その歴史において、2度目の完全刷新となったニューポルシェ 911。アメリカはサンタバーバラでおこなわれた国際試乗会より、モータージャーナリスト 島下泰久氏による同車の試乗インプレッションをお送りする。
渡辺敏史氏の試乗記も公開されているので、こちらもあわせてご覧いただきたい。
文=島下泰久
写真=小川義文
“乗るというより着る感覚”が重視されたインテリア
アメリカはサンタバーバラの海沿いのホテルにて対面した新型ポルシェ 911 カレラは、ひと目見て「ひとつ上のクラスのクルマになったようだ」と感じさせた。モーターショー会場などのスポットライトの下では、実際のところどんなクルマも華ばなしく見えるものだが、西海岸の眩しい陽光の下でも新型911 カレラは、これまでとはちがった存在感を見せつけていた。
事前に囁かれていた噂とはちがって、新型911 カレラは既報のとおり、ボディサイズをほとんど拡大していない。全長が伸びたぶんは56mmだけで、全幅は据え置き。全高は下がっている。しかしながら100mm伸ばされたホイールベースや、そこに収められた20インチの大径ホイール、そしてなにより911のアイデンティティを守りながらも、さらに伸びやかさを増したスタイリングの洗練ぶりが、実際のコンパクトさにもかかわらず、想定されるライバルたちのなかでも埋没することのない存在感を見事に演出してみせたのだ。これは、まさにデザイナー陣の勝利である。
全高が下がったのにあわせて、着座位置も13mm低くなっているのも効いているのだろう。走り出すとそれはますます顕著で、シフトレバーなど操作系が近くに寄ったこともあって“乗るというより着る感覚”と称された911らしさは、じつは一層色濃くなっているのだ。