リアエンジンという独特な基本設計を継承する、ポルシェ伝統の作、「911」がニュージェネレーションへと進化した。そのワールドプレミアは、地元ドイツのIAA=フランクフルトモーターショーにおいておこなわれたが、先日開催された東京モーターショーにおいても、もちろん新型911は、ポルシェブースの主役。このジャパンプレミアには、エンジニアリング部門の中枢ともいえる、ヴァイザッハ研究開発センターの最高責任者であり、またポルシェ社の取締役にもその名を連ねる、ヴォルフガング・ハッツ氏も登壇。日本市場への期待とともに、新型911のアンヴェールに立ち会った。
文=山崎元裕
すべてを一新する気持ちでのぞんだ新型911開発
新型911、あるいはこちらはロサンゼルスモーターショーで発表されていた、パナメーラGTSといったニューフェイスを揃えるポルシェブースには、プレスカンファレンスがはじまるかなり前から、つねに熱い視線が注がれていた。
その熱狂の渦から開放され、ポルシェブースの2階に用意されていたインタビュールームへと姿を現したハッツ氏と、会話を交わすことができる時間はわずか。現在のポルシェはフォルクスワーゲングループのメンバーであり、彼にはポルシェ社の取締役として、さまざまなスケジュールが組まれている。そうそれは、何かひとつが狂えば、すべてが破綻してしまうかのごとき緻密さをもつ、ポルシェ911なる世界最高の工業製品と、まったくおなじ事情でもある。
1963年に初代モデルが誕生して以来、今回で第7世代となる新型911には、たしかにその言葉に証明されているように、さまざまな新技術が導入されている。たとえばリアに搭載される、こちらも伝統の水平対向6気筒エンジンの排気量は、新型では3.4リッターと3.8リッターがチョイスされている。
注目すべきは世界的なテクニカルトレンドともいえるダウンサイジングによって、あらたに3.4リッターの排気量が設定されることになったエントリーモデル。その直接の目的が燃費性の向上、そしてCO2排出量の低減にあることはまちがいのないところだが、ポルシェは194g/km(PDK仕様車)というCO2排出量を実現するとともに、これまでのエントリーモデルに搭載されていた3.6リッターエンジンを上まわる、350psの最高出力を発揮させることに成功しているのだ。