用意できるかドキドキしながら、自分の力を蓄えていかないとと思わせられる人ですね。
これまで永く音楽シーンをリードしてきて、とてもお元気で、バイタリティあれる人ですが、まだまだこれからも自由にやっていただければと思います。

「曲が始まる前に、教授が小さい声で曲名を言ってくれます」

寺田清治さん(Midiコンピュータオペレート)

──坂本さんとのおつきあいは?

最初に参加したのは、97年の「f」コンサートで、そのあと、2005年のバンド編成ツアー、そのあとのピアノツアーにつづいて今回が4ツアー目になりますね。
仕事は、ステージにあるもう一台のピアノのデータを出しています。僕がステージ上手の袖にいて、教授に合図をもらってスタートします。曲が始まる前に、教授が小さい声で曲名を言ってくれるのでその口元を見て、ピアノの音を僕のところに返してくれるのでその音を聴いてデータを出します。

──富山までのベストライブは?

前回のピアノツアーのときよりさらに一本一本考えていらっしゃるようで、印象に残っているのは4月9日の多治見市文化会館ですね。ほかの街とは違ってお客さんもなごやかな雰囲気で、教授もリラックスしているように感じました。

──今回のツアーで好きな曲は?

今回の公演は毎日、毎回、曲目と曲順が違うことで、感情が入っているというか、気持ちがこもっているので、聴いている人も感動すると思います。
好きな曲は「aqua」と「parolibre」ですね。

──教授にメッセージを

残すところが少なくなりましたが、変わらず気合いを入れて本番に望みたいと思いますので、宜しくお願いします。

4月15日の「ツアー日記」より
教授の楽屋にて

「楽器の響きを出してくれるスローな曲はどれも自分の腕を試されているようです」

花岡昌範さん(ピアノ調律師/YAMAHA)

──坂本さんとのおつきあいは?

95年、96年にワールドツアーがあって、中国公演でピアノがなくて、YAMAHAで貸し出すことがあってその担当になってからのおつきあいですね。
教授のMidiがついたコンサートピアノは、日本とヨーロッパとニューヨークに計3台お持ちで、今回のツアーでは自分のピアノを弾かれて、もう1台の教授がプログラムした自動演奏のピアノはYAMAHAが提供しているものです。

──富山までのベストライブは?

京都、広島もよかったですね。あと、松本と今日の富山もホールの響きはいいですね。

──今回のツアーで好きな曲は?

「1919」が好きですね。楽器の響きを出してくれるスローな曲はどれも自分の腕を試されているような感じもするんですが(笑)。

──演奏家としての教授の魅力は?

クラシックピアニストですと、超絶技巧などアクロバティックな演奏などもありますが、教授は感動させる音楽ですね。
和音の響きや音色の美しさなど、心を震わせるような響きを出す音楽ですが、それは調律師からするとシビアな調整が必要なんです。
音が鳴っているか鳴っていないかぐらいの音を出したときにもバランスよく、ユニゾンでも表現力のあるツヤがないとダメですし、難しさはありますね。
ピアノは不思議なことに、タッチひとつにしても好みがあって、教授はしっかり押さえるタッチがお好みだと思います。音質では、あたたかい音色で、やわらかい感じなんですが、ツヤがあって太くてしっかりしている。そのなかで和音を弾いたときに音の余韻がつづくような響き感が好みじゃないかな?

私の仕事は、ホールによっても音色感は変わるので、ホールの響きとピアノの響きの差が出ないように調整していくのですが、今回のツアーの教授は、その日の雰囲気やホールの響きなどに応じて演奏を変えられる力がすごく研ぎ澄まされているなと感じます。

──教授にメッセージを

教授は楽器で表現するので、教授が求めている楽器の音がでなかったら欲求不満になるわけですが、楽器を介して自分の音楽を表現しているんじゃなくて、楽器を弾いていることを忘れるくらいの一体感や楽器に対する思いと導通すればいいんじゃないかなと、それを目指してがんばります。


Ryuichi Sakamoto Playing The Piano 2009

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